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他人を助ける優しい力

あなたの周りには自分の話(感情)を喋らない人がいますか?もしくは、あなた自身、自分の話を周りに喋るでしょうか?

特に、病んでいる子どもの多くは、自分の気持ち、病んでいる感情を周りに伝えません。(私の生徒にも多くいます。)

この記事では、次の2点を伝えます:

■ 病んでいる他人(ひと)が周りの大人を信用できなくなっていくプロセスの解説
■ 助ける側の人間には優しさだけではなく知識が必要だという認識の解説

【要約】病んでいている他人は、少しだけのSOSを何百回も発します。周りの人間は、これに気が付かず、周りの他人(ひと)を信用できなくなっていきます。

✅ 周りに悩んでいる人(病んでいる人、と表現します)が居て、どうにもこうにも心を開いてくれないと悩んでいる方
→少しでも、悩みを聴くという立場のお手伝いになれば幸いです。

✅ 今現在、病みに病んでいる、特に、周りの人間を信用できないと心から感じている方
→ 共感していただいて、心の整理の一助となれば幸いです。

自分の経験談と、病んでいる人の話を沢山聴いてきた経験と、勉強してきた知識から伝えます。よろしくお願いします!


[1] なぜ病んでいることを言わないのですか?(話さない理由)

悩んでいる人や病んでいる人で、周りに自分自身の話(感情)、病んでいる内容を喋らない人がいます。

Q. なぜ自分の話(感情)を喋らないのでしょうか?

A.  おそらく、病んでいる本人は、喋っても(どうせ)誰も分かってくれない、という気持ちを抱いているからです。


・・・心の中・・・

自分の体験は、世間一般の他人(ひと)の体験と違うし、その時に自分が思ったこと(つらい気持ち)なんて分かる訳ない!!

・・・おわり・・・

病んでいる人は、周りと違う体験、周りと異なる経験をしているから、このように感じてしまいます。


しかし、周囲の人間は、我々(周りの人間)に頼ってほしいと考えると思います。このような思いやりのある方が多いと思います。なぜ、その人たちの願いは通じないのでしょうか?(なぜ、病んでいる人は相談しないのでしょうか?)

大切なことは、病んでいる人は、悩み始めた頃から周りの人を全く頼っていない訳ではない、ということです。この説明をします。


[2] なぜ、自分の話をしなくなるのですか?(話をしなくなっていく理由)

当たり前の話ですが、病んでいる本人は必死です。この必死の意味を具体的に言うと、他人に常に SOSを求めているということです。実は、病んでいる人は、常に周りにSOSを発しているのです(←知っていました⁉️)


Q. なぜ周囲の人々は、病んでいる人のSOSに気づかないのですか?

A.  このSOSに気づかない理由は、発するSOSが少しだけだからです。悩みを聴く立場の人は何気なく話しているだけでは見過ごしてしまうのです。


・・・SOSから拒絶まで・・・

病んでいる人は言葉でSOSを次のように発信します。

① 自分の心で悩んでいることの情報を少しだけ言ってみる。

② この言葉に共感を持って聴いて欲しい、この言葉を聴きとって助けて欲しいと考えている。

③ このようなSOSを、同じ人、様々な人に何百回、何千回と行っている。

④ しかし、このSOSを何回しても周りの人々は気づいてくれない

⑤ だから、他人を拒絶していく

・・・おわり・・・


Q. なぜ、悩んでいるSOSを少しだけしか言わないのですか?

A. これには2つの理由があります。

自分の悩んでいること自体を本人が明確に把握している訳ではないから。本人にSOSを出している自覚があろうとなかろうと、明確なSOSではなくて、情報が少ないヒントみたいなSOSになってしまいます。

❷ 何回かSOSを発しても気づかれなかった場合には、自分の心を守るようになるからです。自分の悩みを全て開示して拒絶されると傷つく。だから、自分の悩みを全部はっきりと言いたくない。でも、誰かに助けてほしい。だから、SOSを発する。(→少しだけのSOSになる。)


病んでいる人が子どもで、親に何度も何度もSOSを発信しているけれども、親が気がつかなかった場合、お互いの気持ちは全く違う方向に向いてしまいます。どちらも悪くないのに。。。


[3] SOSは小さい、親や先生でも意識しないと気が付けない

これまで話したような「些細ではあるが発信する者にとってはとても大きなSOS」を聴きとれる他人(ひと)は、とても少ないです。


あなたは、TVなどで、次のセリフを耳にされたことがあるでしょうか?私は、このセリフを聞くと、悲しい気持ちになります。

「親(もしくは、先生)なのに、病んでいる子をなぜ発見できない(なぜ発見できなかったのか)」という批判。

「親(もしくは、先生)なのに、イジメられている子をなぜ発見できない(なぜ発見できなかったのか)」という批判。

この言葉を、私は意識しているせいか、とても気にかかります。この言葉を発する人の裏には「私ならば悩んでいる子を発見して助けられる」と思っていると感じます。

ただ、極端な言い方をすると、こういった発言をする他人(ひと)に限って、誰も助けることができない、と思っています。言葉が乱暴になってしまいすみません。


今までに述べたように、精神的に病んでいる人のSOSは小さく、よっぽど注意をしていないと聴き逃してしまいます。

また、知識がなければ聞いても困っていることが分からないこともたくさんあるからです。

例えば、周囲の人が「昨日食べ過ぎて、吐いちゃった。」と言ったとしましょう。あなたは、どう思われますか?


[4] 悩んでいる人のための知識が必要な理由

「昨日食べ過ぎて、吐いちゃった。」を。そのままの意味で受け取る(普通の感覚である)と、

ちょっと反省しなさいよ。もしくは、食べすぎたんだね。

と思うだけです。


しかし、その人は摂食障害かもしれません。摂食障害とは、食欲が止まら なくなり、吐くまでに食べすぎてしまうことが常習的になる病気です。

今は、病んでいる人の話をしている最中ですし、もし話をした人が病みそうな人だと知っていれば摂食障害に気がつけることもあるかもしれません。


しかし、そこまで気にして他人とは接することは普通はしません。だから、「昨日食べすぎちゃったんだね。吐いちゃった。」という小さなSOSには気がつくことは困難です。

さらに、気が付かないだけなら良いですが、「ちょっと反省しなさいよ」という良心的な言葉をかけると、これは批判の意味となってしまいます。だから、周りの人に心を開かなくなっていくのです。


何より、摂食障害という「知識」を知らなければ、気づくことも困難ですし、気がついても何も援助することができません。


他人を助ける優しい力の一つは知識(まとめ)

いかがでしたでしょうか?もし、今までに、ご存知ではなかった見識を伝えられたのであれば幸いです。今現在悩み真っ只中の方には、ご自身の心を整理する一助となりましたら幸いです。

今回の内容を整理しておきます。

・・整理・・

① 病んでいる人は、周りの人に頼りたいと思っている。
② 自分の悩みが明確に分からない、悩みを開示して傷つくことが怖い。
③ だから、ちょっとしたSOSを発信し続ける。SOSに気がつく人を探している。

✅ このSOSに気がつくためには、アンテナを張っておかないと分からない。
✅ SOSに気が付かなかった人を責めるのもよくないと思います。
✅ SOSに気がつくためには、優しさだけではなく、知識が必要です。

・・おわり・・

今後は、具体的な知識なども含めて、整理しながら発信できたら良いなと思っています。

ぜひ人生を楽しんでください。このために、ささやかでも、一助となりましたら幸いです。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

シリー先生です!🍀





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