見出し画像

父に思いを馳せる④

翌朝7時前に病院から電話がくる。
止血できてそうなので、これからお腹を閉じる、とのこと。
思ったより早くて驚く。
妹と身支度をし、ドラッグストアで介護用のオムツなど看護師さんに言われたものを買い、病院へ届ける。入院手続きはまた平日に来てくださいね、と言われる。

偶然にもこの日、母と妹とけっこういいランチを予約していた。
もう、心身共にクタクタだったけれど、キャンセル料100%かぁと迷い、行くことにする。

美味しそうなごはんを目の前にしても食欲はわかず、昨日起こったことや今後の不安を2人に話そうとしても、母と妹と、自分との間に、父への気持ちの乖離が大きいことを改めて目の当たりにし、病院に1人でいた時よりも、気持ちがくじけそうになる。

お父さん、後遺症や障害もなく、元気になってほしい。
でも、母と妹と話してみて、そう思っているのは私だけで、お父さんに、元気に生きて幸せになってほしいって思っているのは世界に私しかいないんだという気持ちになる。
家族だけど、とても遠い。

自己犠牲、罪悪感、幸せになってほしい、見捨てたくない、娘だから、父だから、面倒見切れない、生きて欲しい、他人と自分の境界線、金銭的な不安、そして今後、私自身の生活や、人生は、どうなっていくんだろう…

24時間以上ぶりに帰宅したら緊張が解けたのか、疲れがドッと押し寄せる。
ひたすら涙が出て出て出てくるのを止めることもせず、泣きまくり、心の中で何度も、
負けへんで、
と唱える。
服も着たまま化粧もしたまま、ベッドですぐ眠ってしまう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?