練習を休むと上手くなるという幻想

ネットで情報を集めていて、「あえてギターを何日間か触らない日を作ると上手くなる」というような言説を見かけたことはないでしょうか。
これって本当なんでしょうか?甘えてるだけなのでは?検証してみました!

■睡眠との関連性
こういった言説の根拠は、「何日間か練習をしないことにより脳の記憶が整理され、上手く弾けるようになる」というものが多いです。
また「脳の記憶は睡眠をとらないと整理されない」というような理屈がセットで語られがちです。

ですが、この時点でおかしなことに気が付かないでしょうか。
睡眠によって脳の記憶が整理されるというのは有名な話ですが、複数回睡眠をとればより記憶が整理される、というのは特に聞いたことがありません。

もし複数回寝た方がより記憶が整理されて定着するのであれば、受験勉強なんかもそうした方が良さそうなものですよね。
(こんなことを言っている塾講師がいたらヤバそうです)

そう考えると、睡眠と練習の効果を結びつけるのであれば、せいぜい寝ずに根を詰めて練習するよりは一回寝た方が効率が良い、ということが言える程度なのではないでしょうか。

■仮説による検証
ただそうは言いながらも、久しぶりにギターを弾いたらなんかスラスラ弾けた、という体験は私自身何度かあります。
この現象に対して仮説を立ててみると、時間経過による身体的な変化の影響が大きいのではないかと感じます。

長時間ギターを練習していると知らず知らずのうちに腕の筋肉がこわばってしまいがちですが、それが翌日になって解消されていないのにまた練習を長時間をする…ということを繰り返していると、腕の筋肉が常に緊張もしくは疲労状態になってしまいます。

この状態に陥ると、いくら練習をしても正解にたどり着けないため、当然上手くいかないわけですが、これが数日間練習を休むことで筋肉の緊張がとれて上手く弾けるように感じる、というのがこの現象の正体なのではないかと私は思っています。

この仮説から得るべき教訓としては、積極的に休みを作るなどということではなく、練習時に自分の体の状態をよく観察するということです。

具体的に言えば、練習をしていてすぐに疲れたり痛くなったりする場合は、大体の場合は力が入りすぎているか、もしくは楽器の調整が良くない状態である可能性があるので、その辺りをキチンと改善する必要があります。

かつて根性論の象徴(?)でもあったうさぎ跳びが現代では全否定されているようなことからもわかるように、体を痛めつけるような練習方法では効率的な上達は望めないということをしっかりと認識することが大切ですね。

また反対に、練習を休んだらなんだか上手く弾けた、という体験があった時は、何の変化があったのかをその時に分析してみるのもいいかもしれませんね。


いかがでしたでしょうか。
みなさんは根拠の薄いネットの情報に踊らされずに毎日練習しましょうね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?