オルタネイトピッキングのボトルネックはアップピッキングにある

ギターの難しさは、まず間違いなく右手のピッキングにあると思います。
そもそもあんな狭い範囲で手をチマチマ正確に動かすのは、普通に考えれば無理な話です。

ピッキングにはダウンピッキングとアップピッキングがあり、それを交互に行って弾くのがオルタネイトピッキングで、初心者や特殊な状況を除けば、基本的にピッキングはこのオルタネイトピッキングを使って行います。

■意外と弾けない理由に気が付かない

私自身そうだったのですが、普段から当たり前にオルタネイトピッキングをしていると、ピッキングで弾けない局面にぶつかったときに、アップピッキングが難しいなと思いながらも、漠然と「上手くピッキングができない」で考える傾向がありました。

ですがこういった場合、「ダウンピッキングはできているけどアップピッキングだけできていない」という可能性もあり得るわけです。

と言うよりも、ピッキングが上手くいかない時は、ほぼ確実にアップピッキングに問題があると言っても良いと思います。

■アップピッキングの難しさ

そもそもなぜアップピッキングが難しいかと言えば、

 ・重力に反する動きをしている
 ・目視では当たり方が見えにくい(目視しづらい)
 ・人差し指が細いため弦の抵抗を強く感じる(ひっかかるように感じる)


といった理由があり、ダウンピッキングはこれの反対の理由で弾きやすいわけです。

こうやって考えてみると、ダウンピッキングはかなり簡単なので、ピッキングが上手くいかない時でも、実はダウンピッキングは問題ないという可能性は大きいと思います。

■無意識に主従の関係になっている

ピッキングの練習する時、普通は無意識にダウンピッキングから始めると思いますし、基本的にはそれが正解なのですが、そうすることで無意識にダウンが主、アップが従の関係になってしまうため、普通に練習しているとアップピッキングが苦手なままになってしまいます。

具体的には、アップピッキングの際のピックが弦に当たる感覚や弦をはじく感覚があいまいなまま練習が進んでしまうため、練習直後はなんとなく流れで弾けても、時間を置くと弾けなくなるとか、環境が変わると弾けなくなるということになりがちです。

この問題を解決するには、ピッキングの主従の関係を逆にするような練習をする必要があります。

■ダウンピッキングの真似をすれば良いはず?

ピッキングの主従関係を逆にするには、ダウンピッキングと同じことがアップピッキングでもできるようになれば良いはずです。
私がこのことに気が付いたのは、ピアノとドラムを練習していた時でした。

私はピアノもドラムもあまり上手くないのですが、まずピアノでは、右手でメロディー・左手で伴奏をする際に、左手の伴奏がいくら練習しても上手くなりませんでした。

そこで試しに右手で弾いていたメロディーを左手で練習してみると、初めはとてもじゃないが弾けないため諦めそうになりましたが、練習していくうちにある程度動くようになり、そうすると伴奏を弾く時も余裕ができてリズムも安定するようになりました。

ドラムについても、たとえば16分音符で右左の順番で練習しているだけだとどうしても左手がブレる感じがあったため、左右の順番にしてみたり、ハイハットとスネアを左右逆で叩いてみたり、左手だけで連打する練習をしてみたところ、左手の感度が右手で叩く感度に近くなり、連打も安定するようになりました。

このように、苦手な部分を得意な部分の感覚に近づけていくという意識が大事なんだと思います。

■アップピッキングの練習方法

もう大体わかると思いますが、アップピッキングをダウンピッキングと同じように弾けるように練習するには、ダウンとアップを反対にしてやればOKです。
また、アップピッキングだけで弾く練習をするのも効果的です。

ただ、今までやっていたorこれからやっていくピッキング練習を、生真面目にダウン開始とアップ開始の両方でやったりするのはどう考えても面倒ですし、結局いくら練習してもダウンよりアップの方が上手くなることはないと思うので、ひとまず下記の2つの練習例を暗記するまで練習してみてください。

アップピッキング

練習例-1は、上昇と下降をひとまとまりの形で覚えてもらって、下降が終わったら6弦5Fからまた上昇を始めることで、高フレットまで練習を続けられます。

練習例-2は、Cメジャースケールに沿った練習例で、アップアップダウンの組み合わせがけっこう難しいのでいい練習になると思います。

テンポはルバートでもいいですし、自分が弾けるちょうどいいくらいのインテンポでも良いです。
速く弾くことよりも、アップピッキングの感覚をはっきり感じながら練習してください。

変に練習例がたくさんあると覚えておくのも大変ですし、面倒くさいという気持ちが大きくなってしまうので、この2つの練習例をきちんと覚えてたくさん練習してもらって、余裕で弾けるようになった後は、アップピッキングが上手く弾けないなと思った時に練習するようにしてみてください。

■ピッキングの基礎練習

そもそもピッキング自体が上手くできないという方は、下記にて有償記事を書いていますので、興味があったらご覧になってみてください。


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