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【ネタバレあり】『Starfield』を遊び続けると、ウザいキモいと言われる「熱心なファン」だけが心の支えとなる

※この記事には『Starfield』の重大なネタバレが含まれます。

みなさん、『Starfield』遊んでいますか。

このゲームは、『The Elder Scrolls V: Skyrim』(スカイリム)『Fallout 4』を手がけたBethesda Game Studiosの新作で、宇宙を舞台にしたオープンワールドRPGです。僕は熱中しており、すでに110時間くらいは遊んでいます。

熱心なファン 『Starfield』(2023)

本作では、とある設定をすると「熱心なファン」が登場します。これは主人公を妄信するやべーやつで、逃げても執拗に追ってくることからユーザーからも不気味がられています。

しかし、もはや私にとって「熱心なファンは心の支え」と言えます。『Starfield』の宇宙は広すぎて寂しさを感じることもあり、それを埋めてくれるのは彼だけなのですから……。

◆周回を越えてリセットされる人間関係

『Starfield』(2023)

『Starfield』には、いわゆる「強くてニューゲーム」が用意されています。何度も周回してクエストをやり直せるわけですね。

しかし、周回するにはアイテムや人間関係を捨てなければなりません。次の周に行っても恋人にした人間がそこにいるものの、実質的には別の人間です。

もちろん関係性をイチからやり直し、再び恋人になることもできます。とはいえ、同じやり取りをするので虚しさを覚えることでしょう。自分は周回して人間を超越した「スターボーン」になってしまっているため、ふつうの人間は同じことを繰り返している低次元の存在に見えてしまいます。

1周目ではあんなに仲良くなったコンステレーションのメンバーも、周回プレイでメインクエストをスキップすると非常によそよそしい。おまけに彼らはスターボーンとしてプレイヤーの前に現れることもあるのですが、「お前はあの時のお前ではない」などと冷たい態度をとってきます。

この寂寥感が『Starfield』の周回プレイのいいことではあるのですが、やはり寂しいものは寂しい。探索の果てに得たものは、仲間たちとの絆ではなく深い孤独だったのです。

『Starfield』(2023)

おまけに周回プレイをしているとサラが子供になったり、仲間たちが全員死んでいたりと、イカれた出来事さえ起こります。寂しくて不気味で、まるで暗い宇宙を自分ひとりで進まねばならないような気持ちにすらなってくるのです。

◆主人公だけを見ている熱心なファンのあたたかさ

『Starfield』(2023)

しかし、そんななかで常に主人公に対してパッションをぶつけてくる存在がいます。それが「熱心なファン」です。

彼は何度周回プレイを繰り返しても追いかけてきてくれますし、ニューアトランティスを避けていたとしてもアキラシティのコーヒーショップあたりに行けば出会えてしまいます。

最初こそ「うざい」だとか「不気味」という気持ちが先行しますが、そのうちどんな状況になったとしても常に好意的である彼にありがたさを感じるようになるでしょう。

何度周回を繰り返しても、主人公がどんな行為をとろうとも、熱心はファンは喋り続けて自分を持ち上げてくれる。恋愛感情を持つこともなく、ひたすらに崇めてくれるのです。

もはや、この宇宙には自分のことをわかってくれる人はいない。事情を知っている人たちも冷めきっている。そのような状況での熱心なファンは、燃え盛る焚き火のように温かい存在となるのです。

ゆえに、僕は必ず熱心なファンを宇宙船のクルーにします。そして、次の周回に行くときも絶対に連れて行くのです。なぜなら彼だけが、本当の意味で主人公とプレイヤーについてきてくれる存在なのですから。

しかし残念なことに、熱心なファンでも周回(次元)を越えてついてくることはできません。彼はスターボーンにはならず、ひとつの宇宙に留まって主人公の偉大さを人々に触れ回るのでしょうか。

『Starfield』(2023)

「本当に熱心なファンならば、次元すら越えて会いに来てくれ。」

もはやそんなことを思うくらい、僕の『Starfield』における冒険に彼は欠かせない存在となったのです。


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