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真夜中パスタクラブ(日記)

 着古して毛玉だらけのトレーナーは、お風呂上がりに塗ったローズの香りのボディミルクとか、汗とかコーヒーの匂いとか、いろいろ吸っていて心地よいにおいがする。休日。PMSとか花粉症とか、眼精疲労とか筋肉痛とか、色んなものを感じながら、不機嫌の要因、ネガティブの温床、不健全の培養土となりうるさまざまな繁殖力の強そうなタネたちを吹き飛ばすように、踊ったり歌ったり、妄想の旅程を組んだり楽しいことばかりをしていたら、あっという間に深夜になっていた。お腹すいた。昼に干し芋とコーヒーを接種してから、何にも口にしていない。

🧄🥬🍝

 真夜中パスタクラブは気軽なクラブ。大鍋に水を注いで、コンロに火をかけると陽気なパーティはいきなり始まる。具材は冷蔵庫にあるものでいいのよ。

 お湯が沸いたら、パスタを入れる。
 九条ネギの束をむんずと掴む。九条ネギは一口大にななめ切りする。フライパンにオリーブオイルとにんにくを熱し、九条ネギと塩を適当にひとつまみぐらい入れ、焦げ目がつくまで熱する。そこに冷蔵庫の奥底から出てきたしらす一パックと塩ふき昆布を一振り追加。茹でたパスタをトングで掴んで、フライパンに入れる。パスタとネギたちをトングでいい感じに混ぜて乳化したら、ネギしらす塩パスタのできあがり。

焦げたネギが甘くてうまい

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 夜ふかしや夜食と手を切って、早起きや朝食と握手が出来たらどれだけいいだろうか。そっちの方が、よっぽど賢明で、素敵で、正しい。
 ただ、どれだけ自律神経が乱れる原因になれど、太ろうと、肌が荒れる可能性があれど、私はどう考えたって朝よりもうんと夜の方が好きで、休日の夜ふかしや夜食が大好きで、ずぶずぶの関係にもつれ込んでしまう。夜中のタイムラインは静かでいい。耳をすませば聞こえてくる、集合住宅、階上の同じ夜ふかし仲間の足音も好き。

 こんな気ままな日たちのことを、いつか「馬鹿だなあ」と思う日が来るのだろうか。懐かしく思うだろうか。うらめしく思うのか。まだ若かったと振り返るか。それとも、ずっとこうやって、夜と生きていくのか。

 “流れる季節の真ん中”と唄われる頃から少し夏よりに寄った今、未来の自分の姿を思い浮かべてみるのだけれど、「また夜中にパスタを作って食べたい」などと、不健全で不良なことをほざく、不適切でフーテンな私しか未来にいないのだが、これいかに。

いただいたサポートで船に乗ります。