見出し画像

女性議員を増やすには・・ 民主主義の基本から考えればよい

 女性の議員は一人もいない自治体議会の現状嘆く論説である。
 性別”女性”の議員数を増やすだけなら簡単だ。昨今のLGBTの流れに沿って「わが町の議会では議員の性転換を歓迎します」と宣言すればいいのだ。
 当選議員が全員男性であったとしても、抽選かジャンケンで選ばれた半数が「自分は女性の心が強いので4年間限定で女性になることにした」と告白する。これで女性議員選出率先進議会になれる。
 これはブラックジョークである。昨今の軽薄な性転換容認論者の主張を貫徹すれば、こういうことが可能だよという警句である。

 秋田魁新聞の問いかけに戻ろう。
 天下は男女半数ずつ。よって政治家も半々がよいとの社説の主張は耳に響きやすい。 
 だが本当にそうなのか。男女で偏りがある領域はいくらもある。子どもの学校のPTAの役員になったとき、ボク以外は一人を除いて全員女性だった、もう一人に男性は会長。街の有力者で、子どもが4人いて順次在籍しているとかで、10年以上にわたって会長を続けているとのことだった。
 マンション管理組足の理事長になったときは全員が男性だった。奥さんの代理出席での決議参加も認めると強引に運営規則を変えたのだが、役所の方が追い付いてきて所有名義人の配偶者も理事になえると規約が改正された。
 なぜ女性が議員に立候補しないか。しにくいからにほかならない。立候補にカネ(供託金)がかかる。これを枯らして名前を連呼する恥ずかしい選挙活動が必要だ。当選後の業者との付き合い(飲み会)など面倒くさい。子連れでは議会に参加できない。高額の議員報酬をもらうと配偶者控除適用外になる。
 これらを片付ければよいだけではないか。
 オンライン参加を認める。会社勤めの人でも労働法制で公職活動中として職務を中断できることになっているはずだ。
 議員報酬は日当性にする。そもそも職業政治家、世襲政治家は自治体議員にはそぐわない。よって多選を認めず、二期までとする。
 選挙運動方法を改める。例えば公開討論会を行い、会場でまたはビデオをを見た有権者が郵便で投票をする。
 社説が指摘するように、いろいろな見識を持つ人が議会を構成することで民主主義は機能する。資格試験ではない。選出方法に厳格な規格はないのである。

社説:女性ゼロ議会 解消へ思い切った策を

秋田魁新聞 2024年3月21日 掲載

 県内25市町村議会のうち、鹿角市、藤里町羽後町、東成瀬村の4議会は女性議員がまったくいない「女性ゼロ議会」となっている。このうち藤里町羽後町の両議会は19日に町議選が告示されたが、女性の立候補は今回もなかった。
 羽後町議会は2004年の改選で女性議員がいなくなり、それ以降、ゼロが続く。今回は女性候補擁立を検討する動きもあったが、家族の理解が得られないなどの理由から実現に至らなかったという。藤里町議会は1963年以降、半世紀以上にわたり女性議員ゼロの状況が続いている。
 多様な意見を政治に反映させる上で、女性議員の存在は欠かせない。女性の政治参加が進むよう、抜本的な対策が求められる。
 2018年施行の「政治分野の男女共同参画推進法」は、国会や地方議会の選挙で候補者を男女均等とするよう各政党に促している。だが県内では県議と25市町村議を合わせた地方議員のうち、女性の占める割合は11・2%にとどまっているのが現状だ。
 内閣府の調査では、女性が立候補を断念した理由として、家庭生活と選挙運動を両立することへの不安以外に、性的な発言を浴びせられる嫌がらせや、個人への中傷があったといったケースも挙げられている。これでは真のジェンダー平等は遠いままだ。
 また、総務省の調査によれば、女性議員が多い地方議会ほど、選挙での無投票が少ない傾向があるとされる。現に、今回の藤里町議選は定数10に対し立候補同数で無投票当選が決まった。女性の進出を議会活性化のバロメーターと捉え、女性が政治参加しやすい社会状況をつくっていく必要がある。
 住民の代表である議員の男女比が人口構成から遠く離れている現状は、そもそも異常とみるべきだ。中高年の男性に偏りがちな議会の構成を変えていくにはどうしたらいいかを、真剣に考えなければならない。
 まずは本会議や委員会への自宅からのオンライン出席や、議会開会中の授乳のための休息など、女性が議員として活動しやすい仕組みを積極的に取り入れていきたい。
 候補者や議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」の導入も、一考に値するのではないか。「男性への逆差別になりかねない」などの慎重論もあるが、政治分野への女性進出がこれだけ停滞している状況を踏まえれば、職場での働き方改革同様、従来の常識を超えるような思い切った取り組みが必要だ。
 議会は、さまざまな属性の人で構成する多様な議論の場であってこそ、その役割が十分に発揮される。女性ゼロ議会を一日も早く解消するとともに、全ての地方議会での女性参加を大きく前進させ、変革を図っていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?