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537護憲派の矜持を問う 国が滅びても守るべきものがある

ロシアがウクライナに侵攻した。このようにあからさまな正当性のかけらもない侵略は、第二次世界大戦以後初めてだろう。民主主義国は経済制裁で対抗しているが、状況は予断を許さない。ジョージ・オーウエルの小説『1984年』の暗黒世界は御免蒙りたい。
わが国はどう動くべきか。主権者である国民の一人ひとりが考えなければならない。想定外の事態にどう行動すべきか。そうした場合に、よりどころになるのが憲法だ。護憲派、改憲派を問わず、すべての政治家、国民が遵守義務を負う。特に憲法に指一本触れさせないと主張している党派の政治家には、口先だけの徒でないことの証明チャンスである。
「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力でこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」
日本国憲法の前文の締めくくり部分である。「名誉にかけて誓う」との表現の意味は重い。名誉は命より重いはずだ。
 では何に命を懸けるのか。憲法の直前部分はこうなっている。
「われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。」
 さらにその前を読んでみよう。
「われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。」
 日本国憲法に照らした場合、国家の名誉をかけるべき行動は明らかだろう。岸田総理の言動は、憲法のこれら文言に沿ったものと判断できる。
 ロシアは核攻撃するぞと全世界を脅している。それがどうした。
わが国が先頭に立って政治道徳の範を示すことを国家として、国民の命を懸けて達成すると誓っているのが、この憲法の精神なのだ。万一、他国が尻込みしても、わが国は行動すると誓っている。
実際には全世界の民主主義者がプーチンを非道としている。アノニマスのハッカー集団でさえロシアにサーバーテロを仕掛けると宣言するなど、対抗の輪は広がっている。
 難しい講釈は要らない。国内各党各派の政治家は今こそ、支持者に対してどう行動すべきかを熱く語り、日本国の率先行動を牽引しなければならない。

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