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財務諸表を読む ~費用配分の原則~

こんにちは。SSKC吉田です。

貸借対照表と損益計算書は密接に関係している書類です。様々な対応関係がありますが、今回は資産と費用の関係について考えていきたいと思います。

<資産と費用>

資産は収益を生むために投資したものです。費用は収益を生むために費やしたものです。この観点でいうと、どちらも同じものと考えられます。
(正確には資産には貨幣などが含まれるのでこれはちょっと乱暴な言い方です)

違うのは、収益と期間的に対応しているかどうかです。当期の収益を生んでいれば費用に、来期以降であれば資産になるわけです。
例えば家賃を1年先払いするときに、6月に支払を行ったとします。会計期間が4月~3月であれば、6月~3月の10か月分は費用に、4月~5月の2か月分は資産になります。
実務的には6月の支払のときに、

支払家賃 1,200/預金 1,200

というような仕訳を作成し、決算のタイミングで

前払家賃 200/支払家賃 200

と資産に振り替えます。
これにより、費用である支払家賃は1,200-200=1,000円、資産である前払家賃は200円になりました。
日商簿記などでは3級の決算処理でこのような仕訳を学習するかと思います。

減価償却も同じような理屈で実施されます。

100万円の機械を購入し、それを10年の耐用年数で使用するのであれば、購入時に

機械装置 1,000,000/預金 1,000,000

となり、1年使った後決算のタイミングで

減価償却費 100,000/減価償却累計額 100,000

というように減価償却費を計上します。

減価償却累計額は資産のマイナス勘定なので、資産は1,000,000-100,000=900,000、費用は100,000となりました。

このように期間に応じて資産と費用の分配を行いましょうという原則を「費用配分の原則」といいます。
決算時の振替や減価償却はこの原則を論拠として実施しているわけです。

<おわりに>

いま資産として計上されているもののうち、一部は将来費用となって損益計算書に乗ってきます。
逆に言えば、いま負債として計上されているものの一部は将来収益となって損益計算書に乗ってきます。

この特徴を活用して次年度以降の損益を予測するために役立つかもしれませんね。

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