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【2023年】4月に読んだ本

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 アンディ・ウィアー(上巻・下巻)

『火星の人』(映画『オデッセイ』原作)のアンディ・ウィアー最新作で、“前情報なしで読むべき”のSF小説。
目が覚めると真っ白い部屋のベッドに寝かされている主人公。なぜか記憶がない。自分は誰でここはどこでなんのためにいるのか、持ち前の科学知識と断片的によみがえる記憶から少しずつ真実を導き出し「今なにをするべきなのか」と「なぜここにいるのか」の現在と過去2つのパートが交差しながらストーリーが進む。
科学的な内容は理解しきれなくても予測のつかないストーリー展開にとてもワクワクした。タイトルにある「ヘイルメアリー」とは、アメフトの試合で劣勢なチームが試合終了間際に逆転を狙って行う一か八か神頼みのロングパスのこと。映画化が決まっているので、興味がある方はその予告映像が流れ始める前にぜひ。

『いけないⅡ』道尾 秀介

各章最後に挿し挟まれる一枚の写真により、読者が物語の真相を推理する体験型ミステリー『いけない』の第2弾。
道尾作品が持つ相変わらずの“不穏さ”に今回もぞくりとした。推理の難易度は1作目より下がった気がするが、その分物語の救いようのない展開に容赦なく打ちのめされるので、読後の後味の悪さがパワーアップしていた。

『共に変容するファシリテーション』アダム・カヘン

企業や政府などの問題解決プロセスのオーガナイザー兼ファシリテーターとしてこれまで50カ国以上で活躍しているアダム・カヘン氏による新たなファシリテーションの形の体系化した本。
既存の形式をトップダウン式で前に推し進める垂直型とボトムアップ式で前に推し進める水平型の2つに分け、それぞれの制約を突破する新たな変容型のファシリテーションの概要や実践法を紹介している。実際の体験の幅と数が必要なことは言うまでもないが、体系化されたものを読むと理解していた気のものも再度考える機会ができる。序文はエドガー・シャイン。


以上、4月に読んだ本でした。





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