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【2022年】10月に出会った本/映画/場所

名古屋と高崎を訪問して美味しいものをたくさん食べた10月。運動不足解消のため新しい自転車も買って、アクティブな秋のスタートを切りました。

10月に出会ったものを感想とともに紹介します。

『実力も運のうち 能力主義は正義か?』マイケル・サンデル

自分が実力だと思っているものも、すべては与えられた環境が良かっただけかもしれない。本人の努力ではなく、親の経済的な状況などがその後の進学やキャリア形成に多大な影響を与えるという話。功績(能力)で評価されるのは良いことで、それこそ誰にでも平等なチャンスを与えてくれると思っていたのでかなり新鮮な内容だった。邦題のタイトルはインパクトを重視したのだろうが若干ミスリーディングかな、と。

『プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本』伊藤 大輔

社内研修を作成するための参考として購入。取り上げている内容の規模感・範囲が、今の会社の業務内容と合うちょうど良い1冊だった。

『新月の子どもたち』斉藤 倫

以前『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』を読み、優しさに惹かれた斉藤倫さんの長編作品。ミヒャエル・エンデを感じさせる沁みる児童文学で、とげとげしいところも温かいところもとても良く少し泣きそうになった。表紙と挿入画を担当している花松あゆみさんの版画も美しい。

『掌に眠る舞台』小川 洋子

「舞台」をテーマにした8つの短編集。どこがテーマとつながるのかな?と読み始めると、気づいたときには登場人物たちのお芝居を息を潜めて覗いている自分がいる。見ているというよりか張り詰めた空気を壊さないようにそっと覗いている感じ。今作も小川さんらしくひっそりとしてて妖しかった。

『イリノイ遠景近景』藤本 和子

『西瓜糖の日々』を始めR・ブローティガン作品の名翻訳で知られる藤本和子さんのエッセイ。30年近く前に出た本が9月に文庫化した。
なんでこんな言葉が出てくるのかと思うほどかっこいい。しびれる。とくに長年の友トニと過ごしたワシントンの冬を綴った「十月のトニ」、「冬のニューメキシコ」の最後の話、メイリー・インが好き。(そして「西瓜糖の日々」も好き)

『ブルースだってただの唄』藤本 和子

同じく藤本さんの1980年頃に実施した複数の黒人女性に仕事や生活に対する聞き書き集。話を聞くのは上司刑務所の臨床心理医やテレビ局のオーナーなど働く女性、殺人罪で仮釈放中の女性や104歳の女性など。黒人の歴史を身に背負いながら、ままならない現実を生きてきた彼女たちをまっすぐ見つめていた。タイトル良すぎ。

『あなたのための短歌集』木下 龍也

情熱大陸で著者が取り上げれていて、気になったので購入。依頼を受けてたった一人のために作られた短歌たち。短いリズムで紡がれた誰かのための短歌が、自分のためにも感じて短歌って素敵だなと思った。

漫画

『マイ・ブロークン・マリコ』 平庫 ワカ

主人公の柄悪めのOLシイノがクソみたいな家庭で育った親友マリコの自殺後に、その実家から遺骨を奪って逃走して旅に出る漫画。疾走感あって痛々しくて鮮烈。巻末に別の短編も入っていたがそちらもパワーがあって良かった。

『ダンピアのおいしい冒険』(1・2巻)トマトスープ

17世紀に実在した航海士ウィリアム・ダンピアがモデルの冒険漫画。(イグアナを食べたりしてるけど)タイトルから想像するグルメ漫画ではなく、当時の国際情勢が学べる歴史漫画という感じで普通に勉強になる。丁寧に作られててデザインされたコマ割にセンスの良さがひしひし。全4巻のうち1・2巻を読了。

映画

『秘密の森の、その向こう』 監督セリーヌ・シアマ

2021年 フランス

劇場で鑑賞。『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマの最新作。祖母を亡く少女が、その悲しみから立ち直れず母(祖母の娘)が家を出ていった日に森の中で少女の頃の母と出会う。
娘・母・祖母の3世代の女性の喪失と癒やしの物語。まず何より子どもを人として尊重していることがとても伝わる作品だった。時空を超えて出会う相手が、(よくファンタジー作品にあるような)時空を超えて会う必要がある人ではなく、いつも一緒にいる身近な人なのも良い。そして今作も色彩がとても美しい。

場所

熱田神宮(名古屋市熱田区)

都会の中、深閑としずまる熱田神宮。古くより格別に尊いお宮として篤い崇敬を集めてきました。熱田神宮の創祀は、三種の神器の一つ草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)の御鎮座に始まります。

熱田神宮 公式HPより

熱田神宮はとても広かった。七五三でいらしている家族もちらほら。境内を闊歩しているという鶏には出会えず残念。近くにある有名なひつまぶしのお店『あつた蓬莱軒』は当日店頭予約のみで、11時台に行ってみたが一番早くて14時からの入店で大人気の模様。熱田神宮に寄る前に予約し、時間が来るまで境内を散歩してお腹をすかせるコースがいい感じ。

『あつた蓬莱軒』のひつまぶしセット。目一杯食べました。

梅と星(台東区浅草)

梅干と羽釜ごはんと海苔と納豆と塩昆布とおかかとたらこと明太子ととろろといくらといかの塩辛とたまり漬けと名物浮浮卵とお供たちの店.
東京・浅草仲見世どおりすぐ隣

梅と星 公式HP

10月の朝ごはん活動は和食にしよう!と今年の6月にOPENした「梅と星」に行った。七福神が書かれているしゃもじを壺から引いてご飯の“おとも”を決める「おともくじ定食」。羽釜で炊いたご飯もふっくらしててとてもおいしかった。

寿老人をひきました。神は寛容なのでチェンジもありらしい。笑
ご飯の上には味が選べる梅干し。豚汁と浮浮卵もついてくるセット。

ウサギノネドコ 東京店(台東区谷中)

「自然の造形美を伝える」をコンセプトにしたウサギノネドコの2号店である東京店です。Sola cubeをはじめとした、オリジナルの「標本プロダクツ」を一堂に展示販売しているほか、世界中から収集した標本や作品を展示販売しております。京都店では扱いのない商品も多数ご用意がございます。
営業時間: 12:00 ~ 19:00 (平日) 11:00 ~ 19:00 (土日祝)
定休日: 水曜日

ウサギノネドコ HP

京都を拠点に「自然の造形美」を伝える活動を展開しているウサギノネドコ東京店。もともと鉱物好きで、中でもインクルージョン(内部に取り込まれた別種鉱物や液体などの包有した鉱物)に惹かれている。偶然SNSでその企画展がやっているのを知り、訪れてみた。わくわくが詰まっていた。

駅から少し歩くが、たびたび面白そうな企画展をやっているので、谷中あたりを散歩する際にまた立ち寄れるとよいな。
(近くに元銭湯だった建物をリノベーション現代美術のギャラリー「SCAI THE BATHOUSE/スカイザバスハウス」もある)

以上、10月に出会ったものたちでした。


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