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酪農家の手仕事vol.01 〜フン落とし編〜

ファームノートでサービスデザイナーをやっている秋山ウテです。

酪農業界に関わり始めて気づいたのですが、酪農家さんが普段どんな仕事をしているかって意外と知られていないのではないかと思いました。

そこで、今日から連載企画として、酪農家さんの仕事の様子を発信していきます。

今回は、北海道足寄町の畠牧場さんに弟子入りして、酪農をしていく上で重要なお仕事の一つ、フン落としについて紹介していきます。

この作業は、あくまで畠牧場さんでの作法なので、予めご了承ください。

***フンの画像があるので、苦手な方はご注意ください!***

フン落としって?

つなぎ牛舎内にいる牛たちの寝床からフンなどをレーキで取り除いてあげることを”フン落とし”といいます。

*つなぎ牛舎内の牛の様子

牛たちは、藁(わら)の上で生活をしています。その牛たちの生活スペースをきれいにしてあげる必要があります。

畠さんの牧場では、朝昼晩のそれぞれ2回、計6回フン落としをしているそうです。さらに、気づいたら随時やっているそうです。

では、なぜこの作業が必要なのでしょうか。

搾乳を楽に!&乳房炎のリスクを減らす!実は重要なフン落とし

フン落としが重要な理由はこの2つ。

1. 搾乳の作業を楽にするため
2. 乳房炎のリスクを減らすため

*牛の乳房と乳頭

牛は藁の上で立ったり座ったり、さらにはフンや尿もします。

もし、フン落としをしなかった場合、乳房や乳頭にフンがついてしまうことも。

搾乳の際は、乳頭からお乳をしぼるわけですが、フンがついていた場合毎度拭くのはとっても大変

また、フンや尿などで藁が濡れてしまっていると、雑菌が繁殖してしまい、乳房炎という病気のリスクが上がってしまいます。つまり乾いた環境を用意してあげるのが大事だということ。

というわけで、搾乳を楽にして乳房炎のリスクを減らせるので、フン落としが重要ということなんですね!

4ステップで進むフン落とし

では、フン落としはどうやってやればいいのでしょうか。

動画の方がイメージが湧きやすいと思うので、ぜひ見てみてください。

STEP1:牛が藁を踏んづけている場合はどけてあげる

声をかけてあげたり、やさしく触れてあげると、スッと足をどけてくれることが多いそうです。

STEP2:きれいな藁とフンを仕分ける

牛の寝床をきれいにすることがやるべきこと。

きれいな藁まで取り除く必要はありません。そのため、きれいな藁をレーキで奥の方に寄せてあげて、フンと分けてあげればOKです。

STEP3:フンをレーキで落としてあげる

つなぎ牛舎内には、フンなどを落とすための溝があります。

仕分けたフンをレーキでその溝に落としていきます。

STEP4:レーキで藁を敷いてあげる

仕分けておいたきれいな藁をレーキで、手前に持ってきます。

最後、心地よい寝床を作るためにトントンとレーキで藁を均等にしていきます。

均等でないと、寝床にムラができてしまい、藁以外の場所にフンが落ちてしまい、レーキで溝に落としづらくなってしまいます。

今後のフン落としを楽にするために、藁を均等にする必要があるということですね!

さて、これでフン落としが完了します!

こんなときはどうすれば?フン落としの疑問

最後に、フン落としにまつわるちょっとした疑問を畠さんに質問してみたので、それもご紹介します。

Q:きれいな藁の見分け方は?
A:乾いているのがきれいな藁です。濡れていたり光沢があるような藁は、取り除いてあげる必要があります。
牛にとって心地よい寝床を作ってあげることが大事なので、尿などがついているような藁も一緒に取り除いてあげています。

Q:牛が寝ているときは、どうやってフン落としすればいいの?
A:声をかけてあげながら、レーキでやさしく背中をポンポンと叩いてあげると起き上がってくれます。
起き上がってくれたら、フン落としをしてあげればOKです。
牛は生き物なので、思いやりが重要です。


いかがでしたか?一つの作業でも、紐解いてみると様々なことが考慮されているんですね!

次回は、搾乳にチャレンジしていきます!(畠さん、またよろしくお願いします笑)

ではでは!

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