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繊細過ぎて「繊細さん」の本が読めない

本屋さんで「『繊細さん』の本」という本を見かけました。
とっさに「あ、きっと自分のことだ」と察したものの、怖くて手に取ることができませんでした。

そういうところが繊細なのか。

と思いつつも、自分のことを「繊細」というなんて、おこがましいよね。
繊細ってもっと儚くて、文字通り繊細な人のことを言うよね。とか。
ぐるぐる考えるあたりがきっと繊細。

私の繊細度、ちょっとご紹介。

環境の変化にすごくすごく敏感です。

クラス替え、進学、入社、転職とか、もうそれなりの年齢なので一通りやってきましたが、神経使いすぎて慣れるまで瀕死です。
高校入学の時なんて、初めての電車通学、お弁当、友達作り、勉強…で、1か月くらい瀕死になり、夏休みまで重症状態で過ごし、進学校だったのに全然勉強どころではなく落ちこぼれたほどです。(そもそも勉強のレベルがあっていなかった説)
会社でも、慣れると「何年も前からいる人みたいだね」とか言われますが、変に目立たぬよう、忍者のように背景と同化する力があるのかなと思ったりします。

今は数年に一度の転勤が私の心をズタズタにしてくれますね。

音が気になりすぎます。

テレビは最高に嫌い。
特に誰も見ていないのでは?というテレビの音は頭痛がしてきます。主人の実家に帰省すると常にこの状態なので、つらすぎます。
そんな家庭で育った主人はつけっぱなしにしがちです。私はテレビが嫌いすぎて、買い替えの際に頼みに頼み込んで、テレビそのもののサイズを小さくしてもらいました。今のテレビは24インチくらい?夫は大いに不満そう。

そしてこの時期は開けた窓の外の音が嫌い。エアコンの音が嫌い。
強いて言うならPCから聞こえるハードの音?も嫌い。
一儲けしたらノイズキャンセリングのイヤホン(めっちゃいいやつ)が欲しいと思っています。

つまり、それは「HSP」

息子が登校渋りをしていた時期、実は気持ちが手に取るように分かったのです。少し調べたら出てきました。

HSP。
ハイリー=高度に
センシティブ=敏感な
パーソン=人

学校に行けない息子の様子を見ていると、おそらくADHDとか、LDとか、そういう発達障害や学習障害とは違う気もしました。

ただ心配。
宿題が全部終わらなかったことが心配。
登校時間に間に合わずに途中から教室に入ることが心配。
体育の時間に登り棒に登れないことが心配。
でも幼いからうまく言葉にできない。それが心配。

時間をかけてつらい気持ちを聞いて、思ったことは「すべてを差し置いて、とりあえず学校へ行こうよ(連れて行かねば)」ということと、「全部わかる。俺はお前で、お前は俺だ!(だから家にいればいいじゃん)」ということ。

身の回りのことなどは人並みにできるけど、学校に行くとなると途端に心配な気持ちがむくむくと出てきてしまうので、特に日曜の午後の過ごし方は大事にしています。月曜にすんなり登校出来たら一週間、調子がいいので。

宿題も済んでいるから大丈夫。持ち物も揃えたから大丈夫。あとは一緒に楽しく過ごそうね。と安心させています。
週明けの朝も少し早めに起こして。起きられたから大丈夫。まだ時間があるから大丈夫。いざとなったら一緒に行くから大丈夫……。

気にかけるだけ、声をかけるだけなら無料ですから。心配事がある間は惜しみなく気も声もかけてあげようと思っています。

気になっていたけど手に取ることすらできなかった繊細さんの本。
オリラジあっちゃんが動画にしてくれていました。つらい気持ちもあるけれど、ビールをグイっと飲んで勢いで見てみました。

やっぱり。私は繊細さんだった。そしてきっと息子も。
ざわざわした気持ちで、ちょっと泣きそうになりながら見ました。

でも私は大人になったので、ある程度環境を自分で変えられることができるようになり、少し楽になったと思います。

私は幼いころから大学生になるまで、ずっと妹と同室で過ごしていました。受験勉強も、寝るときも、妹と同室でしたが、物理的に個室は無理。もう、これが辛すぎました。
今は個室を使わせてもらっています。他人の気配があると本当に眠れないので、一人で寝ています。
結婚後、夫と寝ている期間、出産後、子どもと添い寝している期間、熟睡したことがありませんでした。今も眠りが浅いのですが、入眠儀式を十分にして、一時期よりは眠れていると思います。

仕事についても、それなりに経験を積んで、得意分野は以前より自信をもって臨めるようになりました。
多分繊細さんって自己肯定感も低くなりがちですよね。私を含めて、繊細さんが自信みなぎる人格に完全転換するのは難しいのかもしれません。
でも「この仕事なら」というのを見つけてちょっとずつ今の自分を好きになってうまく付き合っていきたいものです。

でもまだ、本は怖くて読めない。ざわざわ。

記事を読んでいただき、ありがとうございます。