『接客業のすゝめ』~自己紹介編~

「接客業」…それはお客様をおもてなしすること。
現代社会においては接客によってその店や会社の品格、程度が決まるほどである。

私はアパレル店員で、主に紳士服を取り扱っている店で働いている。

まずは自己紹介ということで、主にどんなことをしているのかご説明させていただこう。

紳士服と一口で言っても色々あるが、私の場合は肌着や靴下の小物から普段着、礼服やスーツなどの幅広い商品を取り扱っている。一部婦人用スーツ・礼服等も置いてある店である。
客層なども様々だ。学生~高齢者の幅広い世代の方に利用していただいている。

1日営業する上で様々な付帯業務は勿論あるが、主に『接客』そして『販売』これがベースになる。

接客業というのは非常に面白い。だが、それと同じくらい非常にキツい。
これが現状だ。
役者をしている身としては人間観察に持ってこいの場所ではあるのだが、何しろ『規格外』のことが常に起こるのだ。

お客様との接し方はそのスタッフによって様々だが、私の場合はお客様によってその接し方を微妙に変えている。
これは、決してお客様によって『待遇』を変えているということではなく、お客様によってその方に一番良く思って頂ける『性質』を変えているのだ。
大多数の方はアパレル店員=ウザいと思われる方が殆どだろう。
実際に私もそう思っている。
私もまだまだ未熟な販売員のため偉そうなことは言えないが、あまり感じの良くないスタッフは沢山いると思う。
そういう先入観からどう打破し、相手のパーソナルスペースに不快感を抱かせることなく入り込むことができるか、これが接客をする上で非常重要なのだ。
例えば、一般的な若い男性の場合、私は『ふんわり癒し系キャラ』を演じる。
これは、まず相手に私は敵ではないというアピールの為もあるが、優しい女性というアピールによって打ち解けて頂けるという次のステップに上がる為の手段なのだ。
打ち解けて頂けることによって、その方がどういった好みなのかどういう商品をお探しなのかどういう場面で使うのか等の情報も同時に入手することができ、一番気に入った商品を満足して購入していただける。
対する若い女性の場合は非常に難しい。だが、一つだけパーソナルスペースに入れる手段がある。
それは、その方の『波長にあわせること』だ。
もっと簡単にいうとその方のキャラクターを『真似する』のだ。
女性の場合、同性同士だとどうしても自分の波長に合わない他人を突き放す傾向にある。
学生のなかでもクラスの女子がグループを作り、つるんでいるのがわかりやすい現象だろう。
だが、波長の合う他人であった場合、女性は簡単にそのグループに引き込もうとするのだ。
私はその女性のお客様の『真似』をすることによって、自分と波長の合う人間だと思わせて相手の警戒心をといて頂いている。
他にも年齢や性別、あとはお客様同士の関係性(夫婦や親子)などによってもちょっとずつ変わってはくるが、これが私のお客様との接し方だ。

さぁ、ここまでお話したがこの話を聞いて不快に感じる方もいることであろう。
それは、詐欺なのではないのか?と。

まぁ、少なからず心理作戦を使ってはいるが、では逆にどうしたらスタッフに嫌悪感を抱かずに接していただけるのであろうか?
『接客自体をしなければいい。』
まさにその通りだ。
私も正直なところ、接客などしたくはない。
アカの他人に声などかけたくもない。
好き好んで他人の世話などしたくもない。
そう。めんどくさいのだ。

大半のスタッフがこう思っていることも忘れないでいただきたい。

だが、そう思ってはいてもこれが『仕事』なのだ。

私はこう思っている。
接客とは、お客様の同意・任意で購入していただけるように事前に商品の内容を理解していただくためのご案内またはご説明のための行動なのだと。

つまりは、『クレーム対策』の一つなのだと。

だが、どんなに説明をしてもどんなに案内をしてもお客様はスタッフの話しの半分は聞いていないのが事実だ。
これは、仕方がない。
誰だってそうなのだから。
でも、しないよりはマシなのだ。
『ご説明させていただいていますよね?』
という、既成事実が大事なのだから。
だから、今これを読んでいるアナタも気をつけておこう。
もし、何かあったときこういうことにならないよう、きちんとスタッフの話しは聞いておいたほうがいい。
意外と大事なことを説明されている場合もあるのだから。
接客自体をスタッフにさせないで購入した場合はもっと大変だ。
どんな言い訳も許されない。
説明を聞かなかったのが悪いのだから。
接客も悪いことばかりではないのだ。
スタッフに聞くことによって安くなる方法やお得になる方法なども教えてくれるのだから、あまり邪険に扱わずにたまには耳を傾けてはいかがだろうか?

では、自己紹介はここまでにしよう。
次回をお楽しみに…


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