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息をのむ、呼吸が響く瞬間を感じる「THE FIRST SLAM DUNK」

言わずとしれた井上雄彦さん原作の大ヒットバスケ漫画「スラムダンク」が連載終了から26年たった2022年12月新しい映画版として公開された。

近頃としては珍しく、公開前まではほとんど情報が解禁されておらず、どういうストーリーなのかネット上でも話題となっていた。

スラムダンク世代、からは1、2世代くらい過ぎた世代であるけど、漫画はすべて読んでいたので正直楽しみであったが、予告から伝わる3Dアニメーション感には少し不安でもあった。

直接的なネタバレはしないけど、作品を通した感想を書く。

オープニングからエンドロールまで本当にすばらしかった。
鉛筆のイラストにて描かれる試合開始前の整列するシーン、これほど興奮から始まった映画は無いと感じるくらいすごかった。

そこから徐々に試合展開と登場人物の過去が交差しながら進むんで行くんやけど、他の作品(キングダムとか)では常に苦手と感じていた3Dアニメーションも違和感なく、いやむしろ効果的で、よりバスケットボールの試合のリ
アル感、平面なコートにたっている10人だけの動きが強調されている印象を受けた。
こんなに3Dアニメがハマることってあるってくらい高い完成度もよかった。

そして、最も感動したのが音の使い方だった。
登場人物の感情や試合の展開によって、BGMがあったり、なかったり、コート上に響くボールや足音があったり、なかったり、その使い分けがより自分の感情と同調させられている気がした。
自分もバスケではないけど、スポーツをやっていた身として、集中によって周りの音が聞こえず、自分の心臓の音だけ聞こえる状況に近い気がして、試合を見るというより、感じるに近い演出だったと思う。

特に試合のラストシーン、あの約20秒間で繰り広げられる展開、イラストの表現、そして、音。。。。。
あれほど、映画館内が無音の空間を過ごしたことはないかもしれない。
その中で聞こえる自分の唾を飲み込む音や隣の人の息を吐く音が響く、あの瞬間は、言葉では表現できないほど見事なシーンだったと思う。
あんな映画体験したことない。

井上雄彦さんがインタビューで話されていたように、今作では新しいスラムダンクを感じた。確かに、原作ファンの中にはストーリーの展開に賛否が分かれている意見も目にするし、自分の周りの友人もイマイチと言っている人もいた。

連載終了後から26年の時を経て、声優が変更になったり、一部ネットではいろんな意見が飛び交っていたけど、自分にとってはまた新しい映画体験を味わうことができて最高の映画の一つだと思う。

12月15日発売の「re:SOURCE」を読んで、またこの映画を見たくなった、いや感じたくなった。
この映画は映画館で見ないと本当にもったいないと思うので、気になっている人はぜひ映画館で見てほしい。

また「re:SOURCE」は映画でアニメーション作り、修正の話など、映画に関する話がほとんどなので、映画にはまった人はぜひ読んでほしいと思う。



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