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【飲食×テクノロジー】非IT領域にテクノロジーを生かし、今までなかった価値を提供

スターフェスティバルは、2009年に創業し、日本最大級のフードデリバリー総合モールを運営する会社です。飲食店が中食・デリバリーに参入するためのソリューションとして、「製造」以外の部分にあたる「商品開発」「販路提供」「販売促進」「注文受付」「決済」「配達」のすべてを一気通貫でサポートしています。そんな当社の強みは、飲食店や物流とのネットワークを構築していることですが、課題はテクノロジーを十分に生かしきれていないこと。そこに、インターネットビジネスで経験を積んだ、元メルカリCTOの柄沢聡太郎(執行役員CTO)と梶原賢祐(ソフトウェアエンジニア/ごちクルNowProductManager) がジョインしました。

スターフェスティバルには「伸びしろしかない」と語る両者が具体的に何をしようとしているのか。3本目の今回はインタビュー形式でお届けします。


エンジニアリングから組織開発まで。幅広いキャリアを積む

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(左:執行役員CTO柄沢聡太郎、
右:ソフトウェアエンジニア / ごちクルNow  Product Manager 梶原賢祐)


――お二人のこれまでのキャリアについて教えてください。

柄沢
 僕は大学時代からエンジニアの友人らと「nequal」としてさまざまなWebサービスを開発し、大学院在学中にはオープンソースの活動にも参加して「パーフェクトPHP」を共著で出版しました。卒業後はそうした活動の縁で、急成長していたグリーに入社。ここでは、数千万ユーザーを抱えるサービスの作り方を学びました。

もともとグリーではもっと長く働くつもりだったのですが、入社から約1年後にnequalの仲間と個人的に作っていたサービスをnanapi創業者のけんすう(古川健介)さんに見せる機会があったんですね。すると「これは面白い」と、ヤフー COOでエンジェル投資家の小澤隆生さんを紹介してもらうことになって。

最初は軽い気持ちで会いに行ったのですが、「一緒に面白いことをやろう」と小澤さんから投資を受けることになり、nequalのエンジニア5人と元楽天のシリアルアントレプレナー・岡元淳さん、小澤隆生さんの7人で、2011年2月にSNS関連のWebサービスを提供するクロコスという会社を共同創業し、僕はCTOに就きました。

その翌年の2012年8月、創業から1年半でクロコスをヤフーに売却。僕は子会社となったクロコスで3年間、新規事業や営業の組織づくり、マネジメントなどさまざまなことを経験しました。その後、2015年にはエンジニアがまだ20名程度しかいなかったメルカリにジョインし、4年間CTOとしてエンジニアを統括しながら組織を急拡大していくという、貴重な経験をさせてもらいました。

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梶原 僕は新卒で入社した楽天を経て、サイバーエージェントでいくつかの新規サービスを開発しました。その後、小規模の会社でプロダクト開発や組織づくりをしたいと思い、女性向けトレンド情報アプリ「MERY」を運営していたペロリに2人目のエンジニアとして入社。そこでは、プロダクト開発や組織づくりに携わりました。

しばらくして、もっと組織づくりや人事を経験したいと思うようになった頃、当時メルカリのCTOだった柄沢から「エンジニア人事を探している」と聞き、2015年にメルカリにジョイン。4年ほどエンジニア採用やテックカンファレンス、新卒研修などに携わり、組織が大きくなった2019年に、もう一度小規模な組織でエンジニアとして腕を磨こうと、スタートアップに転職しました。

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魅力的なアセットが揃っているのに、テクノロジーを生かしきれていない

――2人とも、エンジニアだけでなく組織づくりにも携わってきたのですね。そこからどのような経緯でスターフェスティバルに入社したのでしょうか?

柄沢 実は、代表の岸田とはクロコス時代からの知り合いなんです。クロコスが小澤さんから投資を受けていたのと同じように、スターフェスティバル(以下、スタフェス)も創業時に小澤さんから投資を受けていて。小澤さんから投資を受けた人たちが集まった“ゆるい”コミュニティがあり、そこで岸田とはつながっていました。

僕はメルカリを退職後、今までインターネットビジネスの中で生きてきたので、次は非ITの領域にインターネットを融合したい、テクノロジーを使えばもっと価値を提供できるのにテクノロジーを生かしきれていない領域に携わりたいと考えていました。そんなとき、声をかけてくれたのが岸田です。僕は個人で飲食店を経営するほどフードビジネスには興味があったので、業務委託としてお手伝いをすることになりました。

スタフェスは日本最大規模の企業向けフードデリバリーサービス「ごちクル」など、さまざまなソリューションを提供していることは知っていました。でもお手伝いをするうちに、約2500の飲食店パートナーだけでなく、約70の配送パートナーと連携し、お弁当を製造する以外の、商品開発から販路提供、販売促進、注文受付、決済、配達という一連のプロセスを網羅的にカバーしていることがわかったんですね。

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これは僕から見るとかなり魅力的なアセットなのですが、それを生かす技術基盤やプロダクト開発の組織が未完成で、テクノロジーを十分には生かしきれていなかった。それを岸田に率直に話したところ、「それなら組織を作って欲しい」と言われ、2020年にCTOとしてジョインすることになりました。

梶原 僕はメルカリと同様、スタフェスも柄沢がきっかけでジョインしています(笑)。メルカリを退職後にスタートアップで働いていたとき、柄沢から聞いたスタフェスでの新しい挑戦の話が魅力的だったんです。

それまで、スタフェスはお弁当を届ける会社のイメージが強かったのですが、話を聞くと単にお弁当を届けるだけでなく、飲食や物流のさまざまな課題を解決するためのソリューションを提供していることを知りました。しかも、お弁当を作って届けるまでの一連の工程を一気通貫で提供しているのに、テクノロジーを生かしきれていない、と。

飲食や物流などリアルなアセットにテクノロジーを融合させたら大きなインパクトを生めるのではないか、社会的影響の大きさを含めて面白そうだと思い、僕も2020年にジョインしました。


――実際に入社して、スタフェスの事業にどのような可能性を感じていますか?

柄沢 良いものを持っているのにテクノロジーをまだ生かせていない点には可能性しか感じません。自社の営業組織や、パートナーである飲食事業者や物流事業者など、さまざまなアセットがサービスを構築する要素として存在しているけれど、システム的にはそれぞれが“ぶつ切り”状態なんですね。

もともとのフードデリバリー事業もバリエーションが増えてビジネスは多様化していますし、「スタロジ」という新たな物流事業によってフードデリバリー商品“以外”の荷物も運ぶようになって、既存システムでは最適に対応できない箇所が複数でてきました。

この状態によって引き起こされていたのが、不要な手運用の発生によるミスや不整合、社内オペレーションロスによる不要なコストの発生です。そういった不要なコストは最終的にはお客様に影響してしまいます。本当はもっと安くできるかもしれないのに これ以上値段は下げられない、本当はもっと効率的な配達ができるはずなのに、現状ではできない。

デリバリーの世界でもっとも課題になっているのは「物流コスト」です。車や運ぶ人を動かして、かつ正確で最適な容積率・積載率で運ぶのは難易度が高い。実際、一つの荷物を運ぶのに数千円かかるという話もあります。

それらを解決できるようにビジネス要件を洗い出してソフトウェアに落としこみ、運用に乗せていけば、より低コストでたくさんの荷物を短時間で運べるようになる。すると、お客様からいただいている費用を下げられますし、最適なルートで運ぶことで、荷物をより早く届けられるようになります。

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それだけでなく、今は事前受注型のサービス展開ですが、即時配達のような厳しい要件のサービスにも対応できるかもしれません。また、今後“冷蔵車・冷凍車をチャーターするリース事業も行なっていく予定なので、そこに対するニーズも拾える可能性が高い。ポジショントークではなく、本当に「伸びしろしかないな」と思っています。


梶原 僕も柄沢と同じ思いですね。今は、お客様はお弁当を購入するだけですが、さまざまなデータを集めて活用すれば、カロリー計算をしたりランチのメニューをレコメンドしたりなど、もっと体験価値を向上させるサービスやオプションの提供ができると思うんです。

お客様の購入情報を元に分析したデータを飲食事業者に提供すれば、お客様に求められている商品開発を効率的に行えますし、お客様ももっと好きなお弁当を選べるようになるはず。シームレスに事業やアセットをつなげるシステムを構築することで、これからできることはかなり多いと実感しています。


基盤システムを作り直し、新たなビジネスアイデアを形にする

――もともと高かった事業のポテンシャルを、磨いていくタイミングに入ったということですね。

柄沢 はい、まさに。2020年からは「プロダクトファースト」を全社で掲げて、組織体制もそのスローガンの元、新しい体制で取り組んでいます。それを一緒にやってくれるメンバーをいま、探しているところです。すでに今年に入り、何人かのエンジニアが新たに加わってくれていますが、さらに仲間を迎え、強化していきたいと考えています。

動き始めているプロジェクトはすでにいくつかあり、なかでも大きいのが“ぶつ切り状態”の事業やアセットをつなげるための新しい基盤システムの開発です。市場やビジネスは変化し続けるし、テクノロジーも進化します。だから、システムも変わり続けないといけないのですが、スタフェスの創業時に作られた基盤システムは、あまり積極的にメンテナンスがされていない状況だったんですね。

ビジネス要件が変化したり、新しいアイデアを実現させようとしたりしたとき、つぎはぎ状態の基盤システムでは対応できず、足かせになる可能性が高い。だから、新しい基盤システムを開発・メンテナンスする体制を作り始めているところです。新しいサービスとしては、現在 梶原が担当しているサービス「ごちクルNow」を入社後すぐに立ち上げました。

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(現在、新基盤を構築開発中)

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 (ごちクルNOWサービス)


エンジニア起点の新規事業

――新しい基盤システムの開発・メンテナンスをはじめ、プロジェクトがいくつもあるのですね。

梶原 「ごちクルNow」はプロダクトファーストで作ったもので、当日のランチを朝10時までにSlackやWebサイトから注文すると、お昼に届くサービスです。従来のごちクルは1週間前までの注文が必要だったのですが、それをより簡単にして、かつ送料無料・1食から頼めるようにしました。

柄沢 実はこのサービスは、僕が業務委託でお手伝いをしていたときに提案したものなんです。新しいサービスとして、を入社後すぐに立ち上げたものです。現在は梶原が担当しています。
ランチのニーズはさまざまで、必ずしも美味しいランチを能動的に探して食べようとする人ばかりじゃないですよね。たとえば、会社で総務の人などが「今日出前を頼みたい人?」と聞き、手を挙げた人数分を注文するようなケースがあると思います。

「今日のランチ、買いに行くの面倒だな」「お弁当選ぶのが面倒だな」と思っていても、誰かが選んで買ってきてくれるなら「手を挙げる」のは簡単です。この、「誰かが買って来てくれるなら食べたい」というニーズに応えたのが「ごちクルNow」。

「誰かが呼びかける」「手を上げる」という行動はチャットでできるから、それならいつも仕事で使っているSlackに統合させたらいいのではと考えました。

Slackで毎日午前中に今日のお弁当の通知がきて、欲しい日だけチャットで注文すればお弁当が届くなら、能動的にランチを選択しない人も手間なく簡単に注文できます。これは、今までのスタフェスのサービスや事業の作り方とは違う、エンジニア起点の新規事業です。

しかも「ごちクルNow」の仕組みを生かせば、給食のない小学校で親が子どものお弁当を当日注文できるようにしたり、リモートワークの社員の個人宅にお弁当を届けたりするなど、オフィスでの利用以外の需要にも応えられると思うんです。僕らはもちろん、社内にもアイデアはたくさん転がっているので、それらを実現できるようシステムを作りたいと思っています。

梶原 そうですね。先ほど柄沢からも少し出ましたが、物流の領域でも冷蔵車のリース事業にも取り組む予定で、これは、需要はあったけれど世の中に存在しなかったサービス。テクノロジーを生かせば、需要に応えられていない領域のサービスを生み出し、新たな価値として提供できるので、システムとリアルをシームレスにつないで、需要に応えられるプロダクトを作りたいです。プロダクトファーストかつプロダクト開発に本腰を入れたスタフェスは、課題解決の幅が無限に広がっています。

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「食」のニーズは絶対になくならない。社会やビジネスの変化にテクノロジーの力で対応

――スタフェスは、これから大きく成長するための転換期にあると思います。この環境で得られるキャリア価値はどのようなものだと思いますか?

柄沢 職種に関係なくビジネスパーソンに必要なのは、社会が変化したときの対応力です。それは、個人で持つのはもちろん大事ですが、企業の経営者にその力があるかを見極めることも重要。状況が変われば別のやり方を模索したり、これまでとはまったく違う考え方で試してみたりをクイックにできる会社が、これから生き残るのだと思っています。

その点、スタフェスは新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、経営陣が即座に需要の変化を捉えて、いかに影響を受けないビジネスを作るかを考え、動いています。たとえば、オフィスにお弁当を届ける需要は減りましたが、医療関係や行政、軽症患者を受け入れるホテルなどには引き続き需要があるんですね。

もちろん、コロナ以前は人が集まっているところにお弁当やケータリングをお届けしていれば良かったのが、これからは頭をリセットして、人が集まる・集まらないに関わらないビジネスを考えていく必要があります。でも、どんな状況になっても人の食事の回数が1週間でゼロになることはないのです。

こうした環境下でエンジニアとして得られるキャリア価値は、社会や環境、人の価値観、ビジネスの変化を楽しみながら、それにフィットするソフトウェアやアーキテクチャ、技術基盤を作っていけること。ビジネス要件はリアルが絡むと途端に複雑になるので、それをソフトウェアに落とし込めるエンジニアの市場価値が高くなるのは周知の事実。
新しい社会における「食」の需要にチャレンジしていくこと自体に価値があるので、そこにエンジニアリングの強みをぶつけたい人にぜひとも仲間になって欲しいと思っています。

梶原 飲食や物流、また自社の組織や各事業が抱えている課題はさまざまで、それらを集約して課題を解決するのは、難易度が高いことです。でもそれを経験すれば、仕事に対する考え方や進め方、課題解決の幅が広がるのは間違いありません。しかも、これから基盤システムを作り直すフェーズに入るので、そこに立ち会えるのもスタフェスで得られるキャリア価値ではないでしょうか。

ビジネス上にどんな課題があり、それを解決したら誰が幸せになるかを考えながら、適切な技術でソリューションを提供できる人、もしくは提供したい人にとってはとても面白い環境だと思います。課題を解決したときの社会的インパクトは大きいので、世の中が変わっていく中で何が大事なのかを考えられる人と、意義あるチャレンジができたら嬉しいです。

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