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ヤケドの痕を見るたび思うこと

生後11ヶ月の時、左の二の腕にヤケドをしまして。

もちろん、その時の記憶は全くないのですが。

両親がちょっと目を離した隙に、淹れたて熱々のコーヒーを自らひっくり返してかぶっちゃた、という。

尋常ではない私の泣き声が居間から聞こえてきて、母上は「コーヒーだ!」とすぐに察したそうです。

手当てをしてくれたお医者先生からは

「年頃になれば、痕も消えますから大丈夫ですよ」

と言われたらしいのですが、未だに残ってるということは、まだ年頃じゃないのかしら、私?

まあ両親を責める気はなく、顔じゃなくてよかったよね〜、くらいに思っておりますが。

晩年の父上は、晩酌をするたび

「お前には謝らなきゃいけないな。ヤケドさせて悪かったな」

と、詫びを入れて来るようになり、正直とても居心地が悪かったです。

故意ではないし、赤ちゃんだったとはいえ自業自得なわけですから。

「別に気にしてないからいいよ!」

と返すと安心したような顔をしていたので、毎回そう言っておりました。

薄っすらと残るヤケドの痕を見るたび、父上のことを思い出す私。

お父さん、本当に気にしてないからね。

安心して、天国で淹れたてのコーヒーを飲んでね。

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