私がお世話になっている印刷所の入稿は、表紙も本文もすべてPDFデータしか受け付けない。今回の文学フリマの入稿で一番難儀したのは「縁環のキリトリ」の本文データ作成だった。

フォトエッセイ「縁環のキリトリ」は左側に写真、右側に本文という構成にしたのだが、印刷所に入稿するPDFデータは１ページずつ独立している必要があり、２ページ分の見開きデータとしては作れない。なので、この本は、ほぼ1ページ1ファイルずつ作った。
そして、印刷所へ入稿するデータは表紙と本文でそれぞれ1ファイルずつにまとめないといけない。ここでバラバラに作ったPDFを全部くっつける作業が発生する。

前回まではオンラインでPDFを結合できる「i love pdf」というサイトを利用させてもらっていた。

今回もここで作業しようとしたら、なんと結合できるPDFのファイル数に制限があり、およそ80個あるページごとのファイルは一度にまとめることができなかった。なんてこと。

どうしようか悩んだ。数ファイルずつ結合してから、さらに結合したpdfどうしをひとつにまとめる……？ページの抜け漏れや順番間違いが怖すぎる。しかも、ファイルの数に加えて1ファイルのサイズにも上限がある。くっつけている途中でファイルサイズが大きくなり過ぎたらもう結合できない。困った。困ったな……。

結論、どうにもならんかったです。ついに私は、悪魔（アドビ）に魂を売っ（課金してPDFのサブスクに加入し）てしまったのです。

………………らく、だった。
すっごい、すっごいラクだった！！！！！

ファイルはなんぼでもサクサク結合できるし、結合したあとでページが入れ替えられるし、なんなら他のページと同じサイズで空白ページが挿入できちゃうし。対価を払うってこういうこと……あぁでも趣味なのに……年に2回くらいしか作業しないのに……。

3年前に文学フリマに参加し始めてから、表紙はGIMPというフリーの画像編集ソフトで作成している。必要十分なソフトだけれど……今みたいな気持ちで顔じゅうに深いしわを刻みながらphotoshopのインストール画面を睨んでいる私が遠くに見える……お願い踏みとどまって……

陥落ってこういう気持ちかぁ。とまたひとつ学んだ出来事でした。

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