鎌倉おばさん(文学フリマあかさたな雑記『か』)
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鎌倉おばさん、それは私のこと。神奈川県西部のはじっこに産まれ育った私にとって、おでかけと言えばまず候補に挙がるのは鎌倉・江の島だった。
二十代前半くらいまでは寺?歴史?過去は振り返らない主義だぜ!海!ウェーイ!イルカ!かわいい!!マンボウ!ウッ!マンボウ!!てなもんで鎌倉より江の島だったが、気づけば神社仏閣にしかない空気と風景を求めて切通しのあいだをぽくぽくと歩くおばさんを十年以上やっていた。
鎌倉がそんなにおもしろくなかった、という人はたぶん王道コースに行ってみた人なのだと思う。大仏さんと八幡宮と小町通りで帰ったら本当にもったいないんですよ。「花寺」と呼ばれる由緒ある尼寺、撮影禁止で耳からも目からもノイズなく見事な紅葉が楽しめるお寺、エンタメ感ある厄落としができちゃう人のまばらな神社……あ、これ以上は、ちょっと……すみません。
とにかく、少し踏み込んで調べたらグンッと楽しくなるのが鎌倉なのだ。
それからごはん。鎌倉はうまいものが多い。居をかまえて生活するのは金持ちしかいなくて、みんな舌が肥えているから多種多様な魅力であふれた店だけが長く続いている。ふわっふわのシュウマイを出す間借り営業の中華系居酒屋さん、鎌倉野菜とよばれる地の野菜を使ったてんぷらがおいしい和食屋さん、干物がおいしい朝定食、食べたことない組み合わせなのにすんなり受け入れられるスープと自分の辞書にある「ビスケット」の項目を書き換えなくちゃいけないホカホカザクザクのビスケットを出すカフェ……あ、これ以上は、ちょっと……すみません。
とにかく、鎌倉はたのしい。その魅力を伝えたくて&宣伝をかねて文学フリマ東京38では鎌倉のオススメごはんを2軒ご紹介するフリーペーパーを持っていきます。チラシだけでもぜひぜひ、取りに来てください。マジで。私になにも聞かず鎌倉に行かないでくれとまで思っている。
今日はチラシをチラ見せしておしまいです。
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