猫とジゴロ 第十四話
斉藤さんはかなりのお疲れ具合で少しうとうとしているようだ。たまに何かぶつぶつ呟いている。夢でも見ているんだろう、可哀そうに。しげしげと斉藤さんの顔を見ると年輪のように細かく刻まれたシワは本当に数知れず、改めて歳のいった老人然たる面構えに見えた。決して「劣化」とかいう言葉では片付けられない、断固たる経験と知識で、むしろ威風堂々という風格さえ漂わせている。もっともここ数日の斉藤さんの、時として学のある、そしてまた時としてお茶目で可愛い言動で、斉藤さんに対するリスペクト(なんて「今