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小説『猫とジゴロ』

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初めて長編小説にトライしました。出来ましたら目を通して頂けますと幸いです。文字通り猫好きな方、もしくはジゴロな方(笑)へ、少し休んでいきませんか?ほぼ毎日更新しております。是非と… もっと読む
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記事一覧

猫とジゴロ 第一話

俺はアキラ、今年の7月で48になる猫好きのフーテンの身って所だ。フーテンの癖に偉そうな言…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第二話

赤羽のボロアパートを出ると、JRの駅まで向かった。心持ち何だか高校受験、正確には受験合格後…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第三話

それでは面接を始めることとしましょうね。マダムが切り出すと俺はジャケットの裾を引っ張って…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第四話

ポルシェ・ジャパン銀座に着くと、尋常でないマダムの出立とお抱え運転手の華麗なエスコートで…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第五話

取り敢えず、仕事仲間に「何だか知らねえけど大変なことになってる。詳しいことはまた話すけど…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第六話

渋谷の裏手にあるマダムの家に辿り着くと俺は真っ先にポルシェの所に行ったね。俺はこいつにデ…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第七話

ふっと目覚めると時計の針は朝の5時を指している。眠りが浅く、寝汗をかいている。起き抜けのドロドロした血液を薄める為、ベッドから起き上がり、水差しから入れた水を一気に飲み干すと、先程の首都高の情景がうすらうすら蘇ってくる。セナは?マクラーレンは?。。。夢だったのだ。 マダムの家は本当に至れり尽くせりの綺麗ぶりで、ベッドのリネン類も常に清潔に保たれ、洗濯剤のこれまた清潔感溢れる香りで部屋中がホテルのようだ。おっと、マダムを起こさないように坊ちゃんに餌やらなきゃな。もっともマダム

猫とジゴロ 第八話

天ぷらを食うと、暫くぶりの渋谷という雑多さの象徴みたいな街をぶらぶらしてみる事にした。俺…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第九話

ビールでほろ酔いのまま、渋谷の街をフラフラと歩いてっと、久しぶりに映画でもみるかってな具…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第十話

サメの抱き枕が入ったIKEAのどデカいバッグを抱えて映画館のゆったりしたシートに身を沈めると…

Jake
2年前

猫とジゴロ 第十一話

春先から夏へと季節は着実に移ろいつつあった。もうリュウキュウアサガオの花が初夏の強い光を…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第十二話

しばらくベッドに寝転んで何をするでもなく天井を眺めていた。2階にある居室の扉をトントンと…

Jake
2年前

猫とジゴロ 第十三話

俺は寝る時は下着だけで眠るんだけど、何だかイマイチなパジャマが用意してあったんで一応着て…

Jake
2年前
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猫とジゴロ 第十四話

斉藤さんはかなりのお疲れ具合で少しうとうとしているようだ。たまに何かぶつぶつ呟いている。夢でも見ているんだろう、可哀そうに。しげしげと斉藤さんの顔を見ると年輪のように細かく刻まれたシワは本当に数知れず、改めて歳のいった老人然たる面構えに見えた。決して「劣化」とかいう言葉では片付けられない、断固たる経験と知識で、むしろ威風堂々という風格さえ漂わせている。もっともここ数日の斉藤さんの、時として学のある、そしてまた時としてお茶目で可愛い言動で、斉藤さんに対するリスペクト(なんて「今