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書籍『日本現代版画 長谷川潔』

出版社:玲風書房
著者:長谷川 潔
B4変型判(348×273㎜)
上製本 総96頁
図版78点(グラビア印刷)




目次

 図版 p7
 マニエール・ノワールに集約した長谷川芸術 島田康寛 p70
 長谷川潔畫伯近況 齋藤磯雄 p76
 収録作品リスト p86
 長谷川潔年表 p89

※詳細省略


内容説明

 パリに渡り自らの思想、哲学を銅版画により「黒の芸術」に集約。西洋の精緻な伝統的技法と東洋の思想がみごとに結実した作品を精緻なグラビア印刷で再現する。また初期木版画も収録。

帯より抜粋


レビュー

 長谷川潔(以下:長谷川)の作品を、比較的大ぶりな印刷により観ることが出来る。
 長谷川作品の持つ美しい黒の濃淡を、僅かに感じることが出来るため(本物とは似て非なるものではありますけれども・・・)、そういった部分ではおすすめしたい書籍となっている。
 収録作品は少ないものの、マニエール・ノワールによるマスターピースと言える作品は10点程収録されており、初期から中期の他の技法による作品もセンス良く選定されているため、なかなかに楽しめる内容となっている。
 また個人的な喜びは、1921年の板目木版(多色試刷)による作品『ムードンの陸橋』を、比較的大ぶりな印刷にて観ることが出来たことにある。
 100年以上前に刻印されたその風景と光の中に、私の心は一瞬にして採り込まれ、しばしその中にて安らぎの時を過ごした。


『ムードンの陸橋』

『ムードンの陸橋』1921年 板目木版(多色試刷)

 ※本書記載の印刷は、もっと柔らかで繊細な発色となっており、美しい本作の魅力を感じていただけるように思います。



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