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金木犀の花は、幻に感じる。

私、いつ金木犀の香りを覚えたのかな。

ふと、SNSで話題になっているツイートを見て思った。

意外と、金木犀の香りを知らない人は多いらしい。

私は、小さい頃から金木犀の香りを、なんとなく覚えた気がする。

おばあちゃんから聞いたのか、お母さんから聞いたのか。

たしか、お隣さんが金木犀を育てていたからかな。毎年同じような時期に同じ香りが漂ってきた。

ふわっと優しい匂い。私はその香りを嗅ぐたびに、何故か切なくなった。

理由は未だにわからないけれど。

ここではまだ金木犀の香りを嗅いでいない気がする。

私の中で金木犀は、幻の植物なイメージがある。

その人が何か悩んでいる時や哀しい時にだけ現れる香りというか。その人にしかわからない幻の香りのような。

きっとそう思うのは、金木犀はどこに咲いているのかわからないのに、匂いだけは確かという話を耳にしたことがあるからだろう。

私もまだ、その花を実際に見たことがない。写真では良く見るけれど、あまりピンとこない。

でも、匂いはたしかに良く覚えている。

そんな不思議な花の季節。

お仕事中のドリンク代にさせていただきます。ちょっといい紅茶を買いたいです。