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館山若潮マラソンと房総のマッターホルン

館山若潮マラソンびりっけつ


左下肢の変形性関節症に長く悩まされ、もうフル完走は難しいのかな..と諦めかけていましたが、新型ウィルス感染縮小化から3年振りに開催された「館山若潮マラソン」で制限時間の90秒前にゴールへ滑り込みました。

でも完走より嬉しかったことは、昔から私を叱咤激励してくれる甲冑おばあちゃんに再会できたこと。私はこの数年間、大会にエントリーしても途中棄権を繰り返し、PBどころか完走も出来ない日々が6年間続きました。

とにかくおばあちゃんが立っているはずの応援ポイントの30km地点までは行こう!と心に決めていたのですが辿り着いても見つけることが出来ません。何かあったのかな..もう一生逢えないのかな..と思ったその時です。

甲冑を身に付けていないチェック模様のかっぽう着姿の甲冑おばあちゃんを発見!マスクを着用してニット帽を深く被っていらっしゃいました。

うわぁぁーっ、逢いたかったーっ!ご無沙汰してます!お元気でしたか!アレっ甲冑は?と聞くと「私ねぇ、もう作ってないのよ」とのこと。

そう、南総里見八犬伝ゆかりの地である館山は今も時代劇や映画、戦国武将行列イベント用の甲冑づくりが盛んなのであります。

ポケットからスマホを取り出して、6年前にツーショットで撮った写真を見せて二人で爆笑したあと「また来年も来なさい」と言われたので、私は自動的に来年の館山若潮マラソンもエントリー決定です。

辿り着いたフィニッシュエリアはクリームパンも温かい砂糖入り麦茶も残っていませんでした。もうサブなんちゃらは無理っぽいので、来年は食べ物が残っている時間にゴールすることを目標に頑張ろうと思います。

予想外の完走でモタモタしてたら館山駅で木更津行き二両編成の普通列車に乗り遅れ、次の列車まで1時間20分ホームの待合室で過ごし、寒さに震えながら岩井海岸に戻ると、なんと宿のお母さんが鯛の塩竈焼きを作って待っていてくれました。これってお祝い事の料理じゃないですかぁ!めちゃくちゃ美味しかったぁ。

房総のマッターホルン「伊予ヶ岳」


翌朝、宿のお母さんと娘さんから手作りの枇杷ジャムをいただき、玄関でお見送りを受けて来年も絶対に来ることを約束して岩井海岸を出発。

そしてフルマラソン翌日、私はランナーではなくジョガーだからこそ成せる二足の草鞋、靴をアシックスからサロモンに履き替えて、房総のマッターホルン伊予ヶ岳登山へGOです!

登山口となる平群天神社(へぐりてんじんじゃ)の駐車場までは岩井駅からクルマで10分ほど。脚にフルマラソンのダメージが残りますが、ダブルポールの四駆歩きなので荒技の回復ストレッチになります。

房総半島で唯一「岳」と名がつく急峻な山はここだけ。伊予ヶ岳は標高336.6mの低山ですが南峰と北峰のツインピークを持つ岩峰で、つづら折り、沢のトラバース、三点確保を要する岩場、鎖場、山頂の絶景と登山の魅力が往復1時間40分の中に全てが凝縮された関東100名山のひとつであります。

私は毎年この地に訪れないと新年が始まりません。だからまた来年に向けて準備を始めたいと思います。結局人間って楽しいと感じることしか続けられないのですから。

鉄の掟

入山前にJR内房線岩井駅構内の観光協会に立ち寄って確認したところ、伊予ヶ岳のハイキングコースは肩付近の東屋まで。その先は鎖やロープの安全性が確認されていないため自己責任と説明を受けました。

また4年前に房総半島を襲った台風15号による登山道の崩壊箇所も残っています。同日に長野県妙高連峰の冬山バックカントリーで遭難事故もありました。

フルマラソンも登山も再現性が求められるスポーツです。練習で出来ないことは本番でも出来ません。日頃から練習と訓練を積んで装備を完璧に整えて、状況の変化次第では棄権する勇気を持つことが大切です。

最後の判断はご自身が決めること。そして「あーっ、楽しかった!」と、帰りを待つ人の元へ元気に帰宅すること。これが鉄の掟。支えてくださった方々に感謝の気持ちを込めて。

稚拙な日記にお付き合いいただき有難うございました!

END

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