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生ものがかますパンチライン

言葉を書くことを知るために、大好きなライター・エッセイストの佐藤友美さん(さとゆみさん)のお話を何度か伺う機会があった。

先日オンラインの動画で拝見したときに聞いた話。
AIがすでに浸透している米シリコンバレーなのに、rawという言葉が流行っているそうだ。
直訳すると、生、という意味。
「AIにはできない、人間だからできること」を現すらしい。

それを聞いた時に思い出したのはAwich(エーウィッチ)。
「生き様に惹かれる」と若い世代から絶大な人気を誇る、日本人女性ラッパーだ。

彼女の歌詞はとても「生っぽい」。
聴くとわかる。
彼女の歌にはまるで映画のような人生、そのものが込められている。

毎日日記を書き、内省する彼女。
いかに「自分に本物であるか」を大切にする姿勢は、多くの人を魅了するのではないかな。

生き様、人生、を表現することは、
やっぱり生ものである人でないと成せない技なのだ。

歌詞にしても、エッセイにしても、
人間の言葉はrawであればこそ人の心に届くのかもしれない。

きっとAIは、ライム(韻)は刻めてもパンチライン(聴く人に刺さるフレーズ)はかませないんだろうな。


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