見出し画像

Gutsヒロのスイーツ・ストーリー「友情の煌めき。夢に挑戦する三つの物語」

こんにちは、Gutsヒロです。「Gutsヒロのスイーツ・ストーリー」へようこそ!私のnoteに来ていただきましてありがとうございます!この記事を見た方には興味を持って頂ければ幸いです。

今回のストーリーは、私の調理師専門学校の時代の話です。友情は時には驚くべき冒険へ導くことがあります。この物語は、三つのそれぞれの友情が煌めき夢に挑戦し、心温まる奇跡について物語るものです。彼らとの友情の絆で結ばれていく様子や、それぞれの道を歩み、夢を追いかけ、お互いに支え合って成長していきます。この物語は、夢を信じ、友情の大切さを知る人々の心に響く物語です。


そして、スイーツ・ストーリー「友情の煌めき。夢に挑戦する三つの物語」を読んで頂くのに、既に調理師専門学校を舞台にしたnoteがいくつかあります。それらも一緒に読んで頂くとより一層お楽しみいただけると思いますので改めてご紹介させて頂きます。

Gutsヒロのスイーツ・ストーリー「調理師専門学校の製菓コース篇」
こちらは私が20代の最後の年、調理師専門学校に行くきっかけになったこと。感謝を込めて挑む、学校最後の大イベント、卒業制作展のストーリーを描きました。

Gutsヒロのスイーツ・ストーリー「敗者復活戦:新たなスタートラインへ篇」
私が調理師専門学校に行くきっかけをより掘り下げて描いたストーリーです。絶望になりつつもパティシエになるために再び立ち上がる様子を描きました。

Gutsヒロのスイーツ・ストーリー「料理の扉を開けた29歳の挑戦者篇」
学校に入学を考えるものの不安で葛藤する中、母の後押の言葉で学校の入学を決意し、憧れの学校生活に挑みます。調理師専門学校の生活のストーリーを描きました。


「星降る友情の夜」

2年生になり、学校生活は何倍も大変になりました。個々の実力を試される期間に入ったのです。高い入学費を払っても7人ものクラスメイトが退学することがありました。理由は様々ですがそれほど学校は厳しい内容だったのです。2年生の半年経った頃でしょうか、私の戦友スーさんも退学した1人でした。10代のみんなより年齢の高い私とスーさんは、10代の若者たちに食らいつき置いてかれぬよう頑張ってました。しかし、40代のスーさんは限界を迎えてしまいます。スーさんは、駅まで車で30分、電車で2時間以上かかる通学がネックだったそうです。寝る時間も勉強する時間もない状況を私は聞いていました。そして、とうとう2年生になり、ついていくことができなくなったのでした。しかし、私はスーさんを励まし、手伝って鼓舞しましたが、ある日からスーさんは学校に来なくなってしまいました。1年間に休める日数は約10日間。それは学校を卒業できる条件を満たすためのカウントダウンでした。1日、2日、3日・・・・そして10日の連続の休みを取ったスーさんはもう卒業する単位が取れなくなって卒業することができなくなりました。朝の授業が始まる9時までの時間、ドアを開けて現れるスーさんを毎日待ちました。明日こそは登校してくれると願った夜。学校の関係者も励ましや助言をしたそうです。なぜなら、あと半年頑張れば卒業し、夢のパン屋になれる切符を得られるんですから。
しかし、最後は、学校の指示で私からスーさんに連絡するのは辞めるよう言われました。それは私がどんな言葉でもスーさんにとっては酷な言葉になってしまうからです。私は、入学説明会のスーさんの熱意ある姿に魅了され、あの40代のおじさんが製菓コースの2年間を送るなら私でも2年間頑張れるのではないかと、後押ししてくれたとても大切な人でした。そして、10代の若者に囲まれながら送る学校生活の孤独さを2人で支えあってここまでこらえることのできた戦友でもありました。私はスーさんが学校を去ってしまって辛い出来事でしたが、スーさんの熱意や努力を忘れず、私とスーさんの絆を胸に刻みつつ、自分の夢や目標に向かって頑張ることが最大の敬意だと思いました。スーさんとの経験は、私の成長に大いなる影響を与えてくれました。スーさんがいなくなったからこそ、スーさんの分まで頑張ろうという強い意志が生まれ、自身の強さと粘り強さを発揮できるようになりました。スーさんの分まで、そして自分の夢のためにも今後の学校生活や人生においてもスーさんとの友情の絆を信じて進むことが私の使命になりました。




「未知なる可能性。友情の絆と夢の探究」

2年生になると学食イベントがあります。お客様を招待し、料理からデザートまで自分たちでレシピを考えて、原価も抑えて沢山の料理を振る舞います。それは1人でもミスすると完結しない責任重大な課題です。もちろん美味しいものも求められますが、技術を要する高レベルな献立を求められます。当然、インターネットで拾ってきたようなレシピでは先生から許可が出ません。献立はみんなで考えて、レシピは作成する人がランダムで指定され、それぞれレシピを考えて提出します。私はデザート部門でお皿の盛り付けに使うマカロンを作る担当になりました。マカロンを作れる人がいなかったので私は選抜されたのですが、当時の私でもマカロンを作るのはうまくいくときと、できない時があって正直自信がありませんでした。そして、マカロンのレシピを作った生徒が私に引き継ぎ、私がそのレシピでマカロンを作るのですが、何度やってもうまくいかないのです。クリームも微妙なレシピであまりのひどさに先生から怒られるのですが、レシピと分量は合ってるんです。レシピを作った生徒にこのレシピで作れるのか、作ったことがあるのか聞くことにしました。すると作ったこともないし某サイトで拾ってきたレシピだと判明しました。私は先生に抗議をしました。
「プロのパティシエを目指す人間が作ったこともない得体の知れない某サイトのレシピで作るのがプロの目指すやり方なのか」
と。抗議した私は先生から言われたのは1から自分でマカロンのレシピを作り直すことでした。私はロスした時間の中でマカロンに関する本を知ってる限り全て買い、マカロンといえばピエール・エルメさんのマカロンを仕入れて参考にしたり、家であらゆるレシピで練習しました。それで試作期間終了ギリギリで合格をもらい採用されました。

これからは終わっていないポジションのフォローした時のストーリーをお話しします。いくつかの場所で手伝いをしていたのですが、クラスメイトの中でも色々遅れていたイーちゃんという子がいて実習ではあまり活躍できなかった子がいて、今回の学食イベントでも1番簡単なデザートに添えるソースを担当されていました。
しかし、ソースを作るのにソースを焦がしてしまったり、ソースを煮詰めること4時間コンロの前でぼーっと立ってただけだったりして完成することができず、私はイーちゃんの手伝いをすることになりました。しかし、試作時間では間に合わなかったので後日、授業が終わった放課後、居残りで実習室を借りて試作することになりました。そして、改めてソースのレシピを見ると一目で美味しいソースになるようなものではないことがわかりました。そして、先生に相談することになりました。しかし、イーちゃんは先生の目の前にしても何も言わないのです。横目で「ヒロさんが言ってください」と無言の視線を送るので仕方ないと思いつつ、イーちゃんのこれまでの経緯とレシピ、提案を先生に言いました。すると先生は私が手伝うなら好きにやっていいということになったので、デザート部門のリーダーに事情を伝えてソースの改善と試作することになりました。そして、予定の放課後に私とイーちゃんはソースを作り、お皿に描いてもいいような具合か実験もして良いソースが出来上がった頃にとんでもないことが起きます。実習の助手の先生が怒鳴って、
「いつまで実習室を使っているんですか!?」
というのです。しかし、まだ作り始めて30分程度しか経ってないのです。
「イーちゃん。実習室の許可どのようにとったの?」
と聞いたら、時間が全く予定と違う時間を許可申請してて、それを私に言わなかったのです。そして、許可申請の時間を大分オーバーしてしまい、急いで片付けて終わったのですが。。。助手の先生に謝って事情を話したのですが、助手の先生から「ペナルティです」と言われてしまいました。私とイーちゃんは放課後の2週間掃除をするペナルティをすることになります。イーちゃんは「すみません」と、声にならないような声で言いましたが私は
「まぁこれも青春だな!」
と励ましました。しかし、ペナルティは私の学校生活に大きな影響でしたし、正直時間が吸い取られるのは困りました。クラスメイトのみんなは「なんでヒロさんもペナルティなんだ?」と言ってくれましたがイーちゃんの立場もなくなるので「僕も確認してなかったから」と言ってやり過ごしました。
しかしながら、マカロンをはじめ、ソースも好評で無事に学食イベントの課題が終わり、それぞれの感想や反省を言う場面があって私は一部ペナルティのことで反省する旨を言ったところ、製菓の1番偉い先生が「ペナルティってなんだ?」ってことで少し不穏の空気が流れます。その反省会の後に私は呼び出しがあり製菓の1番偉い先生に一部始終話すことになりました。すると先生が、
「ペナルティのことは知らなかった。率先してイーさんの手伝いを申し出てくれてレシピも考えてやってくれたことは知っています。ペナルティを課したことは今更ですが無かったことにしてください」
と言われたのでした。私は「ペナルティ」と言われて家に帰った後あまりのショックでグニャァとへこたれていたのですが無かったことになってホッとしました。

この、おっちょこちょいのイーちゃん。クラスメイトの中でも1番目立たなく、やっとの思いで卒業した苦労人で学校卒業後の就職は明らかになりませんでした。しかし、卒業式の時にイーちゃんから
「ヒロさん、お世話になりました。」
と言ってくれて、それが最後の会話になりました。私は、卒業してから1年後に風の噂で聞いたのですが、イーちゃんはパティシエの夢を諦めずにいて有名ホテルの試験で試験官を驚かす、すごいケーキを作ったそうで、そしてそのホテルに就職が決まりパティシエになれたそうです。あのおっちょこちょいのイーちゃんがホテルにかぁ。と驚かされましたが、きっと学校生活の時代の彼女はもういなくて立派なパティシエになれたのだと思います。イーちゃんの成長は素晴らしいもので彼女の努力と決断が成功に導いたことは、人間の可能性と底力の証明です。夢を諦めずに追い続け、そして立派なパティシエになった姿は、勇気と信念の象徴として示してくれました。



「煌めく絆の軌跡」

みんな入学する時はほぼ同じレベルからのスタートでした。そして、2年生の卒業制作展では2年間の経験を活かしてそれぞれに力を発揮します。私は前回のnote通り制作展では1位を取れることになるのですが、その裏舞台をお話しします。

私はクラスメイトの中でも誰よりも実力を伸ばし結果を出してきました。2年生の実技試験でも良い成績で突破することができました。当時、みんなで放課後の実習室で練習をします。特にロールケーキの試験は生地は手立てで作り、焼いて冷まします。バタークリームとシロップも作って生地に塗って巻きます。そして、冷蔵庫に入れて固めてます。使った道具は全部洗って片付けて終わらせないといけません。そして1番難しいロールケーキのカットは3cmに真っ直ぐに切りますが、少しでも斜めだと倒れてしまい失格です。絞りも同じ形で同じ大きさで美しくないといけません。これらをなんと60分以内でやるのです。みんなで放課後に練習して作ったのは良い思い出です。悪い点やできないことを共有してできるように必死でした。そして、終わった後は食べて極楽の時間を楽しむのですが、女の子のサッちゃんが私に「私のケーキを食べてください!」と言うのです。私は喜んで食べました。しかし、食べ進むうちに「ん?」と思い、サッちゃんに聞きました。

「これ塩の入ったバター?」

するとサッちゃんは無塩バターは高いから有塩バターで作ったと言うのです。私は、残すと悪いからと、このしょっぱいケーキをなんとか食べ切ることができました。もう額からは汗が出るほどでした。するとサッちゃんが、

「ヒロさん、残りの一個食べてください!」

と言うのです。断ろうと思ったらみんな有塩バターのケーキを食べさせられていて「ヒロさんも食べてくださいよっ」って目で見られたので泣く泣くもう一個食べる羽目になりました。食べ終わった頃には脳がグルングルン回るぐらい調子悪くなりました。
そして、試験当日。私は何度も練習した甲斐もあって、ロールケーキをミスなしで47分で作り上げて終わりました。1発合格は私ともう1人だけでした。試験の合格発表は次の日の朝に掲示板に名前が張り出されるのですが、見るまでドキドキして夜がまともに寝られないのを覚えています。

卒業制作展では私に勝ちたいという空気がありました。よく、
「ヒロさんは何を作るんですか?」
と聞かれていました。私はメインにシュガークラフトを作ることを伝えますが、あえてシュガークラフトに挑戦する人もいれば、避けてチョコ細工や飴細工をする人もいました。特にクラスメイトの中でずば抜けて技術があったのはサッちゃんでした。元お菓子屋で働いていた優秀な子でした。女子からの支持も高く期待の星でした。サッちゃんも私に勝ちたい思いで制作展に挑んでいました。制作展の当日はサッちゃんの作品を初めてみるのですかピカイチでした。
そして、順位発表で残りは1位と2位で、私かサッちゃんが有力で、対決になりました。女子のみんなはサッちゃんを応援しています。そして、緊張の中、2位の発表はサッちゃんの名前を呼ばれました。呼ばれた時には女子の落胆の声と悔しい声がたくさん聞こえました。サッちゃんは悔しい表情で2位の表彰を受けていました。
そして、サッちゃんは学校卒業後、お菓子じゃない世界で東京の飲食店に就職しました。それから3年経った頃、ある日突然にサッちゃんからラインが届いたのです。

「ヒロさんお久しぶりです。お菓子の販売始めました!」

という内容でした。私は思わずその場で「おぉっ!」と歓声をあげてしまいました。そして、何度か購入させていただいたのですが、彼女らしい味わいで東京で修行してるだけある立派なお菓子を販売していて大成功を収めていました。当時、彼女からインターネット販売を教えてもらった時、私は自分の仕事に躓いていて母から「自分のお店を持とう」とちょうど言われた頃でした。サッちゃんは社会人になってから私より遥か先まで成長したのです。学校時代は私が助言することもあったのですが、今では彼女を模範にして私が彼女のようにインターネット販売をしたいと思ってるところです。サッちゃんは持っているものがあって潜在能力があったのでしょう、すごい成長を遂げていました。1日でも早く彼女に追いつきたいと思うこの頃です。



あとがき

このnoteでは、スーさん、イーちゃん、サッちゃんという素晴らしい友情と夢への挑戦をテーマにした三つの物語をお届けしました。彼らの経験から、友情の大切さや困難に乗り越える力、そして夢への情熱の重要性を学びました。
人生は時に厳しい試練に立ち向かうことが求められますが、信じること、助け合うこと、そして夢に向かって勇敢に進むことで、どんな困難も乗り越えられることを知りました。

読んでいただいた皆さん、これらの物語があなたの心に響き、あなた自身の夢への挑戦を後押しできることを願っています。友情と夢が煌めく未来への一歩を踏み出しましょう。ありがとうございました!


Gutsヒロ


こちらのケーキは学生時代、初めてレシピから考えて作ったプティ・ガトー。
ケーキの名前は「ケニア」。ケニアのコーヒーに合うように作られています。
チョコレートのクルクルはケニアの夜空を流れる、流れ星を描きました。
味はチョコとケニアの珈琲豆のババロアとカシスのムースです。
クラスのチーム対抗戦でお菓子部門で優勝した作品です。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました!とても嬉しいです♪ これから更新して頑張って参りたいと思いますので今後とも宜しくお願い致します!