性感染症の検査は何を受けたら良いか

性感染症の検査って意外と種類が多く、普段あまり聞かないようなものや、名前を聞いたことくらいはあるけどよく知らないものもあって、正直何を受けたら良いか分からないという方が多いです。
そのため、どの検査をやれば良いですか?とよく聞かれます。
症状がある場合には、その症状に応じた検査を行う必要があるため、診察を受けましょう。今回は、全く症状がない場合にどういう検査を受けたら良いか、という話です。

結論を言うと、検査しておいた方が良いのは
・HIV
・梅毒
・B型肝炎
・クラミジア
・淋病

です。これに加えて、女性はトリコモナスの検査も受けることをお勧めしています(数は多くないですが、たまにあります)。トリコモナスは男性にも感染するんですが、正直男性はあまり検査で引っかからないんですよね(最近、より精度が高い検査を行う検査会社も出てきたので、そちらの検査であれば男性もトリコモナスを追加しても良いかもしれません)。

HIV、梅毒、B型肝炎は血液検査で調べます。ただし感染してから検査で陽性になるまでに日にちがかかるので、感染後しばらくは(本当は感染しているのに)検査結果は陰性、ということがあります。これは「偽陰性」と呼ばれます。
この「偽陰性」は、感染から3ヶ月くらい経つとほとんど無くなるとされています。というわけで、HIV、梅毒、B型肝炎については感染の機会から3ヶ月以上経ってから最終確認することをおすすめします。もちろん、3ヶ月経たない時点で検査を受けることもできますし、検査を受けたい場合はその時点で一度検査を受けても大丈夫です。その場合は、3ヶ月以上経ってから再検査するようにしてください。

ちなみにB型肝炎は、ワクチン(予防接種)があります。このワクチンは「皆が打っておいた方が良い」と考えられており、日本では2016年から赤ん坊の頃に打つようになりました。パートナーがB型肝炎に感染している、不特定多数と性行為を行なっている、など感染のリスクが高い方はワクチン接種をおすすめします。
B型肝炎に追加してC型肝炎を検査した方が良いかは、微妙なところです。C型肝炎は、性行為での感染リスクは低いとされています。ただし全くのゼロではないため絶対安全というわけでもありません。出血や怪我を伴うような性行為を行なった場合や、覚醒剤など注射で薬物を使用した場合には検査することをおすすめします。それ以外の場合は、心配であれば1回は検査しておいても良いかな、という感じです(頻繁に繰り返し検査する必要はないと思います)。

クラミジアと淋病は、性器だけでなく咽頭(のど)も検査しましょう。淋病は、特に男性の場合は「痛みと膿」のイメージが強いですが、全く症状が出ないこともあります。そのため症状が無いから大丈夫というわけではありません。
肛門や直腸に感染することもあるので、特にアナルセックスをする方は肛門の検査もしておいた方が良いのですが、肛門のクラミジア、淋菌検査を行っている病院は少ないのが現状です(都内には数箇所あります)。

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