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静なる狂気 第2話 親子関係

洋平は日々仕事に奔走していた
新規事業の立ち上げ、新会社の設立と
ナマ優しい仕事ではない

技術的な問題、コスト的な問題、生産性、サプライチェーンの確立、やるべき仕事は山ほどある、勿論、組織でやるのだが、立ち上げ時にはトップならではの苦労も多い

そんな苛酷な仕事をこなす洋平だったが
それでもその中を子供達の為には時間を作ってコミュニケーションを図っていた

TDLもUSJも行った、、、海水浴やスキーも行った、、、日頃は殆ど会えないが、計画的なイベントによって、洋平は濃厚な思い出を刷り込む事に成功していた

悩み事を聞いて欲しい時は、手紙を書いて書斎に置いてくれたので、その時は寝てるのを起こして、話を聞いた事もある

なので、子供達にとって、洋平は遠いお父さんではなかったのである

それは洋平なりの努力ではあるが、
それよりも洋平が、子供達を愛していたから、自然に出来た事なのだろう

長女の名は加奈子は5歳で保育園に通っている。
長男の名は翔真は3歳、お姉ちゃんの加奈子と一緒に保育園へ通っている

TDLやUSJはまだ幼い彼等には、乗れない乗り物も多かったが、お好みのキャラクターやパレードなど、しっかり一緒に楽しんだのが洋平との思い出になっている

長女の加奈子に洋平が聞いた事がある

洋平「加奈ちゃんは大きくなったら何になりたいのかな❓」

加奈子「うん、わたしね、お父さんのお嫁さんになるぅ」

そんな事を言われて慌てた事もある

偶に早く帰れた時は子供達と一緒に風呂に入った

5歳の加奈子は自分だけオチンチンが無いので

加奈子「なんで、わたしだけ、、、
それ、、、無いの❓、、、オチンチン」

洋平「アハハ、加奈ちゃんは女の子だから無いんだよ、でも違うのがちゃんと付いてるからね、大丈夫なんだよー」

加奈子「でも、わたしも、欲しい〜」

洋平「アハハ、困ったなぁコリャ」

とか

吉本新喜劇の例の"チーン"ってのを、
風呂や部屋でも洋平や翔真にやっていたので、洋平が抱きしめて、「女の子はあんまりやらない方が可愛いぞ、、、」と言ったらお風呂でしかやらなくなった
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そんなこんなで子供達と洋平は多忙な中でもしっかりとした親子関係を築けていたのである

そして加奈子は結構なファザコンである

翔真もお父さん大好きっ子

揺るぎない父子関係は洋平の溢れんばかりの愛情の賜物である

そんな中で勿論、妻の紗代子も一緒に居る、、、何処から見ても幸せな家族


そして約3年の月日が流れ、洋平の仕事は何とか軌道に乗りつつあった

新規事業は順調に技術開発から進み提携先との絡みも順調、新会社、新工場の設立も終え、洋平はそこの社長に就任する

しかし、そこはまだまだ始動したばかりの新会社、最初はそれほど収益が上がる訳もなく、しばらくは社長自らも奔走する日々が続く

洋平が乗る営業車はト○タのライトバン

荷台には仕事の資材がいつも満載

後部座席はほぼ直角で座るとお尻が痛い

どこから見ても優雅に社長だなんて言ってられる様子ではなかった

しかし、以前よりは早く帰れる様になってきたし、此処は一度区切りをつけて
今まで迷惑かけた謝罪も込めて、
その日はケーキと花束を買って早くに帰った

洋平「ただいまぁー」

加奈子「あー、お父さんお帰りぃ
今日、早いねー」

翔真「ホントだぁ、あーこれ、
ケーキ⁉️、わーいわーい、早く食べたい」

洋平「あー、食べると良いよ、ほら
お母さんに渡しといで、、、」

紗代子「あなた、お帰りなさい」

子供達は早速ケーキを食べていた

洋平「みんな、今までごめんなぁ、
仕事ばっかりで家の事全然出来んかったからなぁ、お母さんやお前たちにも迷惑かけてしまった、、、
やっと落ち着いてきたから、今日は区切りを付けようと思ってさ、、、」

加奈子「ふーん、よく分かんないけど
ケーキ美味しい💕」

翔真「うんうん、美味しい美味しい」

洋平「アハハハ」

紗代子「ご苦労様でした、、、
あなた、ごめんなさい、後からちょっとお話しがあります、、、」

洋平「あ、ああ、分かったよ、、、」

子供達は一緒に風呂に入って寝かせた

すると紗代子の話が始まる

紗代子「あ、あなた、ごめんなさい🙇‍♀️


紗代子は何を話し始めるのか❓




…つづく…

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