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命がかかっているから「やるしかない」を利用しないでよ

看護師には看護単位というものがあって、何人の患者さんに対して最低何人の看護師を配置しないといけないという決まりがある。

私の病棟は6:1(患者さん6人に対して最低1人の看護師が必要)と決められている。

でもこれって重症度は考慮されていなくて、例えば「呼吸器科」といっても、軽い喘息の患者さんくらいしかとっていない病院もあれば、人工呼吸器を使わないと呼吸ができないような患者さんばかりをとっている病院もある(喘息を軽くみているわけではないです、わかりやすく例として出しました)。
後者の方が命の危険も高いし、看護師の負担も大きいことは一目瞭然だろう。

私の病院はまさに後者で、かなり重症度は高いのにそれに対する看護師数が見合っていない。

昨日私の病棟に来た患者さんは、かなり危険が高くて多くのケアを要する。
ここに来た理由は、「お金」。
重症だが、加算(必要項目に当てはまれば、入院に対して病院が国からプラスのお金をとれる)の期間が切れたからという理由で私の病棟に押し出されてきた。

まず、安全とお金を天秤にかけて、お金が勝つことが許せない。
どう考えても、もっと人員を確保できる安全性が高いところで看るべきだ。
患者さんに何かあったらどうするんだ。
命をなんだと思っているんだ。
…もう怒りしか湧いてこない。


そしてもうひとつ、どうしても吐き出したいのが、看護師の私たちもひとりの人間で心身ともに限界があるんだよということ。

看護師だからさ、どうしたら患者さんがより安全に、よりいい時間を過ごせて、より良い関わりができるかって考えてしまう。
でも人員が足りないということは、それだけ一人が背負い込まないと日々の看護が成り立たないっていうことなんだよ。
気力も時間も体力も、全て限界まで注ぎ込まないとできないんだよ。
それが毎日のことなんだよ。

でもどんなに私たちが辛くても、命がかかっているから投げ出すわけにはいかなくて。
休憩に行けなかろうが、水分をとれなかろうが、トイレにさえ行けなかろうが、やるしかないんだ。

上はそれをわかっていても見て見ぬふりをしている。

ねえ、おかしいよね?

私たちも低血糖になるし、脱水にもなるし、トイレにも行かなきゃいけないよ?
ストレスも疲れも溜まるし、体調だっていつ崩すかわからないよ?
看護師だからって、超人じゃないからね?

私たちの責任感を利用しないで。
ちゃんと適切な判断と采配をして。

もっと大変な仕事をしている人もいることはわかっている。
その人たちから見たら、なんてことないだろと思うかもしれない。

でもやっぱり私は、この状況はおかしいと訴えたい。
看護師だって人間だ。



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