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小さな経済がもたらす大きな効果

大きな動きを作ろうとして、何から手をつけていいかわからなくなることがよくある。
大勢の人を巻き込めば、それだけ大きな動きになることは間違いないけれど、そうすると自分の手に負えなくなっていく。

小さな動きを大きくするには「仕組みづくり」が大切なのだということに気づけたのは、サイボウズの永岡さんとお話しする機会をいただけたからだ。(永岡さんとの出会いについては「自分が社員かと錯覚するくらいにサイボウズの方々に会いまくった話」をご覧ください)

彼女はサイボウズの社長室に勤めており、3年前に「地域クラウド交流会」を立ち上げた。前職で起業支援をなさっていて、その時の仲間たちから活動を続けて欲しいという要望があったようだ。

そこで、どのような仕組みが良いだろうと考えに考えた結果が現在の「地域クラウド交流会(ちいクラ)」である。3年前に思いついた仕組みから、ほとんど形を変えていないらしい。完成形を考えついたということになる。

まず、サイボウズが3ヶ月間の研修を提供し、その卒業生に「認定オーガナイザー」の資格を与える。
各オーガナイザーはそれぞれの地元で「地域クラウド交流会」を実施している。各地域の起業家がプレゼンを行い、参加者は良いと思った起業家に1票を入れる。これは参加費1,000円の内500円が票を投じた起業家に渡されることを意味している。
優勝者にはkintoneの利用権が与えられるが、優勝者が全ての賞金をもらう訳ではない。自分を応援してくれた方の応援分はそれぞれが受け取ることで、その想いを感じることができるという仕組みだ。
集まったお金は、次の投資資金にするには少ないけれど、その少額のお金に「頑張って」「応援してるよ」の想いを乗せている。
さらに、この交流会では食事は一切提供されない。交流会後に地元の飲食店で打ち上げを行うことで地元にもお金を落とすことが目的だ。

この交流会には地元の名士や金融機関、士業の方々、将来のお客さんが集まる。(その集め方も研修で学べるらしい)
見た目には小さな経済しか回っていないが、結果的に大きな経済が動いている。有望なアイディアには投資をしてもらえるし、専門家のアドバイスも受けることができる。

「地方創生」のイベントは、開催だけで終始してそのあとが続いていなかったり、イベント自体が地方の負担になっていたりする。
この「ちいクラ」は誰も無理することなく、想いを少しのお金に乗せて動かすことで”継続できる活動”にしているところが他と違う点だと思った。

8月にはついにアメリカ進出を果たし、サンフランシスコで「ちいクラ」イベントが行われている。(その様子はこちら
すでに活動は16都道府県46市町村に広がっており、日本制覇も遠くない。

すてっぴぃ@会議室「BARCELONA(バルセロナ)」でミーティング

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