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消えぬ悩みとタロット

実は前々からタロットカードに興味がありました。ああ、お前とうとう”そっち側”に行ったか、と思われるかもしれません。事件の容疑者が「俺はやっていない!」と主張したところで何の説得力もないのと同じように、僕が「自分はいたって正常だ!」と反論したって見苦しいだけだ。なので、どう思うかは各々自由にしてもらっていい。もとより正常でもないだろうし。

生活のなかで困難が訪れると、僕はつい頭であれこれと思考を巡らせるきらいがある。もっと感覚を大事にしたいのだけど、つい頭でっかちになる自分が嫌だった。世の中には人の数だけ、いやそれ以上に多くの悩みが存在する。同時に、ありとあらゆる解決方法、解決への糸口もある。

僕はこれまで色々な悩みと直面し、自分なりに調べたり人に相談するなどして、解決方法を模索してきた。けれど、結局外部に助けを求めたところで、自分の問題は解決できないと気づいた。なぜなら、悩みを作るのも解決するのも、他ならぬ自分自身なのだから。少なくとも、今の僕は外的要因による救済は「死」のみだと思っているので、あとは自分でどうにかするしかない。そのためには、自分と向き合い、自己肯定感を高め、自己治癒力を上げていくしかないでしょう。手っ取り早いのはマインドフルネスですかね。いわゆる瞑想です。しかし、瞑想によりマインドフルネスに達するのは、素人ではなかなか難しい。僕のような初心者には補助輪が必要だ。

そのとっかかりとして、僕は禅とタロットカードを考えていた。いずれ両方とも手を付ける予定ではいますが、まずはタロットから。タロットと似たものに、オラクルカードというものがあります。タロットはれっきとした占星術ですが、オラクルカードはもう少しカジュアル。その代わり、入門者にはとっつきやすいという利点がある。やり方は1つではなく、最もシンプルなものは精神を集中してカードを1枚選ぶだけだ。そのカードに込められたメッセージを自分なりに解釈し、未来に希望を見出す。自分としては特別スピリチュアルな方面に傾倒している自覚はなく、ただ自己肯定感を高める手段としてオラクルカードを使おうと考えている。タロットと違い、オラクルには否定的なイメージのカードがない。なので、1枚のカードに描かれたイラストと文字から感じ取ったものを自分の中で咀嚼し、自分と向き合う時間を作りたい。

現実世界には「具体的でわかりやすい意味のあるもの」が溢れている。けれど、悩みってそんな単純じゃないんだ。自分でもよくわからないモヤモヤ、言葉にできない不可解さが不快感を増幅させる、そんな抽象的なものなんだ。だったら、悩みに対するアプローチも抽象的・感覚的なものにすべきなんじゃないか。明確な答えが出なくたっていい。ただこの心の底に蟠る禍々しき靄を、少しばかり祓っちゃくれないか。

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