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ウイングアーク1st 中期経営方針。投資家観点のポイント

2022年1月13日にウイングアークが中期経営方針を発表しましたが、
その次の日、株価は▲14%。大幅下落しました。

中期経営方針のポイントを投資家の観点でまとめます。

① 事業のクラウド化を加速し、リカーリング収益の最大化を目指す

上記の通り、ウイングアークはこれまで、クラウドサービスを提供しながら事業を拡大して来ました。
今後もその方針を継続し、毎月安定的な収益が見込めるリカーリング収益の最大化を目指すみたいです。

② ①実現の為に今後3年間、毎年18億円の費用計上を見込む

将来のリカーリング収益を最大化させる為に、
今後3年間は、毎年18億円の投資を実施する予定です。
この費用はPLに直接計上されます。

ウイングアークの22年2月期の
①予想当期純利益  42.1億円
なので、
仮に23年2月期がゼロ成長だとすると、▲18億円で、
②予想当期純利益  24.1億円
になります。

②をウイングアークの2022年1月15日時点の時価総額、
586.4億円で割ると、
予想PER24.2倍になります。

①で割った場合、
予想PER13.9倍なので、
割高感が一気に高まります。

これが原因でウイングアークは昨日、株価が下がったのでしょう。
この割高感を解消する為には、
A クラウド化の加速による収益成長の実績を投資家に提示
B 株価が落ちてしまってPERが低下
が必要ですが、
投資家としてはもちろんAを期待したい所です。

③ 配当維持で株価対策

また、ウイングアーク自身も「株価が落ちる」
ということは見込んでいる様です。
株価対策として配当維持を発表し、
業績が下振れても、22年2月期の水準を下限するみたいです。
現在の配当利回りが2%程度なので、
ここから下落すると
・高配当株
・将来の収益成長が見込める
企業として投資家に認知され始めると思います。

④ プラットフォーム型のビジネスモデルは強固

ウイングアークが強化したいクラウド事業の「invoiceAgent」はプラットフォーム型のビジネスモデルを採用しています。
invoiceAgentで取引文書データをやり取りするには、取引する企業の双方がinvoiceAgentを使用する必要があります。
逆に言えば、世の中にinvoiceAgentを使っている企業が増えるほど、
企業間の取引文書データのやり取りが簡単になる。ということです。

この様なプラットフォーム型のビジネスモデルは、
フェイスブックや電話にも共通しており、
一度定着してしまえば長期で高い収益を維持できるので、
投資家としても注目度が高いです。

  • フェイスブック

    • フェイスブックを使っている人が多いから定着

  • 電話

    • 電話を使っている人が多いから廃止できない

⑤ 株価は落ちるだろうが、安値を拾って行きたい

上述の様な要素が絡み、
・今後2,3年は株価が落ちることが見込まれるが、

・リカーリング収益は損益分岐点を超えると高収益
・配当は業績下振れても維持
・プラットフォームビジネスは強固

という特性を踏まえると4,5年後には株価が回復する可能性が高い。

短期売買でなく、
長期のリターンを最大化することが目的の投資家は、
一度に持ち金、全部を投資するのではなく、
タイミングを分散して投資して行っても良いのではと考えました。


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