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永瀬隼介『属国の銃弾』を読んで

こんばんわ。今回は久々に一気読みした小説です。2日で読んだのですが、本当に楽しく、そしてあっという間に読み終わってしまい、本を読みながら、残りのページを数えて、もう読み終わってしまう、もっと読みたい、と思った小説です。

読んだきっかけ

タイトル、そして表表紙の絵に、天皇が描かれており、星条旗と日章旗から、読んでみようかなと思ったのでした。
ちなみに作者の永瀬さんの作品を読むのは初めてです。

内容

実在の人物をベースに書いた小説。田中角栄とは名前は出てこないが、明らかに田中角栄のことを書いた、そして田中角栄の秘書が主人公の小説。
終戦直後の混乱期、地位のある人々が軍用品などを横流ししたり、アメリカ占領下の、アメリカ兵の傍若無人さ。
焼け野原の日本の、生きていくための、大変な時代について。
田中角栄の錬金術や、闇社会とのつながり。
戦争が終わったとたんに、アメリカに尻尾をふるような多くの日本人のふるまい。

田中角栄が逮捕され、闘病、そして死。
主人公の秘書の死までの物語。

感想

終戦間際の混乱期や、田中角栄について、あまり詳しくは知らなかったので、小説を読みながら、結構勉強になった一冊。
終戦直後、我が物顔で歩く米兵に、あたりかまわずに犯罪を犯しても、取り締まることさえできない日本の警察。
女性は、強姦されても相手が米兵だとあきらめるしかない事実。そして日本政府は、終戦後アメリカ兵が上陸したら大和なでしこは、辱められる、といって、政府がうその広告をだして女性を集めて、女性をあてがうようなことまでする。
え、そんなことをしていたの?というような文章が続き、教科書では習わない、驚愕の事柄ばかり。
巻末には参考文献として、その時代の本が載っていたりしていたので、全部は本当ではないかもしれないが、ほとんど事実なのだろう、と思いながら読みました。
また、田中角栄についての記述もすさまじく、総裁選など、どこまでほんと、ほんとにこんなことがあったの、と感じました。

よく最近の政治家は小粒になった、などと言われますが、毒がおおくあっても、このくらい実行力があり、頼れる、そして国民のための政治家、総理がいたらなぁ、と思ってしまいました。

読んでよかったです。
田中角栄について、参考文献を参考に、今後ちょっと読んでみようかな、と思いました。






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