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ネコちゃんロボットが料理を運ぶ風景を見て、ふと思い出したこと

先日、家族でファミリーレストランへ行った。
店に入っても店員が出迎えることはなく、「お好きな席へどうぞ」の看板に従ってわたしたちは適当な席に座った。

タッチパネルで注文し、水も自分たちで取りに行く。店内に店員はほとんどおらず、ほどなくすると、ネコちゃんロボットが出来上がった料理を運んできた。

「おお~すげぇ~」
「かわいい〜!」
と、小学生の息子と娘は大興奮。
見ると店内には3台のネコちゃんロボットがいて(1台は待機中)、機械音と共に店内をせわしなく動き回っているのだ。

「こんな時代になったのか」
「もうアルバイトいらないねぇ」
と、ダンナと話す。
いや、もしかしたら、アルバイトが来ないから導入しているのかもしれない。
飲食店の人手不足はかなり深刻だって聞くし。

動いているネコちゃんロボットを娘が触ろうとすると、しっかりと軌道を変えてスイスイとよけて行った。ちゃんと障害物をよけるプログラムも組まれているらしい。(当たり前か)

お会計もセルフだし、もはや片付ける人と厨房にさえ人がいれば、お店は回るようになったのか。もうそれすら、何年か経てば変わってくるのかな。

最近はコールセンターを廃止して、お問い合わせはチャットのみ、みたいな企業も増えてきた。これにすんごく苦労して、
「人と話して、細かいニュアンスを伝えたいんですけど…」
と、途方に暮れたことがある。

機械は便利だし、お店も助かるし、長時間労働で疲れたりもしないし、働き方改革も気にしなくて良いし、良いこと尽くしだと思う。

でもちょっと、思い出すことがある。

通販でシャンプーを買ったときのことを。

ある日、気に入ったシャンプーが、ヘアケア商品とセットでお得キャンペーン中だったので、急いで購入した。すると次の日、そのメーカーから電話がかかってきたのだ。

「セット商品を10個購入されていますが、間違いではないですか……?」

間違っていた。
1を10と打ち間違っていることに気付かず、そのまま注文してしまったらしい。いくらお得でも、セット商品を10個も買うはずがない。わたしは転売ヤーではないのだ。

その旨を伝えると、心良く訂正してくれた。
これは本当にありがたいと思ったし、感謝を伝えまくったし、企業イメージも良くなったし、とにかくとてもとても印象に残る出来事となった。

これ、機械ではできないよね。

「これ、おかしいかも?」と気付いて、わざわざ電話して確認してくれるなんて、人じゃないとできない。
そもそも10個の注文をそのまま受けて、お金を貰ったほうがお得だし。
この企業が機械を導入して、注文処理も配送の手配もぜーんぶ機械がやるようになったら、わたしのような感謝をする人もいなくなってしまうわけだ。

こうして触れ合いとか、気遣いとか、温かい気持ちを感じる機会とかは減っていくのだな。
月並みだけど、なんでもかんでも機械に変わってしまうのはちょっとかなしい気がする。
(機会と機械がややこしい!)

わたしたちの世界にどんどん機械が進出してくると、今度は「人と触れ合える」的な商売が流行るのかな。昔は普通だったことが、今はお金を払わないと体験できない、みたいな。

子供たちがこれから生きていく世界に、そんなねじれ現象が起こらなければいいけど。
わたしもまだ生きるしね!

でも、娘はネコちゃんロボットにテンション上がってキャーキャー楽しんでいたので…、それはそれで、良いのかも。
人と機械のいいとこどりをした世界になれば良いなぁ〜と、思ったりする。

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