見出し画像

会社の採用で重要なことは「スキル」より「想い」のマッチング

こんにちは!株式会社STORY plus、広報です😊
弊社のメンバーに「なぜSTORY plusを選んだのか」を尋ねたところ「社長の想いに共感した」と答える方が多く、創業4年目の弊社には社長の魅力に惹かれて入社する方がほとんどです。そんな魅力的な畑の生態を解き明かすべく、彼がSTORY plusを創業し現在に至るまでのエピソードについて伺ってみました!
今回はご縁があってプロのライターさんに取材をお願いすることができました。読み応えのある記事になっていますので、ぜひご覧ください✨


株式会社STORY plusは、「想いを育み、未来を創る。」「想いをつなぎ、未来を創る。」というコンセプトのもと、エグゼクティブサーチ事業(経営幹部やビジネスリーダーの人材紹介・転職支援)を展開しています。今回は、代表取締役社長の畑圭一郎が、どのような「想い」でSTORY plusを創業したのか、これまでお客様にどう貢献してきたか、そしてこれからどのようなビジョンを持って事業を進めていこうとしているか、本音を語っていきます。


<プロフィール>

STORY plus代表取締役社長 畑圭一郎

1981 年に京都府で生まれ、2004 年に中京大学体育学部を卒業後、株式会社三越(現在の三越伊勢丹)に入社。多くの人が理想と現実の葛藤を抱えていることを認識し、2008 年に人材開発・組織開発のコンサルティング会社に転職。「顧客との信頼関係」「真の顧客視点」「本質的かつ丁寧なコンサルティン グ」をモットーにクライアントの組織課題解決に貢献し、難易度の高い大型案件を受けることに成功しトップの営業実績を残す。 また、経営幹部が集まる「自想の会」を立ち上げるなど、コミュニティ形成に取り組む。2013 年 9 月に経営者・幹部に特化した人材紹介企業に入社。事業本部⻑とし て幹部採用、転職支援、幹部教育などを担当。 クライアントからは「頭の中が整理できる」「親身に聞いてくれる」「一言一句から”想い”が伝わる」と 高い信頼を受ける。2020 年3月に株式会社 STORY plus を設立し代表取締役に就任。


「この人たちが笑顔になるには?」とずっと考えていた


——畑さんがSTORY plusを創業されてから約3年半が経ったわけですが、会社の原点は山手線にあるとお聞きしました。

そうなんです。当時、私は名古屋の百貨店に勤めていて、東京の店舗に転勤してきたところでした。ある日、山手線に乗っている人たちの表情を見て、「この人たち、ほんとうに幸せなのかな?」と違和感を抱きました。自分の職場を見ても、上司や先輩たちがまるで死んだ魚の目をして働いている。一方で、仕事が終わると、居酒屋で会社の悪口を威勢よく言ったりするわけです。そこに寂しさを感じていました。


——山手線の車内を見てそんなふうに考える人はあまりいないと思いますが、なにか理由があったのでしょうか?

私は幼いころから「人が笑顔になる」ことにとても関心がありました。子どものころはムードメーカーとしてふるまっていて、人が浮かない顔をしているのは避けたいと思っていました。就職先として百貨店を選んだのも、百貨店は非日常的な空間で、エントランスに一歩足を踏み入れれば心が踊る。そんなイメージを持っていたからです。


——その後、畑さんは百貨店からコンサル会社へ転職されますね。

百貨店の先輩と衝突してしまったのもありますが、外から百貨店業界をよくしたいという「想い」がありました。組織コンサルタントとして、様々な企業の組織改革や従業員の意識改革などをお手伝いしているうちに、組織作りにおけるトップの影響力に気づきました。企業組織においては一人の若手人材も重要ですが、社長や部長など、組織内で影響力を持つ人がどのような人材であるかが現実的には非常に重要であると感じました。


——リーダーが組織に与える影響とは、具体的にどんなことでしょうか?

実は私が転職したそのコンサル会社で、リーダーの重要性を痛感させられました。当時、社長の右腕として入社してきた方は営業力のある優秀な人でしたが、組織文化との親和性は低く、結果的に、メンバーの離脱が続きました。私は問題を解決しようと社長に直談判しましたが、私の力不足もあり、当時はその右腕の人の言い分が尊重され、結局、組織は半分近くのメンバーになってしまいました。私もその状況から逃れるように再び転職を決意しました。
(しかし、その後、社長自らが再度、組織作りを舵取りしたことで、組織は見事に再起しました。リーダー次第で組織が大きく変わる典型例ですね。)


——次に畑さんは、経営者・経営幹部に特化した人材紹介事業を行う会社へ転職されます。

組織開発や人材開発・教育といった領域であれば、自分がそれまで培ったマーケット観やビジネス観を活かせると考えました。自分は経営者ではありませんでしたが、事業本部長として経営者に近い立場で仕事をするなかで、「リーダーとはこういうものだ」と理解が深まりました。

——しかし、畑さんはその会社に骨を埋めるのではなく、独立してSTORY plusを立ち上げるという選択をしました。どのような心境の変化があったのでしょうか?

もともと「いつかは自分で会社をつくりたい」と漠然と思っていたのですが、なかなか踏み出せませんでした。きっかけとなったのは、ある社長と飲んだときの会話です。「いつか起業したいんです」と話すと、社長は「だったら明日やればいい」とアドバイスをくれました。当時、私には3人の子どもがいて、もう少しお金が貯まってから、などと考えていました。そう答えるとすかさず「なんでお金が貯まってからじゃないとダメなの?」。私がいろいろ口にするたび社長は「なんで?」と切り返しました。そして最後に、「ようはそれはあなたのプライドでしょ?」「死ななければいいんじゃないの?」とズバッと言われました。自分はあまりプライドが高いほうだとは思っていませんでしたが、その言葉を言われた時に、たしかに尻込みしているのは自分の中に潜んでいるプライドのせいだと思い、その時に起業を決意し、翌日には「1年後に起業します!」と宣言していました。(笑)

——その社長とお酒を酌み交わしていなければ、STORY plusは生まれていなかったかもしれませんね。

社長はそれまで5社ほど会社を潰していて、「思い立ったが吉日」を地でいく人でしたが(笑)、そのときに私の背中を押してくれたのはまちがいありません。


「想い」を聞けば真の課題が見えてくる


——「1年後に起業します」と宣言してから1年後の2020年3月、畑さんはエグゼクティブサーチ事業を中心に据えたSTORY plusを始動させます。このエグゼクティブサーチは、「人が笑顔になる」ことにもつながるのでしょうか?

「人が笑顔になる」ということは本質的には「幸せである」とも言い換えることができます。今の流行り言葉で言うと、「Well being」な状態です。私はWell beingな状態には「5つの因子」があると考えています。1つめは、幸せになるためのモノの見方ができること。2つめは、子どものころのように夢や「想い」を持ち続けること。3つめは、「想い」をカタチにする能力と仲間を持つこと。4つめは、苦しいときに心を癒やせる場(空間)があること。5つめは、幸せになるための環境(健康やお金、自分に適した職場)が整っていることです。エグゼクティブサーチ事業は、5つめの「その人が幸せになるための職場を提供すること」に貢献すると考えています。


——エグゼクティブサーチでは、「Skill matchingではなくWill matching」というコンセプトを掲げています。これはどういう意味なのでしょう?

企業の規模やフェーズによって、経営リソースに対する考え方や物事の進め方、意思決定プロセスが異なるため、その会社に合ったリーダー像は百様です。大手企業で優秀なリーダーでも、中小企業やベンチャー企業では適応できずに結果的に短期で離職されるケースがあります。でも、企業側の人材要件をお聞きすると往々にして「大手の優秀な人材」に傾倒しがちです。個人に人格があるのと同様に会社にも法人格と呼ばれる “人格”が存在します。人格は「想い」と言い換えてもいいでしょう。個人と会社でお互いの「想い」が相容れない場合、なかなかうまくいきません。


——つまり、「大手で優秀」という「Skill(スキル)」ではなく、「Will(想い)」を見てマッチングさせることが重要だ、と。しかし、「スキル」は履歴書や職務経歴書などを見ればわかりますが、「想い」は目に見えないものだけに、マッチングさせるのは難しそうですね。

そのとおりです。そこでSTORY plusでは、「個人や企業が本質的に何を重視しているのかを見立てる」ことを大切にしています。どういうことかというと、ビジネスになるかどうかは二の次にして、まずは目の前の人・企業をフラットに見るというスタンスでお客様と向き合うんです。そのためには、相手との表面的なやりとりではなく、深いところまで踏み込んだコミュニケーションが必要です。アドバイスをするのではなく、素朴に思ったことを徹底的に質問し、相手の話を聞たり、相手に考えてもらうという感じですね。そうしているうちに、「本質がなにか」が見えてきます。


——「本質」という言葉が出ましたが、たとえばどういうことでしょう?

これはある地方のメーカーの話です。「これから製造業を強化していきたいので、品質管理の責任者を紹介してほしい」と依頼されました。しかし、社長の「想い」や経営体制について聞いていると、品質管理の責任者が必要なのではなく社長を支える右腕のような人材が必要だと見えてきたのです。そこで、品質管理のできる人と、社長を支援できる人の2人を提案しました。社長は、後者のほうが自分の求めている人物だったことに気づき、その方を役員としてお迎えされました。結果的に、その人を役員に迎えた後、同社のモノづくり、組織作りが円滑に進むようになり業績改善に繋がりました。今でもその社長からは感謝をされます。


——なるほど。「想い」を聞いているうち「本質」が見えたわけですね。

30代の若手経営者のベンチャー企業では、コロナ禍で苦境に立たされた事業を立て直すために、「自分と同じくらいの若い経営幹部を探してほしい」と頼まれました。しかし、社長とコミュニケーションを重ねるうちに、「今の苦境と今の同社のフェーズで、社長とともに事業を立て直せるような知見と胆力を持つ30代はそうはいないな」と思いました。そこで、50代半ばの起業経験があり事業を数十億円まで拡大させながらも、いろいろなことがあり会社を倒産させてしまったふつうのサラリーマンとは異なる経歴を持つ人材を紹介しました。当初、社長は依頼と全く異なる人材の紹介に戸惑っておられましたが、実際にお会いいただいた直後、すぐに電話をいただきまして、「ぜひこの方と一緒に立て直しをしたい」と採用されました。その方は今でも同社の新規事業責任者として活躍しています。

——そんなふうに「スキル」より「想い」を重視すると、マッチングの精度も高くなりそうですね。

そうなんです。そのベンチャー企業のケースでは、こちらが提案したのは1人だけですが、その1人が採用されているわけです。私はこれを「1分の1の世界観」と呼んでいます。


——大手の人材紹介会社は「100人紹介し、その中から1人を採用してもらう」という方法をとっていますが、STORY plusは「その会社に本当にフィットする人を1人紹介する」わけですね。

もちろん、常に1人しか紹介しないわけではありません。

お客様によっては複数の候補者を挙げたり、エグゼクティブではないミドルマネジャークラスの人材を提案したりすることもあります。いずれのケースでも、コミュニケーションを十分に重ねた上でクライアントの経営者の視点で課題解決を考えているので、最良の答えを出せるわけです。「なんでこんなぴったりの人を見つけられたの!?」と驚かれることもよくあります(笑)。


ふつうのおじさんがすごい会社をつくる


——STORY plusの主軸となる事業はエグゼクティブサーチですが、畑さんはそのほかにも野望を抱いているとお聞きしています(笑)。

先ほど挙げた「幸せになるための5つの因子」のうち、「幸せになるためのモノの見方ができること」にもっと貢献したいと考えています。つまり、教育ですね。

三つ子の魂百までと言われるように、子どものころにどのようなものの見方をし、どのようなものの捉え方をすることが自分にとって幸せなのかを身に着けてほしいと思っています。そのために、「ベースボール・ヒューマンアカデミー」という事業を準備しています。具体的には、野球チームをつくり、野球を通じてこれからの時代を幸せに生きていくための力を育むのです。


——畑さんは、かつて野球少年でしたね。

はい。野球を通じて学んだことがたくさんあるので、それを子どもたちにも伝えていきたいと思っています。もうひとつ高齢者を対象とする「らくちんリズム運動」事業も立ち上げています。高齢者になると、社会とのつながりが希薄になり、笑顔になる機会も少なくなってしまいます。そこで、同じような年代の人が集まり、歌謡曲やソウルミュージックを聞きながら簡単な運動を楽しく行うことで青春時代を思い出してもらうんです。


——それは「幸せになるための5つの因子」でいえば、「子どものころのような夢や「想い」を大人になっても持ち続けること」につながるかもしれませんね。

ビジネスとして成立させることも大切ですが、どちらも「社会の人たちが笑顔になってほしい」という私の日頃の「想い」が原動力になっています。


——畑さんは、さまざまな企業にエグゼクティブ人材を紹介するかたわら、ご自身もSTORY plusのトップとして活躍されています。どのような方針で組織づくりに取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

「社会共創型カンパニー」を掲げています。これからの時代は、権威や権力ではなく、思想・価値観への「共感、共鳴」で世の中が動くと考えています。一人の絶対的なスーパースターの存在以上に、共通の思想や価値観で繋がった人たちと集うことが重要であり、その結集したエネルギーが一つにまとまることで、社会に対して良い影響を与えることができると信じています。また、幸いにも私自身はすごく優秀なリーダーというわけではありません。(笑)

お手本にしているのが、『ドラゴンボール』という作品です。主人公の孫悟空は最初は弱い存在でしたが、修行や戦いを重ねるうちに強くなっていきました。孫悟空は「元気玉」という必殺技を使いますよね。人や動植物から少しずつ“元気”を分けてもらって強大なエネルギーをつくり出し、強敵に立ち向かっていく。私も孫悟空を見習って、いろいろな人から少しずつ力を分けてもらいながら、事業を発展させていきたいと思っています。「ふつうのおじさんがすごい会社をつくる」のが私の目標です(笑)。


——「すごい会社をつくる」ために、心がけていることはなんでしょう?

「川の流れのように生きる」ことと「自分を律し続ける」ことを追求しています。たとえば、自分の会社のメンバーであっても無理にコントロールはしません。メンバーの「あるがままの姿」を受け入れようと努めています。あくまで「そこにあるもの」を楽しむ。また、私を信じてついてきてくれているメンバーを裏切るような人間であってはいけないので、自分自身が自分の弱さに負けないように自分を律し続けることをとても意識しています。そうすることで、売上などの結果は後からついてくると考えています。


——『ドラゴンボール』の「元気玉」は、メンバーの「想い」を集めたもの、といえるかもしれません。

そうですね。リーダーの「想い」に共感する人が仲間になってくれることは組織にとって重要です。STORY plusを創業したときに私がやったのは、自分の「想い」をあちこちに発信することでした。そうしたら、1週間後「一緒にやりたい」という人が現れた。「まだ始めたばかりでなにもありませんよ」と言ったのですが、「それでもいいから」とメンバーに加わってくれました。しばらくすると、アルバイトの募集広告に書いた私の「想い」に共感して「働きたいです」という人が訪ねてきました。けっして「スキル」が高い人ではなかったのですが、“川の流れ”に身を委ねるように、その人を雇用し、「コミュニケーション・デザイナー」という肩書きで採用を任せてみました。その結果、自分以上に優秀な人を採用することができ、さらにその人が別の優秀な人を連れてくる、という好循環が生まれました。(笑)


——自社の組織づくりにおいても、「スキル」ではなく「想い」をマッチングさせることで、会社がうまくいっているわけですね。「Will matching」の効果をみずから証明しているような気がします。

「ふつうのおじさんがすごい会社をつくる」というのは、「これからの会社のありかた、未来の組織づくりの見本を自ら示す」ことでもあるんです。「すごいリーダーでなくても、すごい会社をつくれる」。STORY plusはまだ小さな会社ですが、さらにビジネスを発展させて、そのことを実証することで、多くのビジネスリーダーに少しでも希望を感じていただけるきっかけを創ることができればと思っています。


——今回は、じつに興味深いお話をありがとうございました。


構成・文:米田政行(Gyahun工房)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?