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あらゆる知識を知肉とするには

佐々木俊尚さんのvoicyやtwitterが面白い。

飾らない人柄で、日々の気付きの核心を比喩を用いてうまく表現されていると感じることが多い。
そんな佐々木俊尚さんの著書「現代病「集中できない」を知力に変える 読む力」を読んだ。本書では、知識や視点を「知肉」に変えるための手法、読みかたのスキルについて惜しみなく紹介されている。また、少し脱線した話として紹介されるコラムが実に興味深かった。

・「飽きる直前」にアラームを鳴らす大切さ

これは人生も同じである。病魔に襲われて人生の先が見えてしまうことは大変な不幸であるけれども、だからこそ「生きたい」「生きているうちにこれだけはやっておきたい」というエネルギーが爆発する。(中略)
「ああ、退屈だ。この退屈な時間がこれからも続くんだろうなあ」という未来への倦怠感は、人を後ろ向きにしてしまうのだ。
だから、仕事に飽きてはならない。飽きる直前に、天からアラームが鳴って幸福がいったん止められたら、その人はまた幸福に向かって前進していくことができるだろう。だから日々の仕事のタスクでも、「飽きる直前」にアラームを鳴り響かせるのだ。

最近はアラームが鳴りっぱなしになっている。それって幸せなことなのかもしれない。もしかすると今の激務を後から思い返すと「それはそれでよかった」ものになるのかもしれない。と思い込んでみたいと思う。

・セレンディピティにあふれた本屋さん

「セレンディピティ」というのは、求めているものとは違うけれど幸運を得てしまう「偶然力」みたいな意味の言葉らしい。自分と相性のいい本屋さんにいると自然と知識の幅が広がるということはよくある。

わたしは東京に住んでいるので東京の本屋さんの例になってしまうが、大手書店だったら渋谷の「青山ブックセンター本店」、池袋の「ジュンク堂書店池袋本店」。神田神保町の「三省堂書店神保町本店」も忘れてはいけない。小さな書店はさらに魅力的なお店が多い。西荻窪の「旅の本屋のまど」は、旅行についてのさまざまな本が置いてあり、見ていて飽きない。『暮しの手帖』編集長だった松浦弥太郎氏が手がけている中目黒の「COWBOOKS(カウブックス)」や、ビールも飲める下北沢の「本屋B&B」、神楽坂の「かもめブックス」、奥渋谷の「SPBS(SHIBUYAPUBLISHING&BOOKSELLERS)」……。挙げていくときりがない。

具体的におすすめの本屋さんが紹介されているのが、たまらない。本屋さん巡りしてみようかな。

・知識を統合する

バラバラでは「雑学」や「ウンチク」でしかない知識を、統合することによって自分の「知肉」とし、自分の脳の中身すべてを最適化していこうとするのと、同じ考え方なのである。仕事も暮らしも自分の人生として全体最適化し、あらゆる知識も自分の知肉として全体最適化する。そういう統合こそが、いままさにわたしたちがやるべきことではないだろうか。

知識を統合することが学びの本質であると本書の終わりに書かれている。確かにそのとおりだ。より良いアウトプットというのは、適切な引用とともに良質な知識が統合されているものである。
普段から知識を統合することを意識して本を読むようにしたい。


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