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中学受験で摂食障害一歩手前まで行った話

2月といえば中学受験のシーズンですね。

この記事を読まれている方には、お子さんが中学受験でがんばっているご家庭もあるのではないでしょうか。

わたしは過去に中学受験をして過敏性腸症候群になりました。

小学校5・6年生で体重10kg減、身長10cm増となり、やせることに快感をおぼえ、摂食障害一歩手前まで行きました。

たまたま実家にあったダイエットの本がとてもいい内容で、それをバイブルとしていたので、激やせしたわりには健康的にやせた方だと思います。

しかし危ない橋を渡りかけたのは事実なので、経験をシェアしておきます。


太っていた過去

わたしは小さいころからずっと太っていました。

食べることが大好きで、他のひとが頼んだ天ぷらそばの天ぷらを横取りするような女の子でした。しかも神田の藪そばでw

当然太るわけで、しかも身長も高かったのでデカい女の子でした。

小学校に入ってからは男子からデブとからかわれ、中学受験の塾ではゴールドポッチャリンコと呼ばれていました。名前に金の字があって、ぽっちゃりしてて、自転車で塾に通っていたからです。

そりゃもうショックですよね。

「そんな風に言うのやめてよ!」なんて言ったら言い方をものまねされてさらにからかわれる。

しかし小学生でやせるというのはなかなか難しいことで、ひたすらからかわれながら過ごしていました。

食べると下痢するようになった

小学5年生のとき、通っていた公立の小学校が大荒れになりました。

思春期の入り口。気の強い男子が一強。

担任の先生はうつ病になってやめ、わたしも勉強ができることをからかわれ、授業中にいっさい手を挙げなくなりました。

そして中学受験まで1年となり、塾の勉強も大変になりました。

寒い季節でした。

ご飯を食べるとお腹が痛くなって、下痢を起こすようになりました。

一口でも食べるとダメなので、ほとんどご飯を食べられなくなりました。

下痢以外は特に症状もなく、病院に行くこともなく過ごしました。

うちは父が内科医なので、これは病院に行っても仕方がないと考え、様子をみていたそうです。

自分も医師になったいまでは父の対応は正しかったと思うし、あれは過敏性腸症候群だったのだろうと思っています。

やせることに快感を覚える

結果的に体重が減っていき、それに快感を覚えるようになりました。

毎日2回、体重をはかっていました。

下痢が出てつらかったはずなのですが、むしろ体重が減っていくことにうれしさを感じていました。

下痢するのがこわい、体重が減ってうれしいという思いから、わたしはどんどんご飯を食べなくなりました。

実家には本がたくさんあるので、ダイエット関係の本を何冊も読みあさっていました。

そこで見つけた一冊の本。

それがとてもいい内容で、わたしのバイブルとなりました。
(わりと古い本で、タイトルも忘れました)

内容は、
・女性は生理周期に合わせてダイエットをしよう
・生理前や生理中はプロゲストロンが多くやせにくいので、体重を気にせずゆっくり過ごそう
・生理が終わったらエストロゲンがふえて活発な時期になるので、積極的にダイエットしよう
・タンパク質や良質な油も大事
・バランスのいい食事をして運動もしよう
・ダンベルを使った筋トレ方法も掲載

ね、いま読んでもいい内容でしょ?

実家にダンベルもあったので、毎日ダンベル上げ下げしてましたよ。

結果的に成長期の小学5・6年生で体重が10キロ減り、身長が10cmのびました。

いま思えばダイエットなんかにハマらず、ふつうに健康的な生活をして、1問でも多く問題を解けばよかったんです。

でも、また太るのではないかという不安と恐怖、やせていく快感で勉強は二の次になっていました。

中学受験を終えて

中学受験を終えて、わたしはお菓子を食べられるようになりました。

進学先も決まった、6年生の春休み。

実家の電子レンジのうえにキャラメルコーンが置いてありました。

なぜかそれを食べたいと思い、おそるおそる一口食べました。

それがすごく美味しかったんですよね。

その後はわりとたくさん食べられるようになり、部活で運動もして健康的なスタイルを維持できるようになりました。

いまでは一児の母となり、運動や食事はまったく気をつかっていませんが・・

それでも毎朝服を脱いで、寒いなか体重測定をするくらいには体重を気にしています。

デブと言われつづけた経験はわたしのなかでいまでもトラウマみたいです。

まとめ

あのとき実家の本棚でみつけたのが当時流行っていた朝バナナダイエットの本だったら・・

わたしはそれを信じ込んでヒョロヒョロガリガリになり、中学受験もできない身体になっていたでしょう。

いま、GLP1ダイエットが流行っていますよね。

ダイエットに手を伸ばすひとは、体型が不安で、まともな思考ができなくなっていることもあります。

糖尿病や肥満が専門でない医師が、知識もないままにオンラインでGLP1受容体作動薬を保険外処方をするのはまずいと思っています。

どんなに体調が悪化しても、もうこれ以上やせなくてよくても、不安でくすりをやめられないですよ。

わたしは医師になり、内科に進みました。また、法人をつくって商売もしています。

医師の立場を利用して、ひとの不安につけこむ宗教のような商売もできるけれど、

近江商人の「三方よし」、売り手よし、買い手よし、世間よしを守って生きていきたいと思うのでした。

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血液内科専攻医
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