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大好きな銭湯で遭遇した非常にやるせないことについて

※写真と記事内容に関連はありません。

前回の雑記にて、私が東京に越してから銭湯を好んでよく行っていることを書いたが、これは1人ではなく、家族4人もしくは双子の子供3人と行くことが多かった。
妻は私ほどは銭湯が好きではなく、化粧や美容品装備の問題もあるので、あまり同行することはなく、ほとんどは子供達と3人で行っていた。

私の子供はミックスツインズで現在5歳3ヶ月になる。息子はやんちゃ盛りでもっぱら外遊び、娘はままごとやお絵描き等を好むようになってきて、遊び方に違いが出るようになってきた。だが、二人とも家にいればひたすらテレビ(ネトフリのアニメや特撮もの)ばかり見るので、私が休みの時はなるべく外に連れ出すようにしている。ちなみに、自転車で行ける範囲内における公園はほとんど制覇した。(大田区には広くていい公園が多い)

そんなこんなで、公園等に行って外遊びをしてから、帰りに銭湯に入ってさっぱりして帰るというのが我ら3人の定番コースとなっていた。完全に親の影響により、子供達もある程度銭湯好きになってきていた(おそらく出た後のジュースがメインだろうが)気がする。

ただ、子供達が幼稚園年中になった頃から、妻が娘の方を心配するようになった。
「東京にはいろんな人がいるんだから、そろそろ○○(娘の名前)を男湯に連れて行くのはやめた方がいいんじゃない?」
私はそれを言われるまで、全くそんなことを意識したことがなかった。2年近く男湯に連れて入っているが、今まで違和感や危険を感じたことはなく、小学校まではまあ問題ないだろうと考えていた。
今思い返すと、いかに想像力の欠如した自分本位の考え方だったのかと自己嫌悪にかられる。

先日、妻が風邪でダウンしたので、同じように子供を外に連れ出すことにした。最近、息子が友達影響で電車にハマっているのもあり、電車にて東京駅付近に移動し、通行電車を見物~ゆりかもめ最前席に乗車し、レインボーブリッジを通行~銭湯~夕食~帰宅というコースにすることにした。
一通り電車を満喫したので、少し遠出して台東区にあるお気に入りの銭湯に行くことにした。そこは今まで行った中でベスト3に入る素晴らしい銭湯で、家からは遠いが既に4回程度行っている。だが、そこでこの上なく嫌な経験をすることになる。

いつものように双子を連れて浴室に入り、子供と自分の体を洗っていると、どうも遠くから視線を感じる。ふと見ると、離れた浴室にいる男性がじっとこちらを見ている、気がした。
というのは、湯気で視界が悪いのでよくわからなかったのと、こちらではなく違うものを見てる or ただぼーっとしている可能性もあると都合のいい方に考えたからだ。
だが、そのアホな考えは簡単に打ち砕かれた。

体を洗い、浴槽に入ろうと歩いていると、やはりその男性はこちらを目で追ってくる。そして、少し離れた浴槽(この銭湯は広いので浴槽が5種類以上ある)に入ったのだが、その男性も後をつけて入ってくる。かといって近づいてくるわけではなく、少し離れた場所に座りやはり、こちらをじっと見てくる。
男性は30代くらいの茶髪でどこにでもいそうな、しいて言えばアキバにいそうな類の人物だった。
「う~ん、これは明らかにおかしい…。もう出た方がいいな。」

さすがに、アホな私でも危険を感じ「もう出よう!」と言ったところ、子供は「まだ入ったばかりなのになんで出るの!まだ温まってない!」と文句を言い出したので、「わかった。もう1つだけ入ったらすぐ出るよ」と言い、離れた違う浴槽に移動した。
しばらくすると、やはりその男もあとから付いてきて離れた場所に座った。そして視線はもちろんこっちに向けられている。もうホラーだ。
「…はい、もう確定!!」

私は不平を言う子供達の手を引き、すぐに浴室を出た。大急ぎで子供の体を拭きながら、あり得るかもしれないと感じていた私の不安は的中した。
ふと横を見ると、その男も浴室から出てこっちにいるではないか!!
「もう勘弁してくれ!」

MAX速度で2人の体を拭き、服を着て、髪も乾かさず風呂場の外に出た。
外までついてこられたらさすがにヤバいと思ったので、すぐには施設外に出ず、休憩スペースで様子を見ていたが、さすがにここまではついてこなかった。

子供達は椅子に座りジュースを飲みながら尋ねてくる。
「いつも長い(ちなみに大体1時間は入っている)のに、なんで今日はこんな早く出たのー?」

そのいつもと変わらない無邪気な顔を見ていると、とても申し訳ない気持ちと、やるせない想いと、自責の念で胸が押しつぶされそうになった。
自分の愛する銭湯でこんなことになるとは想像だにしていなかった。

「うーん。ごめんなー。パパ今日ちょっと疲れたみたいで、気持ち悪い変な気分になってしまったのよー。」
「へー。そうなんだー。大丈夫なのパパ?」

あの男に一言言えばよかったのだろうか。もしくは店員に言えばよかったのか。だが、向こうは見ているだけで、とくにこちらは危害は加えられていない。何もしていないし見てもいないと言われれば、それまでだろう。

やはりもう連れていくべきではないのだ。
5歳ともなると、髪も伸びて女の子らしくなってくるので、そうゆう輩の興味をひいてしまうということだ。
妻に言われた通りだった。
それに気づくことができなかったのは、本当に情けないとしか言うべき言葉が見つからない。

それから子供を銭湯に連れて行くときは、必ず妻も一緒に来れる時だけにしている。

つーことで、娘と銭湯卒業なう!!\(ToT)/

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