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脳卒中患者に対する自主トレーニングのエビデンスと臨床応用 #2【システマティックレビュー編2020年版】

この記事では脳卒中患者さんに対するホームエクササイズについて概要を掴んでいただくことを目的に、2本のシステマティックレビューの情報をまとめました。

ホームエクササイズは何を改善させるのか?上肢機能を改善させるためにはどのようなホームエクササイズを指導すべきなのか?現状のシステマティックレビューから言える、著者の結論を出しています。

それでは、早速確認していきましょう。

脳卒中患者に対するホームエクササイズのシステマティックレビュー①

Vloothuis JDら(2016)は、脳卒中患者に対し介護者が対象者へ行う "介護者介在運動 (Caregiver Mediated Exercise: CME)" が日常生活動作(Activity of Daily Living: ADL)や手段的日常生活動作(Instrumental Activities of Daily Living: IADL)、介護負担感、その他運動パフォーマンスなどに与える影響を調べました。

介護者介在運動とは、その名の通り介護者が患者さんに行う運動です。セラピストから介護者へ教育を行い、介護者が自宅や病室で患者さんに運動を行わせます。

このシステマティックレビューでは9件の研究が取り込まれ、本記事で取り扱うアウトカムにおけるメタ解析に取り込まれたのは5件の研究でした。

5件の研究の特徴は下記の通りです。

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