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レビュー Wake up/Hilary Erhard Duff

 "ねぇ、起きて、土曜の夜は華やかに遊びに行こう。人の噂でついたレッテルなんて関係のないとこへ。"


 なんとも明るく、しかし少し陰のある歌詞に、80年代のダンスポップにもテクノソングを融合したかのようなメロディを身に纏うHilary Erhard DuffのWake Up。


 女優が主な生業としているヒラリー・ダフだからこそなのか、それともマスメディアに日常生活を彩る恋愛遍歴など、多くのゴシップが取り沙汰されている彼女だからなのだろうか。日々の生活とは別の世界へ、なんのレッテルもない自由でいつもとは違う人達や友達と楽しめるところへと赴きたい。いつもとは違う非日常、自分を変えたい、1日ぐらい変身したいという曲になっている。


 とは言え、我々一般人からすれば、マスメディアに追われたりや、もちろん常日頃、人に見られる職業でない。
身近となると、例えば、人生を経験していると、一度や二度とならず、ショッキングな出来事があり落ち込む時がやってくる。悔しい気持ちを糧に、即、感情チックにやり返すのもありなのだろう。しかしそんなのをしたところで事態は規模が計り知れないほどに膨らんでいき、下手したら違うところからとんでもない内容がやってくる。そんなのに巻き込まれたくない、逃げ出したいのもありだろう。なんせ時は常に待ち構えているのだから。みたいなものかもしれない。


 そんな歌詞みたいな感情や現象はネガティヴにさせてしまうのに、そうさせないのがメロディだ。
 DJが佇むパーティ感漂う華やかなダンス調に、ヒラリー・ダフの声域であるC♯4~C♯5のちょうど1オクターブに合わせている。女性らしい少し高音めいた歌声が映えている。


 リップやファンデーションなどの魔法アイテムをかけ、そして友達と集まってお祭り騒ぎをしたって、もしかしたら一夜限りの燃える恋だって、土曜の夜だけは全てが許されるそういうトコロへ飛び込もう。


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