見出し画像

映画用フィルムの思い出④

私が映画を撮る時に自分なりに決めていたことがあります。
それは、レンズの標準焦点距離を設定することです。最初の作品は25㎜(35㎜換算で50㎜)、卒業制作ではセットは16㎜(35㎜換算で32㎜)、オープン(外ロケのことです)は25㎜にしていました。

なので、ズームレンズより単焦点レンズを好んで使っていました。学校から借りるキャメラにはズームレンズが基本的に付いていたので、結構変わり者だったと思います。

なぜか?それは、遠近感が変わるのことに違和感があったからです。特に2人の登場人物をナメて撮る切り返しのショットで焦点距離が変わると、変な違和感が生まれます。
また、標準の焦点距離を設定することで、望遠や広角で撮ったショットの意図が伝わりやすくもなります。
今はどうだか分かりませんが、私が映像を学び始めた頃は、大学の講義もですが、映像系のノウハウ本で「まずはレンズ1本で撮ってみよう!」なんて紹介されていたものです。

撮影設計ってなんでしょう?今はジンバルやミニジブなど撮影補助機材が多くなってますが、私が学生だった頃は、せいぜいドリーを準備できた程度でした。でも、1回そういった撮影補助機材を無くして撮影してみると、自分の撮影設計を客観視出来るように思います。果たして自分の撮影設計が監督の演出を増幅させるものになっているのか…。私はシネマトグラファーは監督の増幅装置だと思っています。
なので、色々なものを削ぎ落とした状態から撮影設計をすると、面白いのではないかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?