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004 脇が開いて、着やすいシャツ

Kさんが「サンプルにしてくれたら嬉しい」と着やすくリフォームされたシャツとブラウスを送ってくださいました。

■腕が痛くて着られない

 濃茶のシャツは、コーデュロイ(コール天)生地でできています。シャツ生地のなかでも滑りにくくて硬めな素材ということもあり、袖に腕を通そうとすると痛くて、着づらかったそうです。
 当時、そのブランドにお直しの相談をしてみたら「こういうデザインなので、リフォームはできません」と断られてしまったそうです。

■相談先を持つこと

 そこで、Kさんは、障がい者の衣服を専門にしている方に相談をして、リフォームを引き受けてくださる方を紹介してもらったそうです。こういうとき、相談先を持っていたり知っていたりすると、諦めずに前に進む元気がでてきますよね。誰かが「できません」って言っても、別の誰かは「できますよ」って道を示してくれるかもしれないのですから。

■ファスナー開きをつける

 このシャツには脇にスリットがありますので、そこから袖下にかけて、開きをつくりました。腕が通しやすくなり、脱いだり着たりするのが楽になりました。
 どちらの側に(もしくは両方に)開きを作るかは、ご本人の状態に合わせます。Kさんはシャツの左脇に開きを作ります。

ファスナーを閉じた状態
ファスナーを開いた状態


 同じブランドのもう一枚のブラウスは、スリットがありませんので、コンシールファスナーの長さが届く範囲で、袖下から脇に開きを作りました。裾が閉じたままでも、この開きがあることで手が通しやすくなります。

ファスナーを閉じた状態
ファスナーを開いた状態

 コンシールファスナーは conceal=隠すという名のとおり、ファスナーが縫い目に隠れます。そとに見えるのはファスナーの引き手だけです。ですから、もとの縫い目を生かして取り付ければ、デザインの邪魔になりませんし、シャツやブラウスのシルエットにも影響しません。

外に見えるのはファスナーの引き手だけ

 前出の「こういうデザインなのでリフォームできません」と応対した方に伝えたいです。「素敵なデザインを生かしたまま、簡単に着やすくなりますよ。ブランドのファンが増えますよ。」って。
 それとも、もう知ってくれているかな。そうなっていたらいいなと思います。

■リフォームの費用

 このようにリフォームをすれば着やすくなるのだけれど、Kさんが気になるのは「ブラウスを買うのと同じくらいの費用がかかってしまう」こと。普段着なら、何枚も必要ですものね。

 今回のリフォームは比較的簡単なものです。コンシールファスナーの縫い付けは難しいように感じますが、ポイントをおさえれば、初心者でもできます。縫い物がお好きなご家族や友人に頼んだり、ボランティアをしてくださる方がいらしたら、ぜひ下記でご紹介する「デザインシート」をご活用ください。

 近いうちに「ファスナー開きの作り方」についてご紹介する記事を公開する予定です。楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。

■デザインシート

洋裁経験があれば、こちらを参考に作ってみてください。
お友達やご家族に製作を依頼するときには、ご自身の希望を整理するためにご活用ください。

■ファスナー開きの作り方

こちらで、ファスナー開きの作り方をご紹介しています。
ぜひ自分でやってみたい!という方がいらしたら、どうぞご活用ください。

■リフォームやオーダーのお問い合わせ

studio fuku ではリフォームやオーダーのご相談を承ります。
同仕様のファスナー開きひとつあたり 2100円(消費税込/材料費別)

価格はデザインや仕様により異なりますので、お気軽にお問い合わせください。
(studio fukuのホームページに移動します)



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