見出し画像

マツバウンラン【松葉海蘭】

とある野原の一角に、藤色に波打つ草むらがありまして。
やや離れたところにありましたが、虹の麓へ行ってみるような気持ちでてくてく歩いていくと、どうやら紫色の小花をつけた野草の群れのよう。ひょろひょろした茎に、ぽつぽつとついた小さな花。幻想的な風景を作っていたのは、地味めな花の集まりでした。少しがっかりしましたが、「せっかく、はるばる歩いたし」とさらに近づいてみると、紫色の小さな花や薄黄緑の丸いつぼみは、まったく地味なことはなく、やっぱりかわいかったのでした。

それ以来毎春、このマツバウンランという花を見つけるのが楽しみの一つになりましたが、なぜか今年、家の塀沿いに2本、生えていました。2本だけ。ご近所に咲いているところはないのに。私が毎年毎年かわいいと褒めちぎっていたのが聞こえたのか、向こうから足を運んでくれたようです。
庭いじり好きの人ならちょっと焦る出会いです。開花から実を結ぶまでがあっという間の帰化植物で、のんびり花を鑑賞している場合ではないらしいのですが、まあ、ほら、かわいいですから...。簡単に引っこ抜けるらしいですし。ダイジョブ、ダイジョブ...。

多くの人が私のように「だってほら、かわいいから...」と眺めている間に、日本に根付いてしまったのでしょうか。か弱そうなひょろっこシルエットからは想像できない、したたかさにも惹かれます。

葉が松葉に、花が海岸に咲くウンラン(海蘭)に似ているから「マツバウンラン」。
初対面の印象から、雲海のように咲く蘭で「マツバ雲蘭」なのかと思っていました。

#マツバウンラン #松葉海蘭 #山野草 #野草
#花が好きな人と繋がりたい
#nuttallanthuscanadensis #nuttallanthus #flowers


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?