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土木の風景

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今までに出会った「土木の風景」についてFaceBook投稿や、冊子に投稿した記事などを寄せ集めました。興味のあるかたは、のぞいていってくれると嬉しいです。
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西田橋との再会

1ヶ月くらい前、NHKで再放送やってる「篤姫」を見てたら、西田橋が出て来て、無性に鹿児島に行きたくなり、本日、新幹線を使った日帰り旅行を決行。 詳しい説明は省くけど、西田橋は、30年くらい前、移設か現地保存かの議論に関わったことがあり自分にとって思入れの強い橋。 公園に移設されて、橋の下で子供が楽しそうに水遊びをしているのを見てぐっとくるものを感じる。あの頃の私は移設反対派で、いろいろ顰蹙なことをやったんけど、この未来に繋がったわけね。。と、感傷に浸る。 「これはこれで橋

【思い出の橋 4】呼子大橋

思い出の橋、第4弾は、佐賀県唐津市にある呼子大橋です。 これも20代の自転車旅行でわざわざ見に行った橋です。とにかく遠かった記憶が鮮明です。 今まで紹介した橋との大きな違いは、鋼ではなくコンクリートの斜張橋という点です。当時は画期的な形式でした。 もう二度と見ることはなかろうと思っていましたが、まさか約20年後九州に転勤となり、唐津市に飛び込み営業で点検・補修設計を提案し、受注にいたるという、奇跡のような縁があった橋です。

【思い出の橋 3】関門橋

西海橋、若戸大橋に続く思い出の橋第3弾は、関門海峡にかかる関門橋です。3つの橋はいずれも吉田巌氏が設計しています。当時はシルエットの美しさと、下から見た迫力に圧倒されました。 約30年前、自転車を担いで寝台車に乗って九州に行き、吉田巌氏の三部作を見に行った20代の経験が、定年が見えてきた今の行動のモチベーションになっています。

Believe-君にかける橋- は、設定が無茶苦茶で、もやもやします

今テレビ朝日でやっている Believe-君にかける橋- は設定がかなり無茶苦茶で、同業者として非常にもやもやします。当たり前の日常を維持するために、見えないところで、地道に頑張っている土木業界の人だったら怒りを覚える人もいると思います。 俳優陣が超一流で、それっぽく見えるのため、一緒に見ている奥さんが「公共事業って裏でこんなことやってるのね」とか言い出し、危機感を持ったので投稿します。 このドラマは警察ドラマに例えれば、「踊る大捜査線」ではなく、「西部警察」や「あぶない刑事

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【思い出の橋2】若戸大橋

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【思い出の橋1】西海橋

【My Power Spot 1】黒木町と矢部川

九州に転勤して12年になりますが、九州にはパワースポットがたくさんあります。行くと元気になるパワースポットをこの場でいくつか紹介して行きたいと思います。 第一弾は、黒木瞳さんの故郷、福岡県八女市の黒木町。 今の季節は藤でにぎわいます。樹齢630年の花の見ごたえもすごいのですが、ほのかな香り、神社の鈴の音、顔を撫でてくれる藤の穂、美味しい野菜や食事。五感を通して体と心が癒されます。視覚だけのバーチャルなツールでは伝えることは不可能なので、ぜひぜひ訪ねていただければと思います

福岡には神様がいる?

私の実家は東京で宗派は仏教ですが、福岡に転勤してからもっぱら神社をお参りするようになりました。 東京・京都・奈良など、かつてのみやこは神社よりお寺のほうが多い反面、九州は神社のほうがお寺より多い気がします(ちゃんと調べてません(笑))。 福岡では、日常の中でしばしば「神様はいるんだなーと」実感する神々しい空を見かけるので紹介します。

百年後の評価を問う  -京都近代化の礎・琵琶湖疏水-(1999「造景」投稿)   

大変古い記事になりますが、四半世紀前にカメラマンの尾花基さんと組んで、「造景」という雑誌に寄稿しました。 尾花さんのホームページに当時のリンクが残っていたので紹介します。

再生

西海橋工事誌番外

お忙しいかたは最後の30秒だけでもみてみて! 西海橋の模型品質には自信があったけど、これには完敗です。。

通潤橋の弟「ひ」洗玉橋(2023ponte投稿)

ひふみよ橋のポンテ投稿をきっかけに、「ふ」の橋のたもとにある「ほたると石橋の館」の館長内田 理絵さんと縁ができ、石橋にかかわるイベントに声をかけていただけるようになりました。一〇月二一日は、「ひ」の橋「洗玉橋」の架橋一三〇年の記念イベントにお声掛けいただき、夫婦で参加したので、報告します。 一、今でも愛される洗玉橋  イベントは、「八女上陽の『ひふみよ橋』を守る会」の主催で朝一〇時~一五時まで、半日かけて行われた。マイクロバスによる現地移動~神主さんによる神事~記念橋渡り~

続々:上陽町「ひふみよ橋」の運命(2021ponte投稿)

(前回からの続き)  バイパス水路まで設けて、四連の石造アーチを守った宮ケ原橋について、より詳しいことを知るために、私は八女石灯ろう協同組合に電話をし、取材の申し込みをした。ひふみよ橋の「ふ」の橋のたもと「ほたると石橋の館」の館長内田さんを紹介いただき、いろいろな話を伺った。  高欄の工事を行った業者は、県外本社の建設業者で、残念ながら八女石灯篭組合は、予算等の関係で工事には関わることが出来なかったとのこと。工事の当事者ではない前提となるが、話を伺い、判った範囲のことをお伝え

続:上陽町「ひふみよ橋」の運命(2021ponte投稿)

 転勤で東京から九州の人になったのは九年前の平成二四年。その年の七月に福岡・熊本・大分県に大きな被害を与えた九州北部豪雨が発生。私はそのまま若干ながらも福岡県八女市の復興に関わることになった。  平成二五年に発刊したポンテ39号では、当時の被災の状況と八女市の観光資源、上陽町のひふみよ橋が受けた被害についてレポートをしたが、本稿では、その続き、ひふみよ橋の復興について報告したい。  ひふみよ橋とは、福岡県八女市上陽町の星野川にかかる四つの石造アーチ橋群の総称で、星野川の約二、

上陽町「ひ・ふ・み・よ橋」の運命(2013年ponte寄稿)

1、博多祇園山笠と九州北部豪雨  博多の夏は770年の歴史をもつという祇園山笠祭りで始まる。山車を引きながら街を走って回り、タイムを競う7月15日の「追い山笠」をクライマックスとし、七月になると一日から博多の街の至る所に「飾り山」と呼ばれる高さ10mはあろう華やかな山車が飾られ、街にハレの雰囲気が漂ってくる。  私が博多に赴任して間もない昨年、「追い山笠」の数日前から前日にかけ、九州北部は激しい雨に見舞われた。道路や駅は冠水し、川もあわや氾濫というところまで水位が上昇し肝