はじめに

これで一旦はフィルムシミュレーションは最終回です。
他のフィルムも試してみたいのですが、別のことも試してみたく…
それに、他の事を期待している方(いたらうれしい)が画像生成ばっかかよ？！って思われても申し訳ないので次回は必ず別の内容にします。

富士フィルム編

Kodak編

それでは始めます！

ILFORD

イルフォードの歴史は、1879年、創業者アルフレッド・ハーマンの自宅の地下室からはじまりました。生まれて140年を超えるイルフォードは、創業以来、一貫して高品質な写真プリント製品を開発・提供しつづけています。
(ILFORDのホームページ引用)

DELTA 400

高感度で粒状性に優れた白黒フィルムで、深みのあるディテールを作り出すために設計されています。
コダック「T-MAX400」と並ぶ、モノクロフィルムでもあります。

これは粒状感はないけど、シャドウの部分がしっかり潰れてくれていていいですね。
デジタルカメラはシャドウ(暗い部分)の描写が豊かで、フィルムはハイライト(明るい部分)の描写が豊かです。

では、他と共通したプロンプトならどうですかね。

コントラストは濃いめではあるが、色が固いですね。硬調です。
デジタルカメラで撮ったモノクロ撮影に近い感じがあります。
これは改善の余地ありです。

次にDynamic Poseの後にhigh contrastを入れてみました。

すると、不思議なことに全体的にdynamic poseの方が強くなった気がします。
これは意外な収穫です。

下記の2つは撮影条件を手振れしやすい状況(プロンプト的にはおまじない程度の効果)にして、最後にmotion blur(モーションブラー：流し撮り)を追加して再度出力してみました。

もはやDelta 400の再現性を見るのでは無く、それを超越した単純にアートの写真として成立するかどうかの視点になってしまいますね。
そういう意味ではとても良い写真です。

DELTA 3200

超ハイスピードな撮影ができるモノクロフィルム。
粒状感が見たくて敢えて再現してみようと思いました。

だめですね。
粒状感は全くないです。
キレイな画質に出すことは得意でも、敢えて画質を落として出すことは苦手なようです。
それが更に人為的にノイジーな写真を選択しようとプロンプトで追加しても全く効果はありませんでした。
ちなみに追加したのは「noisy and rough image quality」ノイジーで粗い画質を意味します。

粒状感は全く話にならないですが、構図的にも好きなものはこれです。

AGFA

AGFAは蜷川実花氏がCanonの写真新世紀と言うフォトコンテストで1996年に優秀賞を取られた際に使用したフィルムメーカーです。
その際に使われたのがUltra Color 100であり、極色彩のイメージを決定づけた立役者でもあります。

Ultra Color 100

飽和する程の鮮やかな赤色、そしてノイジー。
この独特な発色は他には真似できない表現です。
使う前に廃盤になったフィルムです。

全然だめですね。
全く表現できていない。
ノイジーも色表現も全てにおいてダメです。
全く反応していません。
Filmと言うキーワードが反応しているだけのように思います。

プロンプトの初めの方に「Extremely colorful」を追加しました。
極色彩を意味します。
けっこう近くなりましたけど、どちらかと言えばこの描写はVista 200に近い気がします。

「colors to the point where red is saturated」を追加しました。
意味は「赤色が色飽和する程の極色彩」
全く伝わっていないですね。
仕方ないですね。
私はしたくない禁断の一手を使うしかないようですね。

したくないと言うのは、誰かのスタイルを入れる事です。
「蜷川実花スタイル」を入れました。
するとけっこう寄せてくれます！
しかし、スペルを間違えたのです。
StyleなのにStylerになってしまいました。
ただ、midjourneyはスペルミスも汲んでくれますが、クオリティが下がります。
敢えてスペルミスをすると言うのは荒い画質を出したい時などには有効なのかもしれません。

蜷川実花スタイルの真価は縦構図か…
色の乗り方や構図が実に美しいです。
自分の作品とは言えないのでそこが残念です。

Vista 200

今ではごく一部の店舗でしか手に入らない希少なフィルムです。
10年前はよく売られていました。
一回販売終了したのですが、復活したフィルムです。
Ultra Color 100ほどではないですが、色彩が豊かで赤が特に強い特徴は流石のAGFAと言ったところでしょうか。

でも、全然汲み取ってないです。
FILMを汲み取って軟調になっただけです。
ネガフィルムならではの芯があるシャープさが甘い描写にはなっています。

ここで、一つの結論に帰結します。
フィルムの再現は、
「得意な色彩表現ができる被写体の要素をプロンプトに入れた方が良い」
と、言う事です。
下記の生成写真では、
「colors to the point where red is saturated」を追加しました。
意味は「赤色が色飽和する程の極色彩」

特に下の方の写真はVistaに見られるハイキーに若干が赤が載る色彩を再現できているように思います。
これは良い。

おまけ

ちょっと気になったものを少しだけ出してみました。

Ferrania Solaris 200

ノイジーな粒状感に青がキレイな印象のフィルム。
心情風景を切り取る。がしっくりくるフィルムだと私は考えています。

Solarisは全く認識していません。
要素を追加します。
青い花を追加しました。

ちょっと近い描写にはなりましたが粒状感が無いのでエモさが足りません。
とは言え、これはこれで良いのではないでしょうか。

クロスプロセス現像

肌感覚では2008年～2011年頃までに流行ったサブカル的な現像手法です。
ネガフィルムをポジフィルムの現像方法で。
ポジフィルムをネガフィルムの現像方法で現像する事でとんでもない色の写真を現像する事を言います。
photoshopではRGBのトーンカーブをそれぞれ調整し、特定の色彩に強弱をつけて疑似的にクロスプロセスを創り出す事ができます。
その後に山本まり子氏のホワイトバランスをいじった写真が流行り、その後はマキシマムスライダーが多発する、長い暗黒期なサブカル表現が続きます。

クロスプロセスの概念を全く理解していない様子です。
じっくりクロスプロセスの現像方法を探してみます。

まとめ

・FILMがどこかに入るだけで強烈に写真表現になる。
・FILMが入る事で軟調(柔らかい)な色表現になる。
・得意な色彩の被写体を入れると精度が上がる。
・すべてのフィルムに於いて、粒状感の再現は非常に困難。
・画角や撮影情報はおまじない程度ではあるが、多少の効果は認められる気がする。
・フィルム特有の描写が甘いが芯がある写真の生成ができる。
・PortraとReala ACE100はやや効いていると感じる。
・VelviaはVividなど補完するプロンプトが必要なのであまり効き目がない。
・Astiaは比較的良好だが、それはたまたま色表現が近いだけに過ぎない。
・ILFORDは強烈に影響を受ける。
・Ektachromeは強烈に影響を受ける。シンプルなプロンプト程強い影響がある。
・AGFAについては赤を入れると近くなる。
・蜷川実花スタイルを入れるとAGFAは再現性が高いが、禁断の一手。
・クロスプロセスは無効。
・Solarisも無効。

楽しかったけど疲れました。
しばらくnoteでは画像生成からは離れて、別の内容をご紹介します。
VRにするかChatGPTにするか…

よくあるような内容は他の人が既に出しているので、できるだけここでしか見れない内容で書いていこうと思います。
これからもご期待いただけると嬉しいです。

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