フリーランスなのにコンテストに応募する理由

今回、ファーウェイ×マイナビニュースが共催するイラストコンテストの為に絵を描いて投稿をしたので、そういう事に対する今の考え方をまとめようと思いました。

#ファーウェイ夏のイラコン2021


独立開業してから、自分に合いそうな賞があった場合に何回か応募していて、語彙力アップ教材小説「AI暴走中!」の記念イベント・KokuPro大賞では大賞をいただいたりした事もありました。

普通、まがりなりにもプロなのにコンテストに参加するケースって珍しいと思います。実際、もっとクライアントワークを増やす為に営業する等、やる事は無限にあるので「今回で最後にしよう」と何回も考えています。(ただ、営業先を探す一環でGoogle アラートに「 教材  募集」と設定したらコンテスト情報が自動で送られてきてしまうのですが)

それでも続けている(むしろ独立前はほぼしていなかった)のには理由があります。結局は営業・マーケティング・ポートフォリオ・認知にも繋がる話です。

要は「お題があると動きが早い」って事です。

<リンク先のコンテストは「ちょっとした非日常」が主催者からのテーマ>

逆に要件定義が無いと、今作っている物が本当に世間に求められそうなのか第三者視点で判断しにくい訳です。


絵を描くと言っても様々で、趣味なのか仕事なのか、アーティストタイプか職人タイプか、エンタメ系なのか情報伝達(広告・案内)系なのか…色々な方が呼称はどうあれ2極化していると言っており、一般的な道筋だとエンタメ系企業が開催して賞を取った人がプロになる傾向が有名かと。

官公庁や非コンテンツ系企業が広報的な意味でそういう募集しているのも沢山あるのですが、イラストレーターを目指している様な学生の目に映るのはpixivなりSNSで流れてくるエンタメ系情報が多いですし、昔で言うとラノベ表紙を描く人になるにはそれこそ出版社主催の賞を取るしか道が無いと言っても過言ではありませんでした。

2極化と言ってもその間にグラデーションがあり、例えば自分は教材でもアニメ調のイラストが採用される事に注目し、絵柄は今までのエンタメ系のまま非エンタメ系案件をするのが自分の特色を活かせると自己分析しています。すると結構ややこしい事になってきます。

最近、事情が変わっていく速度が加速していますが、上記のラノベ系の例だけなら賞を取れば持ち込み(現在はほぼ無いですよね)の苦労は少なかったと思います。自分は違う方面ですが、とにかく賞→プロになる順番があったと思います。

さて、よく「成功している人のやり方だけ真似しよう」と各所で言われていて、それはその通りだと思います。しかし「よくあるルート」に乗るならそうすれば良いのですが、ゴールが「よくある所」でもスタート地点が「珍しい地点」の時はルートに乗れず、少なくとも少なくとも最短距離では行けません。「X-1」からルートに乗り「X-10」に行くのは自然ですが、「Y-5」から「X-10」に行くには(最善を尽くすのは大前提として)何が功を奏すのかは後になって判ると思います。

自分も今まで失敗も成功もしてきましたが、何で成功したかと考えたら、「成功するまでやったから」とか「その時の流れ」です。


上記でコンテストはエンタメ系の印象があると書きましたが、情報伝達(広告・案内)系でフリーランスが仕事を得るには営業をし、人々に自分を知ってもらわなければなりません。その為にはポートフォリオ(何ができるのかを相手に見せる為の作品集)が必要です。

(※エンタメ系, フリーランス, 就職, etc. 問わずポートフォリオは必要ですがそれだけで一記事できてしまうので割愛)

仮にあなたがこれから塾の広告に使う漫画(or絵)の仕事もしたいと思ったとして、(今までもイラストや漫画を描く仕事をしていたからスキルは十分にあるのは前提)ただ、これまでと違うターゲット層だから作例として見せられる漫画が無い場合、サンプルを自分で想定して制作するしかありません。その仕事をした実績があればそのまま「こういう仕事ができます」と見せるのが一番ですが、その仕事を得る為のサンプル作りです。

絵でもどんなテーマを伝えたいのかといった要件定義をクライアントからヒアリングする必要がありますが、漫画ならどんなセリフを言わせるか等を決める為に更に細かく依頼主の方から聞いて詳しく理解しなければ的確な事は広告を見たエンドユーザーに伝わりません。

広告漫画を描くなら相手次第で床屋でもスポーツジムでもそのサービスを理解しなければなりませんが、今回の例は塾なので、夏季講習が売りなのか?試験の予測が得意なのか?個別学習だとこういうメリットがある等を紹介したいのか?50段階評価に分けてきめ細かい指導をするとどうなるのか?英語の講師だったらネイティブであるかどうかは議論が分かれるのではないか?

…等々、ポートフォリに載せるサンプル作りをしている想像なのに、そこまで考えなければならないのでしょうか?当然リアリティを持たせるには調べ尽くした方が良いです。でも専門家によって意見が分かれる様な事を下手に表現してしまっては「この人、解ってないな」と思われ逆効果になる懸念すらあります。判断が微妙な箇所を避ければ良いかもしれませんが、そもそも、そんなケースではどこが微妙なのか自体の判断を自分で出来ているのかが問題です。

例え絵を描くスキルが高かろうと、漫画制作の一環としてのコミュニケーション能力が必要だろうと、広告の依頼主の業界の専門家ではなく、あくまで絵の専門家なのに、です。極端な話、”広告”という業界はありませんから、毎回依頼主の業界が異なる事もありえるので「全業界の事情に詳しい絵の専門家」なら最強です。仮にそんな人がいるのなら、「専門家」として細分化する必要がない事に…。

だったら、まず実際の依頼を受けて依頼主の方から聞いた方が早いという事になります。少なくともその塾のスタンスとして伝えたい事との乖離は発生しません。

上記の様に、よくある「その依頼が来ないからサンプルを作るんだ」という無限ループが発生するのですが。それは一番大きい問題として、今回の記事の趣旨で扱う事ではない物とします。


で、ようやくコンテストの話に戻ります。

冒頭の「お題があると動きが早い」の通り、コンテストというのは何か目的があって開催されます。場合によってはテーマだけでなくサイズやモノクロの指定、「○○○を2つ以上使う」みたいな条件がある事も。これは趣味でお絵かきする際も同じですが、漫然と「上手い絵」「かわいい絵」「かっこいい絵」を描こうと思っても思考が止まりがちです(いや「私はイマジネーションが溢れて溢れて止まらないんだ」っていう人もいるでしょうが、そういう人はその作家性を評価されて依頼が来るタイプなのでこの投稿と方向性が違います)。SNSに絵をアップするタイプでたまに「毎週、毎月…って描くネタが無い」と困る人がいるらしいですが、よく言われるのが、季節(クリスマス等)や企業・キャラの○周年イベント等に関わる事のようです。要は一つ取っ掛かりがあると描きやすいんですね。絵描きは普段から他の人の良い絵を見たり、「かわいい」なり「美しい」なりアンテナは張っているのでそこからアイデアが派生して小物のデザインや背景も次々と脳に浮かびやすくなります。

ただ描きたい絵を描き進めていくより、統一感が出て普段よりクオリティが上がるとも言われています。

(アチコチの言い回しでお判りかと思いますが、コンテストの件に限らずインフルエンサーや書籍等、様々な角度から情報収集しまくっているので又聞き形式です。自分でも考えていますが強いて言えば「正しいとされている事」は自分の場合にはあてはまるか?を心掛けています)

また、リンク先のコンテスト審査員であるイラストレーター(かつYouTuberとして登録者数数十万人)の方が以前の配信で言っていた事として、『コンテストってその企業の人材発掘の意味合いが強いから、応募作品以外も見てもらえる可能性があるので「この人に依頼したい」って思われる。(要約)』という要素があります。

実際に、賞は取らなくても仕事が来る様になったプロはいるそうです。漫才のグランプリでも、優勝しなくても仕事が増える芸人がいるのと同様なのでしょう。

だから、コンテストとか賞を取るかどうかと別の次元で絵を描いています。そして出来たら見てもらう人数は少ないより多い方が良いかな、って感じで応募します。どんだけ承認欲求少なかったんだって気付きましたが。

基本的に報酬がもらえないので仕事に余裕がある時に作業する「趣味でも練習でもない何か」なのですが、

①企業の人にも見てもらえる

②ご縁ができる(少なくともデータベース的に記録が残る)

と考えると、ポートフォリオ郵送やメール営業と似た様な、

「広い意味での営業」だと拡大解釈はできませんか?

これが自分にとって「プロなのにコンテストへの応募が増えた理由」です。


ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。


イラスト・漫画・動画など制作 / スタジオ葉山


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