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また、いつかどこかで。

3月、またひとつの分岐点。

さて今月末をもって毎週担当しているいくつかのレッスンを終了する。うち5レッスンは、3年1ヵ月契約させていただいたヨガスタジオのものだ。
スタジオの休館日と、新型コロナでのたうちまわっていた1日を除いて、休まずにレッスンを続けてきた。(今でも休んだ1日のことを目から血が出るくらい悔やんでいる。)
この3年、私の生活の支柱のようなものだった。

つらいことも悔しいこともワンサカあって、
でもやっぱり、与えられたものは数えきれないほどにあった。


たくさんの「初体験」

それまで少人数制の個人スタジオでレッスンを担当していた私は、「より沢山のレッスン経験を積みたい」と考え、インストラクター募集に応募した。
こなす、という表現は好ましくないが、どんな人に向けてどんなレッスンが出来るのか、という質を上げていくためには、やはりある程度の数が必要だ。

誰かからレッスンを引き継ぐ、ということ。
20人近くの所属インストラクターのなかの1人に並ぶということ。
フロントスタッフさんがサポートしてくれる体制。
10人以上の方に向けてのヨガレッスン。
ホットヨガ。メンズヨガ。シニアヨガ。
振替・キャンセル待ち・通い放題。

どこのヨガスタジオにもあって当たり前とされるものだが、私にとっては全てが初体験。
毎回レッスンノートを書いて、生徒さんの顔と名前やお身体の特徴を頭に入れていくのにてんてこ舞いの日々。
私の生活は、俄然ヨガインストラクター「ぽく」なった。

接遇やレッスンのみに集中できるという意味で、フロントスタッフさんがいてくれることはとても心強い。
私が最も多く時間をともにしてきたHさんは、シゴデキでとびきり優しく、何度彼女に救われたことかわからない。
「先生のレッスンに来られた方は、必ずリピートされますね。」「今日の参加者が少ないのは天候のせいでしょう。」「先生が代行に入れば、皆さん喜びます。」かけられた言葉が社交辞令かどうかなどということは、どうでもいい。
心がポキンと折れそうな日も、1分前より良い気持ちでレッスンができる。
誉め言葉は出し惜しみせずに言おう、と私は彼女の行いをみて学んだ。


雰囲気は、生徒さんがつくるもの。

便宜上、一律「Yurie先生のレッスン」ということになるが、すべてのクラスは全く異なるムードをもつ。
賑やかなクラス、物静かで集中力の高いクラス、初心者の方もなじみやすいクラス… 曜日や時間帯の影響もあるものの、やはり一番は参加者のパーソナリティによるところが大きい。

私のクラスに来てくださる方の多くは挨拶を欠かさず、マナーを守り、誰にも丁寧でやさしく、お隣の方を気遣いながらレッスンを受けてくれる。
私個人のことを褒められるより、クラス全体の雰囲気やクラスに来られる方を褒められることのほうが、いつも嬉しかった。

残り僅かのレッスンの最後の一秒まで、感謝の気持ちを込めることに努めたい。


旅、旅、また旅。

2月の初めにレッスン終了の告知をして以来「寂しい」と言ってくださる方も多かった。
ほんとうに有難いことだが、どんな方とも、家族や恋人であっても、友人であっても、誰かとずっと一緒にいることはできないのだ、とも思う。

私たちは一人ひとり旅をする者で、それぞれの旅のなかで出会ったり別れたりを繰り返す。

ひとまずさようなら、皆さま。
ご縁があれば、いつかまたどこかで。

よい旅を。




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