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中国のイオンから日本っぽさがどんどん消えている件、そして中国イオンからの逆輸入の件

以前、イオンに行った時にみりんが置いていなくて大騒ぎするnoteを書きました。あの時はどうかしていました。

その後もイオンにはちょくちょく行くのですが、最近はみりんに限らず、日本の料理をつくるための調味料なんかがどんどん置かれなくなってきています。粉末の出汁とか、かつおぶしとか、欲しいと思って行くけどちっとも置いてません。たまたま切らしていたというレベルではなく、もうずっと入荷していないようです。

「日本の食べ物コーナー」みたいなものが一応設けられてはいるのですが、めぼしいものは置いていません。少しは日本らしいものはないかと見ると、サトウの切り餅(10袋パック550g)が置いてありました。年末に向けて買っておこうかな、と思って値段をよく見たら77元。今のレートなら約1,300円です。いや高すぎるだろ。

いま調べたら、Amazonでは同じ商品が3袋で1,608円でした。流通が違うものを持ってきて並べるにはコストが嵩んでしまうのは理解できるし、需要がそれほどないものだから高くなってしまうのもわかりますが、それにしてもこの値段の開き。さすがに買いませんでした。

かと思えば、パチミレーが置いてあったりもして拍子抜けします。日本のものとはいったがそういうことじゃない。

昔はこんなじゃなかったんだけどなあ。もうちょっと品揃えは良かったし、普段そのへんのスーパーでは買えないものを買いに来るのがイオンだったのに。これじゃ、そのへんの中国資本の大手スーパーと変わらないよ。日系スーパーとしての誇りはどうした。もっと熱くなれよ。

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と、修造ばりに憤るのも筋違いな話でして。仮に日本向けのものを置いても需要がないし、店側としてはメリットがないということなのでしょう。

中国におけるイオンのかつての立ち位置は、在中邦人に向けた高級スーパー、といったものでした。日本人もたくさんいたし、それでも商売が成り立っていたのです。中国人のうちイオンの価格帯にリーチできる人も、それほど多くありませんでした。

しかし今や、中国在住の邦人数は減少の一途を辿っています。ピーク時の2012年には約15万人いた在中邦人は反日デモあたりから年々減少し、2020年には11万人台までになりました。

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外務省の海外在留邦人数調査統計より作成)

同時に中国は経済発展めざましく、中国人の購買力もどんどん上昇しています。イオンで買い物をできる人だってどんどん増えてくるわけです。

つまりイオンからしてみれば、主要顧客層が大幅に入れ替っているのです。そりゃあ商品のラインナップも、メインターゲットである中国人に合わせて変更せざるを得ません。僕がイオンで欲しいものを買えなくなってきているのも、必然だと言えるでしょう。

このような流れは、日本料理屋にも起きています。中国において、主に日本人を相手にした日本料理屋はどんどん減少しており、代わりに増えているのは中国人に向けた日本料理屋です。これも日本人が減っているのだから当然ではあります。

仕方ないとはいえ、一抹の寂しさと不便さを感じさせることではあります。

もうこの流れは止められるようなものでもないので、イオン以外の調達先を探すしかないなあ。いやネット通販にいくらでもあるといえばあるんだけど、需要の少ない日本食材をネットで買うとロットが古いものとかつかまされそうでちょっと怖いんだよな。この辺りは僕より嫁の方がよっぽど敏感だし。信頼できるショップを根気よく探していくしかないか……

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ところでイオンといえば、少し前にDXにまつわるモデルを中国から「逆輸入」することがニュースになっていました。

そいいえばこの記事の写真にでている顔認証機能付きのセルフレジは、もうずいぶん前から中国のイオンにありました。もちろんお客さんもこれらをしっかり使いこなしています。日本でもレジゴーなどキャッシュレス化が進んでいると聞きますが、おそらく中国の方がDXについては進んでいるということなのでしょう。

それもそのはず、中国のイオンはDXにまつわる専門の会社を設立し、積極的にデジタル技術の活用を進めていたといいます。

いまや日本の会社が中国でDXを推進し、それを日本に逆輸入する……なんてことが起きているのですね。もはやどっちが親元なのかわかりません。

このような例は、今後どんどん増えていくかもしれません。日本の会社ならまだしも、中国ではじまったモノやサービスが輸入されていくことも多くなるでしょう。

日系企業の撤退、在中邦人の減少、中国からのサービスの逆輸入。さまざまなところで日本の元気がなくなっていっているのを感じる毎日ですが、我々日本人もなんとか頑張りたいものです。

では今日はこの辺で。また明日。

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