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「双十一」中国最大セールの不調を内側から見てみると

中国では先日まで、「双十一」(ダブルイレブン)といわれる、ECを中心としたあらゆるものの大セールが行われていました。

「双十一」とは、もともとは11月11日を「独身の日」となぞらえ、消費力が旺盛なひとり身の若者にたくさんものを買ってもらおうと始まった、特定のECサイトのお祭りでした。

しかし、いまはその当日に限らず10月の後半から、またECに限らずリアル店舗でもセールが展開されるなど、その範囲は拡大し、全国的な「年に一度の買い物祭り」の様相を呈しています。

そんな「双十一」ですが、近年はその売り上げが下がった、あるいは伸びが鈍化したというニュースが目立ちます。

今年の「双十一」についても、取引額があまり伸びなかったということがすでにニュースになっていますが、大きく流れが変わったのは去年からでした。

一昨年までは11月11日になると、「開始から○分で取引額が〇〇億元を達成しました!」というネット中継が各プラットフォームから流されるという、景気の良い光景が恒例行事となっていました。しかし去年からは、取引総額をそもそも発表しないという方針になりました。前年までのような景気の良い伸びが見られない予測があったからと言われています。

こうした「独身の日」の低迷(?)は、中国の不景気と絡めて語られているようです。不況でみんなお金がないから、モノを買い控えているのだ、というロジックです。たしかにそういう部分はあるでしょう。

みんなただ、中にいるものとしては少し違った風景というか、もっと根本的な原因があるように見えています。

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