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シナリオプランニングの現場から

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起こり得る未来の可能性を考えて、それを元により善い未来を創るためのシナリオプランニングという手法。まだまだ十分には知られていないこの手法について、いろいろな角度から紹介していきま… もっと読む
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喉元過ぎても不確実

あっという間に2022年も終わってしまう。 大晦日は、毎年恒例、自分と自社のためのシナリオプランニングに取り組む日。 お客さまの未来のことは考えつつ、自社のシナリオはつくったことがないなんてなれば、それこそ紺屋の白袴。 今年、自分でつくったり、お客さまがつくったシナリオを思い出しながら、最後の最後に自社のためにどの軸を選び、どんな未来の可能性を描き、どんな対応策を考えることになるだろうか。 その前の年末のちょっと意識が高くなっているときに、久々にnoteを書いてみる。

「いいね!」だけでなく「いいなぁ」を育んでいくこと

このところ忙しい日が続いていて、ピークが重なってしまったりすると、どうしても目の前のことに時間を使うことが大半というか、9割くらいになってしまっている。 これが10割とか、それ以上に振り切ってしまっていないのが、良くも悪くも歳を取ったなぁと思うところ。 「いいね!」を振り返ってみると…そんな中、先日、ある情報を探していて「そういえば、この情報って、前にTwitterでいいねしなかったっけ?」と思い出し、自分のTwitterのアカウントのいいねをさかのぼって見ることになった

チームにもアイデアにも、発酵が必要だ

今日は終日「シナリオプランナー養成講座プロコース」のワークの日。 「シナリオプランナー養成講座プロコース」は、弊社が提供しているシナリオプランニング関連講座の最上級レベルの講座で、架空のテーマではなく、実際のクライアントに対するコンサルティングサービスを提供しながら、シナリオプランニングを学んでいくコース。 単にシナリオプランニングを勉強するだけではなく、クライアントへのヒアリングにはじまり、プロジェクトマネジメントしつつ、クライアントへの報告までを自分たちで進めていく。

成果から考える理想的なプロダクトとサービス、そして働き方改革

「仕事のペースをつくる」シリーズとして昨日書いた「休息する」ことで伝えたことは、仕事のやり方からさらに一歩突っ込んで、プロダクトやサービスを開発するときにもかかわってくる。 そもそも昨日の投稿ではQuoraの質問に対する次の回答の内容を話しのきっかけとして使った。 まず前提として知っておいてほしい事があります。多くのトップレベルの会社(特にテックカンパニー)は従業員がどのように会社で過ごしているか細かく管理していません。結果が全てだからです。 「頑張っている」の定義をア

未来のことを上手く考えられるようになるためには?

シナリオプランニングをやっていると、 「シナリオプランニングを身につければ、未来のことをうまく考えられるようになるんですよね?」 という質問を受けることがあります。 そうではない、ということを(もちろん理由も添えて)回答しても、そんな答えをもらった方はどうも釈然としない感じをしています。 スピーチを上達させるためには?そういう疑問を持つ人たちに、どう説明をしたら良いのかを頭の片隅におき続けて、日々、いろいろと考えていたとき、たまたまYouTubeでConor Neil

中学・高校などでシナリオプランニング授業をやります!

自分がシナリオプランニングという未来のことを考える手法に取り組んでいる理由について、以前、こんな感じで記事にしました。 自分の会社としては、この「未来のことを考える」を引き続き、企業向けに取り組んでいきますが、こういうことをやる必要性は大人だけに限りません。 自分としては、シナリオプランニングについての取り組みをはじめたときから、「未来のことを考えるための授業を中学校や高校で実施するご支援をしたい」ということを言い続けてきました。 そういうことを言い続けてきた結果、昨年

ネガティブな世界を想像するからこそ浮かび上がってくること

シナリオプランニングという手法では、普段なら考えない先の未来(例えば10年後)の可能性を複数描く。 具体的にどういうアウトプットになるのかについては、以前に書いた「2030年の世界の食糧システムシナリオ」を見ていただくと、イメージしやすいかもしれない。 先ほど「アウトプット」と書いたが、シナリオプランニングでは、食糧システムシナリオで見たような複数の未来を作成したら終わりではない。 作成して終わりではなく、作成したシナリオを元に対応策を考える。 対応策を考えるためには

「未来のことを考える」を仕事にしている理由

昨日Twitterでこういうことをつぶやいた。 ここに書いたような問題意識に取り組むために、いまはシナリオプランニングを使って「未来のことを考える」ことをしている。 会社としては、どうしてもシナリオプランニングというツールを前面に出しているので、周りからするとツール推しみたいなイメージが強くなってるかもしれないけど、大事なのは、組織などで「未来のことを考える」ことの方だ。 なぜ、未来のことを考えることが必要なのか?Twitterに書いたような問題意識に取り組むために、な

「起業家的」と「伝統的」というマネジメントの違い

シナリオプランニングからの戦略実行時に遭遇する課題シナリオプランニングに取り組んでいる企業が、せっかく時間をかけてシナリオを作成し、それを元に戦略を策定したにもかかわらず、いざ戦略を実行する段階になって、シナリオでやったことが活かせなくなってしまうことがある。 それにはいろいろな原因があるが、そのひとつとしてマネジメントスタイルを意識していないことがある。 シナリオプランニングに取り組んだ結果、不確実なテーマに対応できるような事業に取り組んでいくことを決めて動き出した。し

意思決定者の「小宇宙」に影響を与える

シナリオプランニングについて話しをするときに、もう何年も言い続けてきたのは、 ・シナリオを作って終わりではダメなんです ・シナリオはアウトプットではなくインプットです ということ。 シナリオプランニングでつくったシナリオ(未来について表した複数の世界)は、完成したら終わり(アウトプット)ではなく、完成したものを元(インプット)にして、戦略や事業を検討するところまでを考える必要性を伝えている。 自社のメールマガジンや公開セミナーでそう言い続けてきたのもあり、「シナリオを

意思決定の視座を増やす

組織でシナリオプランニングのプロジェクトに取り組んだあと、参加者から出てくる感想として多いのが「社長が危機感を持て、と言っていた理由がよくわかった」というもの。 それもそのはず、現場を中心に動いている社員と社長とでは、自社を見る視座が違う。 もちろん、現場にいる自分としては、何よりもその範囲での成果を上げなければいけないので、いくら社長が持っているような長期的な視座がすばらしいからといって、自分の視座を捨て去るわけにもいかない。 そのように「自分の視座(短期)」か「社長

10年後、50年後、100年後の世界をつくっていく仲間さがし

昔から、寝ているときにみる夢はリアリティがあるものばかり。 たとえ気色悪い内容でなくても、リアルすぎて目が覚めてしまうこともよくある。普段、体験したことがリアルな夢として出てくるのはわかるけど、まったく体験したことがないようなことをリアルな夢としてみることも多い。 夢の中での演説今朝方の夢も、そんな夢。 ひなびた温泉街のような町並みにいる。雰囲気は明治時代くらいの感じではあるけど、よくはわからない。 その町で自分が親しくしている(でも現実には知らない)人に、会合のよう

シナリオプランニングを活かすためのコミュニティという仕組み

昨日、プロを育てるためのコミュニティについて考え始めるという投稿をした。 これはいきなり出てきたわけではなく、「プロを育てる」というのは最近になって出てきた問題意識。元々は「コミュニティ」の方に関心を持った。 そう考えたきっかけは、シナリオプランニングに取り組んでいく中で生まれたものだということを今日はまとめてみようと思う。 シナリオプランニングを、単なる手法として使うだけでなく、それを活用して変化する環境に柔軟に対応していける(レジリエントな)人や組織をつくっていくた

不確実な時代の学び方

シナリオプランニングに関する文献を読んでいると「不確実性」という言葉を目にすることが多い。 それもそのはず、シナリオプランニングは「不確実性」に対処するための手法だからだ。 しかし、そのような手法を知り、身につけたから安心というわけにはいかない。 単に道具としての手法を身につけて安心するのではなく、その道具を使う、私たち自身の頭の使い方も変えていかなければいけない。 中でも、これだけ世の中が不確実になってきている今、「学ぶ」ことの意味が変わっていることに目を向けること