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本棚ーなんども読むnoteー

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読みながら涙が出たnote、ニヤニヤが止まらなかったnote、誰かにおすすめしたいnote。本棚に並べておきたいnoteたち。
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#note

cakesのホームレス「取材」記事で考えた、「消費」する目線

先日、「cakesクリエイターコンテスト2020」の優秀賞を受賞した作品、「ホームレスを3年間取材し続けたら、意外な一面にびっくりした」に、批判や違和感を訴える多くの声が向けられました。 「炎上」後の追記や修正などの経緯、問題点などについては、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの理事長である、大西連さんの記事に詳しい記載があります。 大西さんの記事で指摘されている通り、ばぃちぃさんのcakesの記事には、ホームレスの方々を会いに行ける「興味の対象」としてとらえ

止まった時間と透明な回転扉

自分の中に止まった時間がある。 生きることに必死だったが、どこにも向かえなかった時間。精一杯もがいたが、少しも動けなかった時間。 希望はなかったが、絶望しないように必死だったときの記録と記憶。 *** 二年前のある日、有楽町線の電車に乗っていた。当時通っていたカウンセリングルームの帰りか散歩の帰りか、よく覚えていないが、めずらしく外出した日だった。 自分の気持ちがわからなくなってから、しばらく時間が経っていた。 うれしいとか楽しいとか悲しいとかつらいとか、なにもわ

自分探しの旅に出たら、自分と世界の捉え方が変わった話。

2018年1月から4月、ふらふらと海外を放浪したときがあった。今振り返れば「自分探しの旅」という名前をつけられるけれど、当時はただただ、生きることに必死だった。 何者かに、なりたかった旅に出る前の自分は、自分のことが嫌いで、とにもかくにも、変わりたかった。 どれだけ挑戦しても成長しても満たされることがない渇望。できることはどんどん増えていくけど、やりたいことは一向にわからない不安。 今の自分を嫌いになることは、自分の土台そのものを否定してしまうことにつながり、あらゆる状